ポートサービスとは? わかりやすく解説

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ポートサービス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/07/02 16:57 UTC 版)

株式会社ポートサービス
THE PORT SERVICE CORPORATION
本社のある産業貿易センタービル
種類 株式会社
市場情報 非上場
本社所在地 日本
231-0023
神奈川県横浜市中区山下町2番地
産業貿易センタービル7階
設立 1953年7月3日
業種 海運業
法人番号 5020001028793
事業内容 遊覧船・作業船の運航
代表者 代表取締役社長 齊藤 宏之
資本金 1600万円
純利益
  • △3,495万3,000円
(2025年3月期)[1]
総資産
  • 4億5,244万7,000円
(2025年3月期)[1]
主要株主 藤木企業
外部リンク http://www.yokohama-cruising.jp/
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株式会社ポートサービスとは、横浜港にて船舶を運航する海運会社である。山下公園を拠点に横浜港内で水上バスの「シーバス」やレストラン船の「マリーンルージュ」を運航している。

沿革

1953年昭和28年)7月、藤木企業の交通船[2]繋離船事業を分社化して設立された[3]。当初の社名は株式会社ジャパンポートサービスであったが、1957年(昭和32年)に株式会社ポートサービスに商号変更した[4]

2025年4月10日に、横浜港における観光船事業を、2025年5月1日を目処に藤木企業との合弁会社「Y Cruise」に移管することを発表した[5]

運航路線

定期航路

臨時航路

のシーズンになると、大さん橋発着で大岡川の桜並木を見物する「横浜大岡川桜満開クルーズ」が運航される。昼の便のほか、夜桜を楽しむ夜の便もある。なお、大岡川は川幅が狭いため、2021年に就航した新造船、シーバスACEで運航される。

1989年平成元年)の横浜博覧会会期中は、会場内の「海のゲート」付近に設置されていた浮桟橋(現在の臨港パーク潮入りの池そばの海上)にも、観光船 あかいくつ号・シーバス・マリーンシャトルが寄港していた[11][12]

港湾作業船

横浜港および川崎港で、交通船(沖合に停泊している船舶に船員を輸送する作業船)[13]や繋離船(船舶を岸壁に接岸させたり離岸させたりする作業船)の業務を行う[14]

所属船舶

マリーンルージュ
  • マリーンルージュ[15]
    1992年(平成4年)1月竣工、就航。金川造船建造。
    661総トン、全長56.00m、型幅9.80m、型深さ3.80m、ディーゼル2基、機関出力1,300ps、航海速力12.0ノット、旅客定員400名。
    主にランチクルーズやディナークルーズを目的として造られた高級感重視のレストラン船。船内は3階建てで、目的、規模に応じたクレスト、カレント、イザベラ、セレッソの大小4つのダイニングと、ルミエールやスカイデッキなどの眺望のためのスペースがある。ランチクルーズ、ディナークルーズ共に本格的なフランス料理フルコースが楽しめるが、遊覧のみの乗船も可能。この他、貸切運航(150名以上)も行っている。サザンオールスターズの「LOVE AFFAIR~秘密のデート」の曲の歌詞にもなったレストラン船。
シーバス:船体後部がオープンデッキ構造になっている。
  • シーバス5[16]
    1989年2月竣工、墨田川造船建造。
    46総トン、登録長22.51m、型幅5.00m、型深さ1.93m、ディーゼル1基、機関出力350ps。
  • SEABASS ZERO
  • SEABASS ACE
    「シーバス」シリーズは3隻が在籍。みなとみらい大橋高島貨物線の橋梁もくぐれるよう、河川を航行する水上バスのような低い船高を持つ。横浜駅東口~ハンマーヘッド~ピア赤レンガ(~山下公園は2022年現在改修工事のため運休中)の定期航路のほか、工場夜景クルーズやイルミネーションクルーズ、シーバス羽田クルーズなど様々な企画クルーズも運航している。

過去の船舶

  • イーグル[17]
    竣工・建造不詳、木造船。
    22.72総トン、登録長17.00m、幅3.39m、深さ1.55m、ディーゼル1基、機関出力225ps、最大速力10ノット、旅客定員45名。
  • ストーク[17]
    竣工不詳、南国特殊造船建造、木造船。
    24.71総トン、登録長12.92m、幅4.12m、深さ1.99m、ディーゼル1基、機関出力225ps、最大速力10ノット、旅客定員46名。
  • 第五富士[17]
    1951年(昭和26年)12月竣工、南国特殊造船建造、木造船。
    20.37総トン、登録長13.64m、幅3.68m、深さ1.43m、ディーゼル1基、機関出力80ps、最大速力8ノット、旅客定員68名。
  • よこはま[17]
    1959年(昭和34年)7月竣工、就航。中村工業建造。
    54.02総トン、登録長18.88m、幅5.06m、深さ1.80m、ディーゼル1基、機関出力90ps、最大速力9ノット、旅客定員257名。
  • かながわ[17]
    1961年(昭和36年)3月竣工。三津浜造船建造。
    99.00総トン、登録長24.05m、幅5.00m、深さ2.50m、ディーゼル1基、機関出力180ps、最大速力10ノット、旅客定員329名。
  • やました[17]
    1961年11月竣工、鈴木造船鉄工所建造。
    28.79総トン、登録長14.31m、幅3.90m、深さ1.70m、ディーゼル1基、機関出力60ps、最大速力8ノット、旅客定員70名。
  • いせざき[17]
    1961年12月竣工、鈴木造船鉄工所建造。
    28.90総トン、登録長14.31m、幅3.90m、深さ1.70m、ディーゼル1基、機関出力60ps、最大速力8ノット、旅客定員70名。
  • とびうお[17]
    1962年(昭和37年)6月竣工、新明和工業甲南工場建造。軽合金製水中翼船。
    4.50総トン、登録長8.50m、幅2.40m、深さ1.00m、ガソリンエンジン1基、機関出力225ps、最大速力40ノット、旅客定員13名。
  • はごろも[17]
    1962年7月竣工、鈴木造船鉄工所建造。
    28.20総トン、登録長14.31m、幅3.90m、深さ1.70m、ディーゼル1基、機関出力60ps、最大速力8ノット、旅客定員67名。
  • みずえ[17]
    1963年(昭和38年)10月竣工、喜多造船所建造。
    33.45総トン、登録長16.26m、幅4.00m、深さ1.78m、ディーゼル1基、機関出力120ps、最大速力9ノット、旅客定員125名。
  • しんよこはま[18]
    1970年(昭和45年)2月竣工、就航。三陸造船鉄工建造。
    197.65総トン、全長34.50m、型幅6.80m、型深さ2.50m、ディーゼル1基、機関出力400ps、航海速力9.00ノット、旅客定員540名。
    のちに、「かもめ」に改名[19]
  • あかいくつ号[18]
    1979年(昭和54年)1月竣工、就航。金川造船建造。
    298.15総トン、全長37.00m、型幅7.90m、型深さ2.90m、ディーゼル1基、機関出力1,000ps、航海速力12.70ノット、旅客定員566名。
    引退後、関西港湾サービスに売船、「ペガサス」に改名[15]
マリーンシャトル
  • マリーンシャトル[15]
    1985年(昭和60年)6月竣工、就航、2021年(令和3年)7月運航終了[20]。金川造船建造。
    764総トン、全長49.90m、型幅10.20m、型深さ3.80m、ディーゼル1基、機関出力1,600ps、航海速力12.0ノット、旅客定員634名。
    主に横浜港周辺の見学を目的として作られた遊覧船修学旅行遠足等での利用も多い。船内は3階建てで、劇場のような形式のビューシートやオープンデッキなど眺望重視の船室が多く、船内のモニターでは横浜港の案内ビデオが放映されていた。また、カジュアルレストラン「プラネット」があり、別料金で食事も楽しめた。定期航路としては山下公園、ピア赤レンガ、みなとみらい(ぷかりさん橋)に寄港し、横浜港周辺を周回遊覧していた。2階前方ビューシートは前方に向かって斜めになっているので、横浜港の臨場感が後方の席でも味わえた。
  • シーバス[16]
    1985年11月竣工、墨田川造船建造。
    43総トン、登録長20.20m、型幅4.74m、型深さ1.42m。
    最初に運行開始したシーバス。白地に青と緑のラインが描かれている。
    2022年11月6日をもって運航終了。[21]
  • シーバス2[16]
    1986年7月竣工、墨田川造船建造。2021年に運航終了。
    42総トン、登録長21.01m、型幅5.00m、型深さ1.93m。
    2隻目のシーバス。シーバスよりも船体を延長している。白地に赤とオレンジのラインが描かれている。
    2018年4月から2021年3月24日までは京急電鉄のラッピングが施されていた。[22]
  • シーバス3[16]
    1987年10月竣工、墨田川造船建造。
    42総トン、登録長21.01m、型幅5.00m、型深さ1.93m、ディーゼル1基、機関出力350ps。
    3隻目のシーバス。白地にグレート黒のラインが描かれている。
    2019年9月9日の台風で、山下公園に係留中、高潮によって浸水・沈没し、廃船となった。[23]

発着場

かつての発着場

脚注

注釈

  1. ^ 英語表記は“SEA BUS”(海上バス)ではなく“SEA BASS”(魚のスズキ)となっており、横浜駅東口の帷子川河口(淡水)と海水)を行き来できることを表現している[6]

出典

  1. ^ a b 株式会社ポートサービス 第76期決算公告
  2. ^ 船舶の乗組員や港湾工事関係者・港湾作業員を、本船・作業船・作業現場まで輸送するための船。
  3. ^ (藤木企業 1997, p. 59)
  4. ^ (藤木企業 1997, p. 94)
  5. ^ 【お知らせ】新会社設立に関するご案内』(プレスリリース)ポートサービス、2025年4月10日https://www.yokohama-cruising.jp/index.php?act=cruise&do=topic_news&id=1182025年4月13日閲覧 
  6. ^ “山下公園とベイクォーターを結ぶシーバス、その歴史は?”. はまれぽ.com. (2012年7月17日). https://hamarepo.com/story.php?story_id=1197 
  7. ^ a b c “港町ヨコハマに新たな海の駅がオープン! 「ハンマーヘッド 新港ふ頭さん橋」SEA BASS シーバス定期航路開始のお知らせ”. 新港ふ頭客船ターミナル株式会社 (PR TIMES). (2022年3月22日). https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000096669.html 
  8. ^ a b c “横浜の水上バス「シーバス」に新乗り場。ぷかり桟橋は終了”. Impress Watch. (2022年3月22日). https://www.watch.impress.co.jp/docs/news/1396948.html 
  9. ^ “山下公園乗船施設の全面改修に関するお知らせ”. 株式会社ポートサービス. (2022年1月31日). https://www.yokohama-cruising.jp/index.php?act=cruise&do=topic_news&id=80 
  10. ^ a b c 横浜のシーバス、山下公園乗り場が改装 8月から再開、周辺一望のテラスも”. 神奈川新聞. 2024年7月31日閲覧。
  11. ^ 『横浜博覧会・会場計画と建設の記録』 横浜博覧会協会、1990年3月、276ページ
  12. ^ 『横浜博覧会公式記録』 財団法人横浜博覧会協会、1990年3月、236ページ
  13. ^ 関東の旅客船を紹介します。”. 関東旅客船協会. 2018年12月8日閲覧。
  14. ^ 通船料” (PDF). ポートサービス、京浜フェリーボート (2014年4月1日). 2018年12月8日閲覧。
  15. ^ a b c 日本船舶明細書 1996 (日本海運集会所 1995)
  16. ^ a b c d 日本船舶明細書 1999Ⅱ (日本海運集会所 1998)
  17. ^ a b c d e f g h i j 『日本旅客船船名録』昭和39年版,日本旅客船協会,1964. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/2504820 (参照 2023-03-04)
  18. ^ a b 日本船舶明細書 1983 (日本海運集会所 1982)
  19. ^ 日本船舶明細書 1985 (日本海運集会所 1984)
  20. ^ “横浜港観光船「マリーンシャトル」、35年間の運航を終了”. ヨコハマ経済新聞. (2021年7月29日). https://www.hamakei.com/headline/11457/ 
  21. ^ https://twitter.com/SEABASS_EAST/status/1589115118520270848
  22. ^ https://www.keikyu.co.jp/company/news/2020/20210322HP_20169SO.html
  23. ^ https://www.kanaloco.jp/news/social/entry-198263.html
  24. ^ 山下公園のりば SEABASS CRUISE TERMINAL リニューアルオープン!”. ポートサービス. 2024年7月31日閲覧。

参考文献

  • 藤木企業株式会社『藤木企業株式会社創立50周年記念誌』1997年。 

関連項目

外部リンク


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