被選挙権 被選挙権の概要

被選挙権

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/09/07 09:10 UTC 版)

被選挙権の本質

被選挙権を選挙権によって認められた選挙に参加する権利の一環である「立候補の自由」とみなす見解がある一方で、選挙を通じて当該公職に相応しい人物を選び出すのが選挙の目的であるとして、被選挙権を権利そのものではなくて権利能力とする見方を採用して、選挙で選ばれた場合に公職に就くことを許される資格と捉える見解もある。そのため、選挙権と異なる要件を付される場合があり、その場合には選挙権よりも要件が狭くとらえられることとなる。

被選挙権と年齢

世界・地域における被選挙権年齢(国の議会)[1](2015年12月現在)

被選挙権の欠格事由

日本では例外的に被選挙権を有しない者については、公職選挙法第11条1~2項・第252条、政治資金規正法第28条、電磁記録投票法第17条に規定がある。

  • 禁錮以上の刑に処せられその執行を終わるまでの者
  • 禁錮以上の刑に処せられその執行を受けることがなくなるまでの者(刑の執行猶予中の者を除く)
具体的には、以下の何れも成立してない者
  1. 仮釈放後の残刑期期間満了
  2. 刑の時効
  3. 恩赦による刑の執行免除
  • 公職[注 1]にある間に犯した収賄罪または斡旋利得罪により刑期満了になっていない者
  • 公職[注 1]にある間に犯した収賄罪または斡旋利得罪の実刑の刑期満了から10年間を経過しない者
  • 選挙に関する犯罪[注 2]により禁錮以上の刑に処せられ、刑が執行猶予中の者
  • 選挙に関する犯罪[注 2]により実刑の刑期満了から5年間を経過しない者
  • 政治資金規正法に定める犯罪[注 3]により禁錮以上の刑に処せられ、刑が執行猶予中[注 4]の者
  • 政治資金規正法に定める犯罪[注 3]により実刑の刑期満了から5年間[注 4]を経過しない者

注釈

  1. ^ a b 過去には公職ではない人物が収賄罪の執行猶予付き有罪確定になった際に、誤って執行猶予中に公民権が停止された例が存在する。例として公職でない元輪之内町農業委員、元鹿町町建設課長、元瑞穂郵便局保険課長、元建設省酒田工事事務所副所長が収賄罪で執行猶予付き有罪確定になった際に誤って執行猶予中に公民権が停止されたことがある。
  2. ^ a b 選挙人名簿の抄本等の閲覧に係る報告義務違反・選挙事務所、休憩所等の制限違反・選挙事務所の設置届出及び表示違反・選挙気勢を張る行為の禁止違反・自動車、船舶及び拡声機の使用表示違反・ポスター掲示違反・文書図画の撤去処分拒否・街頭演説の標旗提示拒否・夜間街頭演説禁止違反・選挙運動のための通常葉書等の返還拒否及び譲渡禁止違反・選挙期日後のあいさつ行為の制限違反・推薦団体の選挙運動の規制違反・政党その他の政治活動を行う団体の政治活動の規制の違反・選挙人等の偽証罪を除く。
  3. ^ a b 政治資金監査報告書の虚偽記載・政治資金監査の業務等で知りえた秘密保持義務違反を除く。
  4. ^ a b 裁判所によって情状により被選挙権停止を適用しなかったり、停止期間を短縮したりすることもできる。

出典

  1. ^ 那須俊貴(政治議会課)「諸外国の選挙権年齢及び被選挙権年齢」(PDF)『レファレンス』第779号、国立国会図書館、2015年12月、ISSN 0034-29122017年10月19日閲覧 
  2. ^ 選挙権と被選挙権 総務省
  3. ^ 判例全文(平成9(行ツ)78) 平成9年8月25日最高裁判所判決 (PDF)
  4. ^ 地方議員選、居住なし立候補に罰則 改正法案を閣議決定”. 朝日新聞 (2020年3月3日). 2023年7月14日閲覧。
  5. ^ 「地方分権一括法」成立 虚偽の立候補届け出には罰金”. NHK政治マガジン (2020年6月3日). 2023年7月14日閲覧。


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