にしインド‐しょとう〔‐シヨタウ〕【西インド諸島】
西インド諸島
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西インド諸島(にしインドしょとう、せいインドしょとう[1][2]、英語: West Indies、スペイン語: Indias Occidentales、フランス語: Antilles (Indes occidentales)、オランダ語: West-Indië)は、南北アメリカ大陸に挟まれたカリブ海域にある群島である。アメリカ合衆国のフロリダ半島南端、および、メキシコのユカタン半島東端から、ベネズエラの北西部沿岸にかけて、少なくとも7000の島、小島、岩礁、珊瑚礁がカーブを描くようにして連なる。これらの島々が、大西洋と、メキシコ湾、カリブ海の境界線を形成している。
名称と範囲
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西インド諸島周辺の地形図 |
西インド諸島の名は、1492年10月12日にクリストファー・コロンブスが上陸したバハマ諸島グァナハニ島の住民アラワク人の肌の色を見て、インドに到達したと誤解したことに由来する。なお、ここで言う「インド」とはインダス川以東のアジアを指す。この上陸のときコロンブスは、偉業達成を神に感謝して、この島をSan Salvador(スペイン語で「聖なる救世主」の意味)と名づけた。この島は現在のサン・サルバドル島(1926年にワットリングス島から改称)とする説が有力だが、他に約100km南のサマナ島説もある。
カリブ諸島(カリブしょとう)、カリブ海諸島(カリブかいしょとう)(英語 Caribbean Islands、スペイン語 islas Caribes、フランス語 Espace Caraïbe、オランダ語 Caribische eilanden)とも言うが、西洋ではカリブ海やその沿岸を含めカリブ(英語 Caribbean、スペイン語 Caribes、フランス語 Caraïbe、オランダ語 Caraïben)と言うことが多い。フランスやオランダでは、やや範囲が狭い「アンティル諸島」を使うことが多い。
歴史
大航海時代以降、すべての島がイギリス・フランス・スペイン・オランダなどヨーロッパ諸国の植民地となった。
20世紀以降、多くの植民地が独立した。島ごとに異なる状況などから統合は難しく(西インド連邦など)、小さな独立国が多数ある地域となっている。独立した主権国家とはならず、現在も自治領や海外県などの地位にある島もある。
なお、西インド諸島に対する東インド諸島とは、東南アジアの島々(インドネシア、フィリピンなど)を指す。また、単なるインド諸島は、歴史的にはこのどちらか(本来は東インド諸島)のことだが、現在インド領となっているアンダマン・ニコバル諸島を指すこともある。これらは、地球上で西インド諸島とは全くかけ離れた位置にある。
西インド諸島を構成する島と国・地域

西インド諸島の主要部分は、右図の通り大きく次の3つの区域に分けられる。
「西インド諸島」はカリブ海と大西洋の間に存在するこれらの島々のほかに、カリブ海対岸の中米大陸沿岸の島々[要検証 ]や、大西洋上のやや離れた場所にある島々を含むこともある。
バハマ諸島
バハマという名は、遠浅の海に平坦な島々が散在する風景から、この地へ行ったスペイン人たちがスペイン語でバハ・マル(Baja mar、「水位の下がった海」「干潮」の意)と呼んだことに由来するというのが、最も有力な説である。
バハマ諸島は17世紀後半にイギリスの植民地となった。大部分は1973年にバハマとして独立した。この地域にある独立国と主な地域は以下のとおり。
大アンティル諸島
アンティル諸島は、キューバから南米大陸まで連なる島々である。北西部の比較的大きな島の連なりを「大アンティル諸島」、南東部の比較的小さな島の連なりを「小アンティル諸島」と呼ぶ。
この地域にある独立国と主な地域は以下のとおり。(首都の位置を基準に西から東への順)
キューバ
ケイマン諸島(イギリス領)
ジャマイカ
- ナヴァッサ島 - 合衆国領有小離島(アメリカ合衆国領)(ハイチが島の領有を主張している)
ハイチ
ドミニカ共和国
プエルトリコ(アメリカ合衆国自治連邦区)
小アンティル諸島
ヨーロッパ人は、屈回しながら連なる小アンティル諸島を2つに分け、東から吹く貿易風の「風上」(東)と「風下」(西)によって名を与えた。英語ではドミニカ島付近を基準として「リーワード諸島」(Leeward, 風下)と「ウィンドワード諸島」(Windward, 風上)としている。英語以外の言語(フランス語・オランダ語など)では指し示す範囲が異なっている(リーワード諸島およびウィンドワード諸島参照)。
リーワード諸島
大アンティル諸島の東側、ウィンドワード諸島の北側に位置する。この地域は2つの独立国と6つの海外領に分かれている。
この地域にある国と地域は以下のとおり。大アンティル諸島に近い位置から時計回りの順。
イギリス領ヴァージン諸島
アメリカ領ヴァージン諸島
アンギラ(イギリス領)
フランス領アンティル (
サン・マルタン)
シント・マールテン(オランダの自治領)
オランダの特別自治体
オランダの特別自治体
モントセラト(イギリス領)
プエルトリコの東にあるヴァージン諸島は、西側半分をアメリカ領のアメリカ領ヴァージン諸島、東側半分をイギリス領のイギリス領ヴァージン諸島とで2分されている。ヴァージン諸島の名は、コロンブスが発見した際に、人間によって汚されていない自然なままの姿を、聖ウルスラと1100人の乙女の殉教伝説と結びつけて命名したもの。
南に隣接するグアドループ島やドミニカ島をリーワード諸島に含む場合もある。
ウィンドワード諸島
小アンティル諸島を二分した「ウィンドワード(風上)諸島」の東部にあたるが、西部を「リーワード・アンティル諸島」とし、東部のみを「ウィンドワード諸島」と呼ぶ場合もある。フランス語などで「風上の島」と呼ばれる諸島の南部にあたる。
イギリスとフランスが植民地とした。この地域に6つある独立国はいずれもイギリスの植民地から独立したもので、英連邦の加盟国である。
フランス領アンティル (
グアドループ)
- マルティニーク島
南端のトリニダード島・トバゴ島をリーワード・アンティル諸島に含む場合もある。
リーワード・アンティル諸島
オランダ語などで「風下の島々」と呼ばれる島々。英語名称「ウィンドワード諸島」の西部とみなす場合もある。ベネズエラ本土の近海を東西に走っている。
- ラスアベス諸島、ロス・ロケス諸島、オルチラ島、ブランキージャ島、トツトゥガ島、アベス島 など
ベネズエラのヌエバ・エスパルタ州
- マルガリータ島、コチェ島、クバグア島
オランダの特別自治体
キュラソー(オランダの自治領)
- キュラソー島
アルバ(オランダの自治領)
- アルバ島
その他の島々
一般的には西インド諸島に含まない。
中央アメリカ沿岸の島々

イスラス・デ・ラ・バイア県 - (ホンジュラス領)
- ベイ諸島
- ロアタン島(Roatán)
- グアナハ島(Guanaja)
- ウティラ島(Útila)
- カヨス・コチーノス諸島(Cayos Cochinos)
- スワン諸島(1972年まではアメリカ合衆国領だった)

南アトランティコ自治地域 - (ニカラグア領)
- コーン諸島(コーン諸島はかつてアメリカの戦略的な軍事基地があり、1971年までは租借地としてのアメリカ合衆国領だった)
サン・アンドレス・イ・プロビデンシア県 - (コロンビア領)
- サンアンドレス島、プロビデンシア島、ロンカドル・バンク、セラナ・バンク、セラニャ・バンク、キトスエニョ、バホヌエボ
- サンアンドレス島、プロビデンシア島、バホヌエボ島、以外の小礁群の島々は、かつてアメリカの戦略的な軍事基地があり、アメリカの占領下だった。
- セラニャ・バンク、バホヌエボ - 合衆国領有小離島として一部を領有(国際的に認められていない領土)
大西洋上の島
バミューダ諸島(イギリス領)
出典
関連項目
西インド諸島
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「デヴィッド・ファラガット」の記事における「西インド諸島」の解説
1822年、ファラガットは海軍大尉に昇進した。西インド諸島の海賊に対する作戦を実行中だった。カリブ海で海賊と戦うために艤装された艦船の「モスキート艦隊」で任務に就いた。昔の艦長であるポーター准将が艦隊指揮を執ることを知ると、ポーターの弟であるジョン・ポーターが指揮する小艦の1つグレイハウンド乗艦を求め、認められた。1823年2月14日、艦隊は西インド諸島に向けて出帆し、その後の6か月で、海賊をカリブ海から追い出し、様々な島の隠れ家から駆逐した。この作戦ではエクスペリメントの副艦長になった。1824年、USSフェレットの指揮を任され、初めて指揮する艦となった。
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「西インド諸島」の例文・使い方・用例・文例
- 仏領西インド諸島から始まった社交ダンス
- 米国熱帯性地域および西インド諸島産の黒い斑点の列を持つ銀色カダヤシ
- 熱帯アメリカと西インド諸島にすむ非常に大型のボア
- 中央アメリカ、南アメリカと西インド諸島のすばしっこく長い足のある兎の大きさの齧歯動物
- ノヴァスコシアから西インド諸島とメキシコ湾まで
- 西大西洋・西インド諸島の海にすむ色鮮やかな肉食魚で、キントキダイ科の魚の一種
- 西インド諸島に見られる
- 西インド諸島の透き通った海を除く、ニューイングランドからブラジルまでの沿岸海域で見つかる
- 西インド諸島とフロリダ州沖で見られる
- 西インド諸島からブラジルまでで見られる金または黒のチョウウオ
- バミューダ・フロリダ州・西インド諸島産の青と黄色のスズメダイ
- 西インド諸島と地中海の圧縮された鋭利な上部にいるいくつかの小さなベラのいずれか
- 西インド諸島産のニザダイ
- 西インド諸島のヒスパニオラ島の、または、西インド諸島のヒスパニオラ島に関する
- アフリカに起源を持ち、西インド諸島で実践されている一種の呪術信仰
- 西インド諸島が起源のポピュラーミュージック
- フロリダと西インド諸島産の卵形で黄橙色の粉をふいた甘い果物
- 西インド諸島のオールスパイスの木の挽いて粉末にした乾燥ブドウに似た実
- 西インド諸島の英国領
- バハマ、セントルシア、アンティグア、グレナダ、ジャマイカ、バルバドス、トリニダードを含む英国の支配下であったであった旧西インド諸島
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