列傳とは? わかりやすく解説

れつ‐でん【列伝】

読み方:れつでん

多く人々伝記書き並べたもの。「名将—」

紀伝体歴史で、著名な人臣伝記書き連ねたもの。→本紀


紀伝体

(列傳 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/06/24 06:23 UTC 版)

紀伝体(きでんたい)は、東アジア歴史書の書式の一つ。中国の正史(いわゆる二十四史)はすべて紀伝体である。


注釈

  1. ^ 後漢書の光武本紀に倭王への漢委奴国王印下賜が書かれているなどがその例である。
  2. ^ 『宋史』巻一、本紀第一、太祖一には先祖が微官で猛将だった祖父が出世したことを述べたあと、趙匡胤が生まれた時に「赤光繞室,異香經宿不散,體有金色,三日不變。」とある。
  3. ^ このため、『三国志』には魏の重臣として魏の歴史を書くのに欠かせない存在であるはずの司馬懿司馬昭などの伝は立てられていない(やがて書かれるはずの『晋書』の本紀に記載されるべき人物であるから。ただし、六朝時代の混乱ゆえに『晋書』の編纂は晋の滅亡の数百年後になった)。
  4. ^ 重複を避けるためもあって、一つの事柄を複数人の伝に書き分けたり不名誉な事柄を本人の伝に書かず他の箇所に書いたりする例があり、たとえば「三国志」では魏の曹仁が呉の朱桓に大敗したことは曹仁伝ではなく朱桓伝に記載されている[12]

出典

  1. ^ a b 武田泰淳『司馬遷 史記の世界』中公文庫
  2. ^ a b c 岡田『世界史の誕生』ちくま文庫、元版は1992、筑摩書房
  3. ^ a b 『史記』(集英社・世界文学大辞典)執筆・福島吉彦、集英社、1998年
  4. ^ 『三国志』蜀書先主伝
  5. ^ 『三国志』呉書第一孫破虜討逆伝
  6. ^ 『三国志』呉書呉主伝
  7. ^ 『晋書』列伝第一・后妃上伝・宣穆張皇后伝
  8. ^ 『元史』列伝第一・后妃伝一・太祖后孛児台(ボルテ)旭真(ウジン)伝。旭真(ウジン)は漢語「夫人」に由来するモンゴル語で貴人の妻の敬称。
  9. ^ 飯田忠彦『大日本野史』第275巻任侠列伝、曽呂利新左衛門伝・前田利太伝。飯田忠彦『野史 第5巻 3版』日本随筆大成刊行会、昭和4-5、国立国会図書館デジタルコレクションより
  10. ^ 『宋書』倭国伝
  11. ^ 『宋史』巻四百九十一、列伝第二百五十、外国七・日本伝
  12. ^ 坂口和澄「正史三國志群雄銘銘伝」光人社、2005年、P375
  13. ^ 倉西裕子「『日本式紀伝体』は存在した - 二本の史書を一対とする編纂記述様式」『記紀はいかにして成立したか - 天の史書と地の史書』講談社選書メチエ、講談社2004年、pp. 46-59。 ISBN 9784062583015


「紀伝体」の続きの解説一覧

列伝

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/18 09:21 UTC 版)

史記」の記事における「列伝」の解説

内容卷061 第01 伯夷列傳 伯夷列伝 伯夷・叔斉 卷062 第02 管晏列傳 管晏列伝 管夷吾晏嬰 卷063 第03 老子韓非列傳 老子韓非列伝 老子韓非 卷064 第04 司馬穰苴列傳 司馬穰苴列伝 司馬穰苴 卷065 第05 孫子吳起列傳 孫子呉起列伝 孫武孫臏呉起 卷066 第06 伍子胥列傳 伍子胥列伝 伍員 卷067 第07 仲尼弟子列傳 仲尼弟子列伝 孔門十哲77人 卷068 第08 商君列傳 商君列伝 商鞅 卷069 第09 蘇秦列傳 蘇秦列伝 蘇秦07010 張儀列傳 張儀列伝 張儀 卷071 第11 樗里子甘茂列傳 樗里子甘茂列伝 樗里疾甘茂 卷072 第12 穰侯列傳 穰侯列伝 魏冄 卷073 第13 白起王翦列傳 白起王翦列伝 白起王翦 卷074 第14 孟子荀卿列傳 孟子荀卿列伝 孟子荀子 卷075 第15 孟嘗君列傳 孟嘗君列伝 孟嘗君 卷076 第16 平原君虞卿列傳 平原君虞卿列伝 平原君虞卿 卷077 第17 魏公子列傳 魏公子列伝 信陵君 卷078 第18 春申君列傳 春申君列伝 春申君 卷079 第19 范雎蔡澤列傳 范雎蔡沢列伝 范雎蔡沢08020 樂毅列傳 楽毅列伝 楽毅 卷081 第21 廉頗藺相如列傳 廉頗藺相如列伝 廉頗藺相如趙奢李牧 卷082 第22 田單列傳 田単列伝 田単・王蠋 卷083 第23 魯仲連鄒陽列傳 魯仲連鄒陽列伝 魯仲連・鄒陽 卷084 第24 屈原賈生列傳 屈原賈生列伝 屈平・賈誼 卷085 第25 呂不韋列傳 呂不韋列伝 呂不韋 卷086 第26 刺客列傳 刺客列伝 曹沬専諸豫譲聶政荊軻 卷087 第27 李斯列傳 李斯列伝 李斯 卷088 第28 蒙恬列傳 蒙恬列伝 蒙恬 卷089 第29 張耳陳餘列傳 張耳陳余列伝 張耳陳余09030 魏豹彭越列傳 魏豹彭越列伝 魏豹彭越 卷091 第31 黥布列傳 黥布列伝 英布09232 淮陰侯列傳 淮陰侯列伝 韓信 卷093 第33 韓信盧綰列傳 韓信盧綰列伝 韓王信盧綰 卷094 第34 田儋列傳 田儋列伝 田儋 卷095 第35 樊酈滕灌列傳 樊酈滕灌列伝 樊噲酈商夏侯嬰灌嬰 卷096 第36丞相列傳 張丞相列伝 張蒼 卷097 第37 酈生陸賈列傳 酈生陸賈列伝 酈食其陸賈 卷098 第38 傅靳蒯成列傳 傅靳蒯成列伝 傅寛靳歙・周緤 卷099 第39 劉敬叔孫通列傳 劉敬叔孫通列伝 劉敬叔孫通10040 季布欒布列傳 季布欒布列伝 季布欒布10141 袁盎鼂錯列傳 袁盎鼂錯列伝 袁盎鼂錯10242 張釋之馮唐列傳 張釈之馮唐列伝 張釈之馮唐10343 萬石張叔列傳 萬石張叔列伝 石奮・張欧 卷10444 田叔列傳 田叔列伝 田叔10545 扁鵲倉公列傳 扁鵲倉公列伝 扁鵲太倉公10646 吳王濞列傳 呉王濞列伝 劉濞10747 魏其田蚡列傳 魏其武安侯列伝 竇嬰田蚡10848 韓長孺列傳 韓長孺列伝 韓安国10949 李將軍列傳 李将軍列伝 李広 卷110 第50 匈奴列傳 匈奴列伝 匈奴中行説11151 衛將軍驃騎列傳 衛将軍驃騎列伝 衛青霍去病11252 平津侯主父列傳 平津侯主父列伝 公孫弘主父偃11353 南越列傳 南越列伝 南越11454 東越列傳 東越列伝 東越(閩越東甌) 卷11555 朝鮮列傳 朝鮮列伝 衛氏朝鮮11656 西南夷列西南夷列夜郎など 卷11757 司馬相如列傳 司馬相如列伝 司馬相如11858 淮南衡山列傳 淮南衡山列伝 淮南王劉安11959 循吏列傳 循吏列伝 孫叔敖子産公儀休・石奢・李離12060 汲鄭列傳 汲鄭列伝 汲黯鄭当時12161 儒林列傳 儒林列伝 申公轅固生・韓生・伏生董仲舒・胡毋生 卷12262 酷吏列傳 酷吏列伝 当時厳しく法を適用して民を治めた人々酷吏)。侯封・郅都寧成周陽由・趙禹・張湯義縦王温舒・尹斉・楊僕・減宣・杜周12363 大宛列傳 大宛列伝 大宛フェルガナ) 卷12464 游俠列傳 游侠列伝 朱家・田仲・王公劇孟郭解12565 佞幸列傳 佞幸列伝 鄧通韓嫣李延年12666 滑稽列傳 滑稽列伝 淳于髠・優孟・優旃・西門豹12767 日者列傳 日者列伝 卜者司馬季主 卷12868 龜策列傳 亀策列伝 占卜方法について 卷12969 貨殖列傳 貨殖列伝 商人について 范蠡子貢商人として成功した逸話記述。 卷13070 太史公自序 太史公自序 司馬遷自伝

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列伝(れつでん)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/28 04:02 UTC 版)

紀伝体」の記事における「列伝(れつでん)」の解説

個々人物、特に国に仕えた官僚一生記したもの。また周辺異民族風習などを書き並べたものもこう呼んだ。本来は「列侯爵位持った家臣)の伝」という意味でこの名称となったではないか考えられている(『史記』の「淮陰侯列伝」や「呂不韋列伝」など)。列侯初め徹侯と言っていたが、漢の武帝のときにその諱(劉徹)を忌避して通侯と改められその後さらに列侯改められた。ちょうど司馬遷が『史記』を書いた時代武帝の時代で、列侯呼ばれはじめていた時期一致するからである。しかし『史記』の中ですでにその原則崩れており、「匈奴列伝」や「朝鮮列伝」、さらには酷吏列伝」「游侠列伝」など、家臣でも人物でも列侯でもない記事内容をもつ列伝がいくつも立てられており、その詳細判然としないまた、『三国志』では、正統皇帝認められなかった劉備孫権は伝(列伝)として書かれている

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列伝

出典:『Wiktionary』 (2021/08/21 00:54 UTC 版)

名詞

れつでん

  1. 多くの人の伝記簡潔書き並べたもの。
  2. 紀伝体項目で、人臣伝記書き並べたもの。

発音(?)

れ↗つでん

「 列伝」の例文・使い方・用例・文例

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