横浜市
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/02/25 17:36 UTC 版)
交通
航空
- 市内に空港はなく、東京都大田区の東京国際空港(羽田空港)もしくは千葉県成田市の成田国際空港(成田空港)が最寄りとなる。アクセス路線として横浜駅東口バスターミナルに隣接する横浜シティ・エア・ターミナル (YCAT) を中心に、市内の各主要駅から両空港へのリムジンバスが発着し、鉄道路線では京急が市内各駅と羽田空港第3ターミナル駅および羽田空港第1・第2ターミナル駅を結ぶ列車、JRが横浜駅と空港第2ビル駅および成田空港駅を結ぶ列車(成田エクスプレスなど)を運行している。
- なお、国際航空運送協会 (IATA) 都市コード 「YOK」 を持つ。
船舶
- 横浜港は、開港当初から昭和初期に至るまで、綿花などの原料・鉄類・機械の輸入と、生糸・綿糸・絹織物の輸出を主とし、特に生糸貿易港として発展した。その後、京浜工業地帯の発展に伴い、鉄鋼・機械類・油脂の輸入と、機械類・金属製品・鉄鋼の輸出を主とする工業港となる。現在では、本牧埠頭、大黒埠頭、南本牧埠頭の三つの複合型コンテナ埠頭群が整備され、コンテナ貨物取扱や倉庫物流における日本経済の拠点として重要な役割を担っている[116]。一方では、高島埠頭や、新港埠頭はその役割を終えて、みなとみらい地区として再整備され、新たな港湾機能の役割を担っている。また、山下埠頭もバルク貨物のコンテナ輸送移行に伴いその役割を終えつつあり、新山下地区再整備構想のなかで、新たな横浜都心の整備エリアとしての構想が出されている。横浜港は、日本有数の貿易港となり、東京港と併せて京浜港として指定特定重要港湾(スーパー中枢港湾)に指定されている[117]。また横浜港は、明治以来、海外渡航者の海路玄関口の一つとして、大さん橋や新港埠頭に多くの客船や移民船が出入りした。1960年代以降は外国航路が空路に替わり、国内フェリー航路の中心が東京港を中心に発展したことや、1970年代前半のオイルショックにより海運会社が貨客船による船客輸送を減少させたことから、客船ターミナルとしての役割は減衰し始めた。しかし1960年代後半から1990年代前半まで旧ソ連極東船舶公社がナホトカ定期航路を開設し維持したことが横浜港の海外渡航機能としての役割を維持した。また東海汽船により伊豆諸島への旅客港としての航路も維持している。
- 1990年代になると、日本国内でクルーズ客船による船旅が活発化し始め、クルーズ客船も大型化が著しくターミナルも老朽化したことから、2002年(平成14年)6月に大さん橋国際客船ターミナルが新装オープンした。また横浜市もクルーズ客船の寄港誘致に積極的に取り組んだ結果、横浜港への日本船籍のクルーズ客船の寄港回数は2003年度に国内1位になり、現在まで国内1位を続けている[注釈 16][118]。
- 一方乗降客数では、2007年から2008年現在、外国航路の定期路線が存在せず、国内航路は伊豆諸島への定期航路しかないため、国内主要旅客港との乗降客数の比較では、中国への定期客船航路を持つ大阪港や神戸港、国内フェリー航路を持つ東京港のより低い数値となっている。横浜港へのクルーズ客船寄港が大きな経済波及効果を伴うことと、クルーズ旅行そのものが、先進国の富裕層の指標ともなっており、中長期的に増加が見込まれることから、横浜市や横浜港にとってクルーズ客船寄港促進は、同じく経済波及効果の高いコンテナ船寄航促進と並び、重要な課題となっている。
- 横浜港遊覧
鉄道路線
主要な駅
- 1日平均乗車人員の多い駅(上位20位まで)[注釈 17]
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- そのほかの主要駅
市内に所在する路線と駅名の一覧
横浜市営地下鉄(横浜市交通局)
- 横浜市営地下鉄ブルーライン(湘南台駅を除く全線)
- 横浜市営地下鉄グリーンライン(全線)
横浜シーサイドライン
- 金沢シーサイドライン(全線)
- 備考
- 市内のJRの駅は、JRの特定都区市内制度の「横浜市内」駅として扱われる。(なお、「横浜市内」駅には川崎市内の一部JR駅も含む)
- 横須賀線・京浜東北線・湘南新宿ライン・相鉄線直通は運転系統上の名称であり、線路名称上はいずれも東海道本線に属する。そのため、線路名称上市内を通るJRの在来線は、東海道本線・根岸線・横浜線・南武線・鶴見線の計5路線である。
- 京浜東北線と根岸線は、常時相互直通運転を行っている。
- 横浜線の一部列車は、東神奈川駅から根岸線に乗り入れる。
- 西隣の鎌倉市に所在する大船駅の東側一部が栄区に跨る。(上記「横浜市内」駅には含まれない)
- 弘明寺駅は京急とブルーラインの2路線にあるが、お互いの距離は600mほど離れているため、同一駅及び乗換駅ではない。
- 羽沢横浜国大駅には相鉄新横浜線とJRの相鉄線直通が乗り入れ、「相鉄・JR直通線」として常時相互直通運転を行っている。
路線バス
各事業者の運行子会社は省略。
- 横浜市営バス - 旧市街地を中心に市域の約5割をカバー。一部路線を神奈中など民営に移管中。また、一部の運行業務を、横浜交通開発に委託している。(車両は、横浜市営バスのものを使用)
- 京浜急行バス - 金沢区・磯子区中心。京急グループ。
- 川崎鶴見臨港バス - 鶴見区中心。京急グループ。
- 東急バス - 港北区鶴見川以北・都筑区・青葉区中心。東急グループ。
- 江ノ電バス - 港南区笹下地区、磯子区西南部、戸塚区JR以東および栄区豊田地区中心。江ノ島電鉄の事業子会社、小田急グループ。
- 小田急バス - 青葉区の一部に乗り入れる形。小田急グループ。
- 神奈川中央交通(神奈中バス) - 戸塚区・栄区・泉区・瀬谷区・港南区・旭区・緑区・青葉区のJR以南中心。小田急グループ。
- 相鉄バス - 相鉄沿線・中区・西区・神奈川区・戸塚区の一部。相鉄グループ。
- 大新東バス - 金沢区南部の分譲地限定。
- フジエクスプレス - 2007年4月1日より横浜市営バス134系統を全便移譲の上、一部運行経路を変更(桜木町駅〜中区本牧地区循環線)して運行を開始する。富士急行グループ。
- 川崎市バス - 久末団地線(高田町 - 久末団地間)および犬蔵線(たまプラーザ駅)で横浜市に乗り入れ。
乗車方法は、走行地域や運行会社により異なる。市営バス・臨港バス・東急バス・小田急バス・フジエクスプレス・大新東バスは前乗り後降り先払いで、区間制の路線であっても整理券は使用せず、乗車時に行き先を乗務員に告げて所定の運賃を支払う。京急バス・相鉄バス・江ノ電バス・神奈中バスは前乗り後降りの路線と後乗り前降りの路線があるが、これは地域(均一制か区間制)によって異なる。なお、神奈中バスでは主として戸塚以西で前乗り前降りの路線も存在する。後乗り前降りと前乗り前降りの路線はいずれも後払いであり、整理券方式を採っている。
道路
横浜市は「横浜国際港都建設法」により、日本の代表的な国際港都であるべきことが目的として掲げられている(法第1条)。そのため、国際港都にふさわしい都市計画として「横浜国際港都建設計画」を定めることになっており、その道路事業が「横浜国際港都建設計画道路事業」として計画されている。
しかし道路整備率は13大都市間で最低位である。戦後比較的早期に「横浜国際港都建設計画道路事業」として策定され、その後も都市計画法制定まで多数の計画路線が追加されたが、事業着手され全線完成した路線は少ない。直近でも「ゆめはま2010プラン」1994-2010や「横浜中期政策プラン」2002-2006、「中期計画」2007-2010等で横浜都心迄30分の交通体系整備を実現させる3環状10放射からなる主要計画があるが、全線完成したのは2路線に過ぎない。市内の都市計画道路の整備率は、2009年3月31日時点で計画延長688.93kmに対し、整備済446.37kmであり、整備率は64.8%である。
- 3環状
- 10放射
主要な道路一覧
- E1東名高速道路:横浜青葉IC/JCT - 港北PA - 横浜町田IC
- E83第三京浜道路:都筑IC/都筑PA - 港北IC/横浜港北JCT - 羽沢IC - 保土ヶ谷PA - 保土ヶ谷IC
- 国道1号横浜新道:保土ヶ谷IC - 常盤台IC - 峰岡IC - 星川IC - 藤塚IC - 新保土ヶ谷IC - 今井IC - 川上IC - 戸塚PA - 上矢部IC - 戸塚終点
- 国道16号横浜新道:新保土ヶ谷IC - 狩場IC/JCT
- E16横浜横須賀道路本線:狩場IC - 別所IC - 日野IC - 港南台IC - 釜利谷JCT - 朝比奈IC
- E16横浜横須賀道路金沢支線:釜利谷JCT - 金沢自然公園IC - 堀口能見台IC - 並木IC
※ このほか、首都圏中央連絡自動車道(圏央道)の横浜市内区間にあたる横浜環状南線が、2025年度に開通する予定である[120]。
- K1 神奈川1号横羽線:汐入出入口 - 生麦JCT - 生麦出入口 - 守屋町出口 - 子安出入口 - 東神奈川出入口 - 金港JCT - 横浜駅東口出入口 - みなとみらい出入口 - 横浜公園出入口 - 石川町JCT
- K2 神奈川2号三ツ沢線:金港JCT - 横浜駅西口出入口 - 三ツ沢出入口 - 三ツ沢JCT
- K3 神奈川3号狩場線:本牧JCT - 新山下出入口 - 山下町出口 - 石川町入口 - 石川町JCT - 阪東橋出入口 - 花之木出入口 - 永田出入口 - 狩場JCT
- K5 神奈川5号大黒線:大黒JCT - 大黒PA - 大黒ふ頭出入口 - 生麦JCT
- K7 神奈川7号横浜北線:生麦JCT - 岸谷生麦出入口 - 馬場出入口 - 新横浜出入口 - 横浜港北出入口/JCT
- K7 神奈川7号横浜北西線:横浜港北出入口/JCT - 横浜青葉出入口/JCT
- B 湾岸線:大黒JCT - 大黒ふ頭出入口 - 大黒PA - 本牧JCT - 本牧ふ頭出入口 - 南本牧ふ頭出入口 - 三溪園出入口 - 磯子出入口 - 杉田出入口 - 幸浦出入口
- その他の自動車専用道路
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- 神奈川県道2号東京丸子横浜線
- 神奈川県道6号東京大師横浜線
- 神奈川県道12号横浜上麻生線
- 神奈川県道13号横浜生田線
- 神奈川県道14号鶴見溝ノ口線
- 神奈川県道21号横浜鎌倉線
- 神奈川県道22号横浜伊勢原線
- 神奈川県道23号原宿六ツ浦線
- 神奈川県道30号戸塚茅ヶ崎線
- 神奈川県道40号横浜厚木線
- 神奈川県道45号丸子中山茅ヶ崎線
- 環状2号線
- 環状4号線(一部)
- 横浜市主要地方道80号横浜駅根岸線
- 横浜市主要地方道81号藤棚伊勢佐木線
- 横浜市主要地方道82号山下本牧磯子線
- 横浜市主要地方道83号青木浅間線
- 横浜市主要地方道84号保土ヶ谷宮元線
- 横浜市主要地方道85号鶴見駅三ツ沢線
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東京都町田市 | 川崎市 | ![]() | |
大和市 | ![]() |
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藤沢市 | 鎌倉市 逗子市 | 横須賀市 |
注釈
- ^ 徽章は横浜港開港50周年を記念して、市民からの公募により制定(明治42年6月5日告示第44号)。「ハマ」の2文字が図案化されている。公式には、この意匠を「ハマ菱」という(「交通局徽章設定ノ件」(大正10年2月25日)、横浜市功労章に関する規則(昭和30年3月5日規則第7号)別図)
- ^ 1980年(昭和55年)に緑区長津田町と旭区上川井町から一部を編入した、卸本町の一部を除く。
- ^ 関内地区の中区本町6丁目50番地の10には横浜市役所が、中区日本大通1番地には神奈川県庁がある。
- ^ 武蔵国久良岐郡に属する。「横浜」の名は、海から見たとき「横に長い浜」であることに由来するとされる[32]。櫻井澄夫や鏡味明克(横浜地名研究会会長)によれば、古語の「ヨコ」の用例から「長い浜」であることに由来し、大浜や長浜とほぼ同義であるという[33]。
- ^ 横浜村は、安政6年(1859年)に横浜町となり、1878年(明治11年)には郡区町村編制法の施行により横浜区になっていた。
- ^ 以下の数値は資料不足値の為未記載、1923年「平均気温(12.8)、最高平均(18.7)、最高気温・最高値(34)、最高気温・最低値(1.8)、最低平均(11.1)、最低気温・最低値(-6.7)、最低気温・最高値(27)、各階級日数<0℃最低(41)、≧25℃最低(13)、<0℃最高(0)、≧25℃最高(68)、≧30℃最高(38)、≧35℃最高(0)、湿度(75)」2013年「湿度(64)」
- ^ 野毛山公園の石碑による
- ^ 横浜市立学校の管理運営に関する規則(昭和59年教育委員会規則第4号)4条1項8号は、小中学校における休業日として「開港記念日 6月2日」と定めている。
- ^ 従来、開港記念日は旧暦に合わせて6月2日としてきたが、このとき新暦に合わせて7月2日とした。しかし、1928年(昭和3年)には6月2日に再変更され、現在に至っている。
- ^ 関東大震災による死者は2万人余で人口比にして東京の約2倍 (5.4%)、全壊家屋は6万戸。
- ^ 横浜大空襲による被害は、死者3,787人、重傷者1,554人、軽傷者10,837人、罹災者313,144人、罹災戸数79,350戸に及ぶ(「神奈川県下の空襲被害状況」 (PDF) 、『神奈川県警察史(中巻)』より、横浜市行政運営調整局総務部法制課)。
- ^ 横浜は連合国軍によって、港湾施設の90%、市街地の27%が接収された。接収された土地の面積は918万m2、建物は96万m2に上る。また、横浜の接収は、沖縄県を除く全国の接収土地面積の70%、接収建物の61%を占め、その6割は継続接収であった。
- ^ 以下、いずれも2020年(令和2年)9月1日現在。
- ^ 市議会を地方自治法規定外の通称である「市会」と称する慣習は、他の五大都市にも見られる。
- ^ 詳しい表記などは、「横浜市の町名一覧(平成18年11月1日現在)」(横浜市市民活力推進局区政支援部窓口サービス課、2007年1月5日更新)を参照。
- ^ 2006年(1月〜12月)の日本船籍客船の寄港回数は、131回で4年連続国内1位。
- ^ 横浜市統計書の、2019年度の市内各駅の1日平均乗車人員より算出した。複数の鉄道会社が乗り入れている駅については、それぞれのデータを合算した[119]。
出典
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