臨港パーク
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臨港パーク Rinko Park | |
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![]() 園内の様子(2009年9月25日撮影)
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分類 | 港湾環境整備施設(港湾緑地)[1] |
所在地 | |
座標 | 北緯35度27分39.7秒 東経139度38分14.6秒 / 北緯35.461028度 東経139.637389度座標: 北緯35度27分39.7秒 東経139度38分14.6秒 / 北緯35.461028度 東経139.637389度 |
面積 | 79,471m2[1] |
開園 | 1989年3月(一部完成・開園) |
運営者 | 横浜市(指定管理者:株式会社横浜国際平和会議場[2]) |
駐車場 | あり(有料) |
公式サイト | パシフィコ横浜サイト内の紹介ページ |
臨港パーク(りんこうパーク)は、神奈川県横浜市西区みなとみらい一丁目にある公園(港湾緑地)。みなとみらい地区で最大の面積を誇る公園である。
概要
みなとみらい地区(中央地区)の東端(19街区)に位置しており、文字通りに横浜港を臨む、パシフィコ横浜(展示場、当公園と歩行者デッキで接続)裏手の海岸線に広がっている。園内には潮入りの池や多くの樹木などが配されており、都会のオアシスともいえる。また、ドラマや映画の撮影地としても有名である(後節参照)。
2011年3月11日の東日本大震災(東北地方太平洋沖地震)の影響により被害を受けたため、同年4月27日まで閉鎖され翌28日から一部開放となった。なお、災害等の非常時における飲料水の確保を目的として、当の地下には容量約700トンの耐震型循環式地下貯水槽を設けている(みなとみらい地区全体では約4,500トンとなる)[3]。
同地区の重要な歩行者ネットワークを形成するペデストリアン軸の一つである「キング軸」は、新高島駅方面より園内の潮入りの池まで一直線に整備する計画となっている(詳細は「横浜みなとみらい21#ペデストリアン軸(歩行者動線)」を参照)。
- 敷地面積:78,967m2
- 入園料無料
- 24時間開放
主な施設
園内には以下の施設がある。
潮入りの池
潮入りの池は海水(潮)が流れ込み、干満による水位の変化が楽しめる池として整備され、前述の通り「キング軸」の終点にもあたる。横浜博覧会(1989年開催)の海のゲートの付属施設として整備されたもので、会期中には潮入りの池を挟むようにして沖に向かって2つの桟橋を設置し、遊覧船「あかいくつ号」・シーバス・マリーンルージュ・東京ブルーラインクルーズが発着していた[10][11]。
なお、2008年9月の整備点検時より現状の設備では危険という判断から、池内への立ち入りは禁止されていた[12]。また、池を囲んでいた立ち入り禁止を示すカラーコーンは見栄えが悪いことから[13]、2014年2月〜3月に安全柵設置工事が実施されている[14]。
水をくみ上げるポンプの故障以降、柵などにより池内の立ち入りが不可となっていたが、2020年には自然観察を行えるよう開放する方針で砂を埋めるなど再整備が行われた[15]。この時点では普段見られる池はなくなったが、満潮時などには海水が流れ込む構造となっていた。しかし、2022年には後節の当公園先端部の整備などと関連して、再び潮入りの池の整備(改修工事、砂浜築造工や池を完全に埋め立てた〈池埋戻工〉上で芝張工など含む)が行われ、これにより池のあった場所は芝生となったため満潮時などにも海水は流れ込まなくなり、池は完全に消滅した[16]。
- 2022年の再整備後の様子
- 2020年の再整備後の様子
- 2020年の再整備以前の様子
主なアート作品・モニュメント
- アート作品
- フルーツ・ツリー(作家:崔正化/2001年制作) - 「横浜トリエンナーレ2001」出品作品(閉幕後、当公園内に移設)[17]。
- 歴史と未来への讃歌―虹空間 '95(作家:豊田豊/1995年制作) - 日本ブラジル修好100年記念作品、サンパウロにも設置[18]。
- モニュメント
主なイベント
- 横浜開港祭(6月上旬、当公園がメイン会場〈花火あり〉)
- 神奈川新聞花火大会(8月、当公園前面海上で開催〈※2016年開催をもって休止〉)
- みなとみらいスマートフェスティバル(夏季、2018年より当公園および耐震バースで開催〈花火あり〉、神奈川新聞社を始め地元企業等による)
- みなとみらい大盆踊り(8月)
- レッドブル・クラッシュドアイス横浜(2018年12月7日・8日にアジア初開催として当公園内に氷のコースを造り開催、さらに2020年2月にも「レッドブル・アイスクロス横浜 2020」として開催)
主な撮影
アクセス
園内の整備事業
2012年度には公園北側入り口周辺の整備と潮入りの池から20街区方面に向かって階段を設けるなど園内のキング軸関連の整備が行われた[21]。その後、20街区には新展示場(MICE施設)の「パシフィコ横浜ノース」などが建設され、2020年4月に施設の開業およびキング軸の一部として当公園との接続デッキが開通している[22]。横浜市では同施設の開業を機に、当公園における様々な機能の整備(アフターコンベンションや被災時拠点として機能の充実、「公共空間活用提案モデル事業」としてカフェ・レクリエーション拠点の整備[4])も進めていく方針である[23]。
一方、2013年度には公園の北東端に位置する先端部未整備箇所(現状は仮設護岸で、埋立約0.5ha含む約1.3haが未竣工)で現在は立入禁止となっている区域(2-2-3工区)[3][24]の供用に向けて、この区域を囲む護岸の補修(強化)工事が行われる予定であった[25]が、延期となった模様で、代わりに潮入りの池より南側の護岸補修工事(護岸嵩上げ)および潮入りの池の安全柵設置工事が行われている[14]。その後、しばらく動きがなかったが、2021年度の市予算案では先端部未整備箇所(約1.3ha)[26]の整備を埋立事業会計[27]で実施することが記載されており[28]、さらに同年度の市港湾局予算概要では、当公園の拡張部となる緑地や親水護岸(沿岸の緩やかな曲線部)のほかに桟橋、人工海浜(藻場・浅場・岩場)、展望ゾーン(親水護岸の先端部)を整備する計画が示されている(同年度着手予定)[29]。また、同年7月には整備についての意見募集が行われ、その中で2023年度の供用開始を目指すことが記載されている[30][31]。同年9月に公表された意見募集の回答結果(回答数:2,240件)では、新たな観光スポットの形成について「砂浜」(人工海浜)が約6割、「ウッドデッキ」が約4割を占め、新たな交流やライフスタイルのための施設について「スケートボードパーク」が約6割を占めており[32][33]、この結果を踏まえて規模・配置など整備や管理運営方法について検討を進め整備計画を策定する方針であることから[32]、前述の予算概要で示された整備計画の内容にも影響を与える可能性がある。
このほか、同予算概要では当公園とパシフィコ横浜を接続する現状のデッキ(仮設構造)の代わりに、幅員を広くした本設デッキ(3橋[34])を整備することも記載されており(こちらも同年度着手予定)[29]、2-2-3工区の整備と同じく2023年度の供用開始を目指している[34]。なお、未整備区域は前述の「2-2-3工区」のほかにも、20街区手前のスペースより続きパシフィコ横浜の展示場デッキ部との一体利用を想定している「展示場隣接部」[3][24]が残されているが、本設デッキ整備との関連は不明である。
潮入りの池の整備も度々行われているが、詳細については「#潮入りの池」を参照のこと。
脚注
注釈
出典
- ^ a b 横浜市港湾施設条例第2条第2項の規定に基づく港湾施設の告示(平成31年(2019年)2月25日 告示第102号、令和2年(2020年)9月25日施行)
- ^ 指定管理者制度について(横浜市政策局)
- ^ a b c みなとみらい21中央地区 臨港パーク整備事業(横浜市港湾局)〈アーカイブ〉 (PDF) (平成18年度第2回横浜市公共事業評価審査委員会 平成18年(2006年)12月25日)
- ^ a b 臨港パーク内にカフェ・レクリエーション等の拠点を整備・運営していただける事業者を募集します(横浜市港湾局 令和元年(2019年)10月7日)
- ^ 横浜・臨港パークに飲食やジム 前橋市の建設会社など(日本経済新聞 2019年12月26日)
- ^ 横浜市港湾局 令和4年 (2022年) 度予算概要〈アーカイブ〉 (PDF) (資料内「IV 観光と賑わいの港」 p.17〈2 賑わいのある港:【コラム7】設置等許可を活用した賑わい創出の取組〉)
- ^ DRAFT 2021年12月期 通期決算説明資料 (PDF) , pp.9-10(株式会社ドラフト 2022年2月17日)
- ^ 山下泰樹建築デザイン研究所+DRAFTがデザインする、横浜・臨港パークプロジェクトが始動(株式会社ドラフト 2021年11月22日)
- ^ ⼭下泰樹建築デザイン研究所+DRAFT 横浜・臨港パークの複合施設をデザイン(AXIS 2021年11月26日)
- ^ 『横浜博覧会・会場計画と建設の記録』 横浜博覧会協会、1990年3月、276ページ
- ^ 『横浜博覧会公式記録』 財団法人横浜博覧会協会、1990年3月、236ページ
- ^ パシフィコ横浜:屋外エリアのご案内〈アーカイブ〉
- ^ 臨港パークの景観に配慮すべきです(横浜市市民局:「市民の声」の公表)
- ^ a b 臨港パーク補修工事のお知らせ〈アーカイブ〉 (PDF) (臨港パーク等関連施設指定管理者・株式会社横浜国際平和会議場 2014年1月)
- ^ 横浜みなとみらいに豊かな生態系再生 官民挙げ海辺づくり(神奈川新聞〈カナロコ〉 2019年12月3日)
- ^ 臨港パーク改修工事のお知らせ〈アーカイブ〉 (PDF) (横浜みなとみらい21公式ウェブサイト:お知らせ 2022年6月3日)
- ^ みなとみらいデータベース:フルーツ・ツリー(みなとみらいエリアマネジメント公式サイト内)
- ^ みなとみらいデータベース:歴史と未来への讃歌―虹空間´95 日本ブラジル修好100年記念(みなとみらいエリアマネジメント公式サイト内)
- ^ リマちゃんと握手(フォートラベル)
- ^ (説明)日本人ペルー移住100周年記念像「リマちゃん」(武蔵野・多摩MTB散歩)
- ^ みなとみらい21地区 基盤整備状況図(平成24〜25年度)〈アーカイブ〉 (PDF) (横浜市整備局)
- ^ みなとみらい21地区 パシフィコ横浜ノース周辺の歩行者用通路が新たに開通します!〈アーカイブ〉 (PDF) (横浜市都市整備局・港湾局 令和2年(2020年)3月27日)
- ^ 横浜市温暖化対策統括本部「みなとみらい2050プロジェクト」:みなとみらい2050プロジェクト アクションプラン〈アーカイブ〉 (PDF) (横浜市 平成27年(2015年)3月)
- ^ a b みなとみらい21中央地区 臨港パーク整備事業(横浜市港湾局)〈アーカイブ〉 (PDF) (平成23年度第3回横浜市公共事業評価審査委員会 平成23年(2011年)12月22日)
- ^ 横浜市 臨港パーク先端部護岸を補修〈アーカイブ〉(建通新聞電子版 2013年7月9日神奈川)
- ^ 横浜市 臨港パーク拡張へ検討開始〈アーカイブ〉(建通新聞電子版 2020年10月9日神奈川)
- ^ 横浜市港湾局の予算:中期経営計画 埋立事業会計
- ^ 令和3年度 横浜市予算案について:予算案に関する詳細資料〈アーカイブ〉 (PDF) , p.64(横浜市財政局 令和3年(2021年)1月)
- ^ a b 横浜市港湾局 令和3年 (2021年) 度予算概要〈アーカイブ〉 (PDF) (資料内「IV 観光と賑わいの港」 p.14〈2 賑わいのある港:② 臨港パーク先端部等の整備《埋立事業会計》〉)
- ^ 【記者発表】臨港パーク先端部等の整備に関する意見募集を行います/横浜市記者発表資料〈アーカイブ〉 (PDF) (横浜市港湾局 令和3年 (2021年) 7月8日)
- ^ 横浜市、臨港パーク先端部に人工海浜や展望スポット計画。整備着手に向け意見募集。2023年度供用開始目指す(トラベル Watch, 2021年7月9日)
- ^ a b 【記者発表】臨港パーク先端部等の整備計画に関する意見募集の結果がまとまりました/横浜市記者発表資料〈アーカイブ〉 (PDF) /添付ファイル:臨港パーク先端部等の整備計画に関する意見募集結果報告書〈アーカイブ〉 (PDF) (横浜市港湾局 令和3年 (2021年) 9月7日)
- ^ 臨港パーク先端整備 観光スポットに「砂浜」6割 市、意見募集の結果公表(タウンニュース中区・西区版 2021年9月30日号)
- ^ a b 横浜市 臨港パークに接続する3橋設計開始〈アーカイブ〉(建通新聞電子版 2021年7月29日神奈川)
関連項目
- 日本丸メモリアルパーク - みなとみらい地区で最初に整備された公園。
- グランモール公園 - 全長約700mの公園がグランモール軸を形成している。
- 高島中央公園 - キング軸の中間地点にあり、軸が園内を二分している。
- 高島水際線公園 - 帷子川沿岸に整備された公園。
- カップヌードルミュージアムパーク - 新港地区の海岸線に整備された公園。
外部リンク
- パシフィコ横浜:屋外エリア(臨港パーク・国際交流ゾーン・ぷかりさん橋)
- 臨港パーク(神奈川観光情報サイト「観光かながわNOW」)
- 臨港パーク(横浜みなとみらい21公式ウェブサイト)
固有名詞の分類
- 臨港パークのページへのリンク