悪の華
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/01/25 08:39 UTC 版)
悪の華 Les Fleurs du mal | |
---|---|
ボードレールによる書き込みがなされた1857年版『悪の華』扉。 | |
作者 | シャルル・ボードレール |
国 | フランス帝国 |
言語 | フランス語 |
ジャンル | 詩集、象徴主義 |
初出情報 | |
初出 | 18篇-『両世界評論』1855年 |
刊本情報 | |
刊行 |
初版:プーレ・マラシ社 1857年6月25日 第2版:1861年(定本) |
日本語訳 | |
訳者 | 馬場睦夫 |
ウィキポータル 文学 ポータル 書物 |
詩人の生誕から死までを退廃的、官能的に表現する。ボードレール唯一の韻文詩集。象徴主義詩の始まりとされ、各国の詩人たちに多大な影響を与えた。
概要
ほとんどの作品は1850年までに書かれた。初版は1857年に刊行。「憂鬱と理想」「悪の華」「反逆」「葡萄酒」「死」の5章に、序詩(読者へ)を含めた詩101篇を収録する。このうち6編が反道徳的であるとして、有罪・罰金処分を受け、該当詩の削除を命ぜられる。その6篇は『レスボス』、『地獄に落ちた女たち』『レーテー』『陽気すぎる娘へ』『宝石』『吸血鬼の変身』で、後に「禁断詩篇」と呼ばれた。
第2版は1861年に刊行。禁断詩篇6篇を削除し、32篇を追加。「パリ情景」を加えた6章構成として配列を変更し、全127篇を収録する。現在はこの第2版が定本となっている。
ボードレール死後の1868年に、友人たちが編集しゴーティエの序文論考[1] を加えた『悪の華』(ミシェル・レヴィ版全集第1巻)が刊行された。補遺詩集『漂着物』(1866年)の詩篇を含め152編を収録し、第3版と呼ばれる。ボードレール自身も第3版を構想していたが、全集は死後の刊行であり、必ずしもボードレール自身の意に沿ったものではないとされる。なお、禁断詩篇6篇は第3版にも収録されていない(1866年刊行の『漂着物』、1869年の『悪の華・補遺』に収録)。
日本語訳
- 『悪の花 註釈』全3巻(京都大学人文科学研究所・多田道太郎[2] 編、平凡社)
- 堀口大學訳『悪の華』(新潮文庫)、近年に改版
- 鈴木信太郎訳『悪の華』(岩波文庫)、近年に改版
- 安藤元雄訳『悪の華』[3](集英社、のち集英社文庫)
- 阿部良雄[4] 訳『悪の華 ボードレール全詩集1』(ちくま文庫)、元版は「全集1」筑摩書房
- 杉本秀太郎訳『悪の花』(彌生書房)
- 福永武彦訳『世界名詩集13 ボードレール 悪の華』(平凡社)、他に「全集1」人文書院
- 齋藤磯雄訳『悪の華』(三笠書房、東京創元社、のち創元選書)
- 金子光晴訳『悪の華』(宝文館、のち「全集 第14巻」中央公論社)
- 桜沢如一訳『NAYAMI NO HANA』- 以下は大正・昭和前期の刊行
- 佐藤朔訳『悪の華』(第一書房、齋藤書店、のち「ボードレール詩集」白凰社ほか)
- 村上菊一郎訳『悪の華』(版画荘、「全集1」旧河出書房、のち角川文庫)
- 馬場睦夫訳『悪の華』(洛陽堂)
- 矢野文夫訳『悪の華』(耕進社、のち白樺書房ほか、北上二郎名義で金園社)
「悪の華」による音楽作品
- ガブリエル・フォーレ:歌曲「賛歌」(Hymne)、「身代金」(La rançon)
- アンリ・デュパルク:歌曲「旅への誘い」(L'invitation au voyage)
- クロード・ドビュッシー:歌曲集「ボードレールの5つの詩」
- アルバン・ベルク:「抒情組曲」、演奏会用アリア「ぶどう酒」…共にシュテファン・ゲオルゲの訳による
- レオ・フェレ:シャンソン集「ボードレールによる12の歌」より「踊る蛇」(Le Serpent qui danse)
- アンリ・ソーゲ:歌曲「猫」(Le chat)
惡の華
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/17 08:28 UTC 版)
『惡の華』(あくのはな)は、押見修造による日本の漫画作品。『別冊少年マガジン』(講談社)2009年10月号(創刊号)から2014年6月号まで連載された。2013年にはテレビアニメも放送された。2019年9月には実写映画が公開[1]。
注釈
- ^ フルアニメーションではなく、秒間8コマを中心としたリミテッド・アニメーションとなっている。
- ^ 全スタッフのテロップが流れたため不明。
- ^ スカパー!(BS放送)、スカパー!プレミアムサービス、スカパー!プレミアムサービス光にて無料放送。
出典
- ^ 「惡の華」映画化、押見修造「井口昇監督に撮って頂くことは、長年の夢でした」2018年11月10日 閲覧。
- ^ 「押見修造×高本ヨネコ対談」『別冊少年マガジン』2011年3月号、講談社、2011年2月9日。
- ^ “マガメガ”. 講談社. 2011年9月22日閲覧。
- ^ “玉城ティナ、伊藤健太郎に“墨汁”をお見舞い『惡の華』夜の教室シーンの裏側”. CinemaCafe.net. (2019年10月2日) 2021年2月3日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y z 『オトナアニメ Vol.30』洋泉社、2013年7月15日発行、116頁、ISBN 978-4-8003-0175-8
- ^ a b c “舞台「惡の華」春日役は清水尚弥!ヒロイン2人は花奈澪と秋月成美”. コミックナタリー. (2016年3月23日) 2016年3月23日閲覧。
- ^ 惡の華Blu-ray・DVD版1巻の特典映像「メイキング惡の華 第一回」の「原作者から監督への要望」より。
- ^ 第4巻20話。
- ^ 第6巻32話。
- ^ “史上初・全編ロトスコープのテレビアニメ『惡の華』4月放送開始”. ORICON STYLE. オリコン (2013年3月29日). 2013年4月7日閲覧。
- ^ 井上潤哉. “[Power Push] アニメ「惡の華」原作者・押見修造と監督・長濱博史が対談 (1/3)”. コミックナタリー. ナターシャ. 2013年4月6日閲覧。
- ^ “「惡の華」上映会は大盛況、「あえてリミテッドアニメに」”. コミックナタリー. ナターシャ (2013年3月25日). 2013年4月25日閲覧。
- ^ 惡の華Blu-ray・DVD版5巻の特典映像「メイキング惡の華 第五回」の「役者の顔をそのままトレースする」より。
- ^ 惡の華Blu-ray・DVD版1巻の特典映像「メイキング惡の華 第一回」の「原作者から監督への要望」より。
- ^ “アニメ「惡の華」実写映像急きょ配信決定 ニコ生4話配信後に”. ねとらぼ (2013年4月30日). 2013年5月5日閲覧。
- ^ “「惡の華」の過去描いたドラマCD、仲村の罵声集も収録”. コミックナタリー (2013年5月1日). 2013年10月2日閲覧。
- ^ “劇団た組。が押見修造の人気マンガ「惡の華」を舞台化”. ステージナタリー (2016年3月9日). 2016年3月9日閲覧。
- ^ 『キネマ旬報』2020年3月下旬特別号 72頁
固有名詞の分類
- 悪の華のページへのリンク