磁束
磁束
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/01/27 04:43 UTC 版)
磁束 magnetic flux |
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量記号 | Φ |
次元 | M L 2 T −2 I −1 |
種類 | スカラー |
SI単位 | ウェーバ(Wb) |
CGS単位 | マクスウェル(Mx) |
磁束(じそく、英語:magnetic flux、磁気誘導束とも言う)とは、ある面についてそれを通過する磁気の総量である。磁場の強さの捉え方/表し方のひとつである。電荷に対する電束と同様に、磁荷との対応が明確であり、1(Wb)の磁荷からは同じく1(Wb)の磁束が周囲へ常に伸びている。
磁場は、電流のもたらす磁場と電流に作用する磁場とを区別する必要があるが、磁束は、もっぱら「電流に作用する」磁場を指し、もう一方の「電流のもたらす磁場」を単に「磁場」ないしは「磁界」と呼んで区別する。
定義
磁束は空間内の任意の曲面を通り抜ける磁場の流束である。なお、流線に相当するものは磁束線である。定義上は磁束は磁束線の本数と同一とされる(ただしこれは実際に絵に書くという意味ではない[要確認])。概念定義のうえは、閉じた面についての磁束はその面に囲まれた内部の磁荷の総量と等しいとされる。ただし、現実の物理においては、磁束の起点や終点となりうる磁気単極子は今日まで見つかっていないため磁束に起点や終点はなく、磁束線は常に閉曲線であり、1個の閉局面における磁束は常にゼロである。
磁束密度との関係
磁束はもっぱら磁束密度で扱われる。向き付けられた任意の曲面 S を考える。 この曲面を通り抜ける磁束 Φ は次の式で表される[1]。
磁束
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/09 23:22 UTC 版)
適用した起磁力は系の磁性部品を通して磁束を「駆動」する。磁性部品を通る磁束は、その部品の断面積を通過する磁力線の数に比例する。これは「正味の」数、つまり、1方向に通過する方向からもう1つの方向に通過する数を引いたものである。磁場ベクトル B の方向は定義より磁石の内側のS極からN極への方向であり、磁力線の外側はNからSへ延びている。 磁場の方向に垂直な面積の要素を通る流速は、磁場と面積要素の積で与えられる。もっと一般的には、磁束Φは磁場と面積要素ベクトルのスカラー積により定義される。定量的には、表面Sを通る磁束は表面の面積にわたる磁場の積分として定義される。 Φ m = ∫ ∫ S B ⋅ d S {\displaystyle \Phi _{m}=\int \!\!\!\!\int _{S}\mathbf {B} \cdot \operatorname {d} \mathbf {S} } 磁性部品の場合、磁束Φの計算に使われる面積Sは通常、部品の断面積になるように選択される。 SIの磁束単位はウェーバ(組立単位:ボルト秒)であり、磁場の単位はウェーバー毎平方メートルもしくはテスラである。
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磁束
「磁束」の例文・使い方・用例・文例
- 磁束を変化させることで作られる磁場の方法によって連続する電子ビームを高速へ加速させる
- コイルの中で磁束が生じさせる電流により磁束を測定する
- 磁気流れの方向に対して垂直な単位面積の磁束量
- (電気抵抗に類似した)磁束に対する抵抗
- 磁束を発生させる力
- 磁束のCGS単位系の単位で、1ガウスの磁場内で面積1平方センチメートルに垂直な磁束と同じ
- 磁束の単位で100,000,000マクスウェルと同じ
- 磁束密度の単位で1ガウスの百万分の1と同じ
- 1平方センチメートルあたり1マクスウェルと等しい磁束密度の単位
- 磁束密度の単位で1平方当たりの1ウェーバーと同じ
- ウェーバーという,磁束の単位
- 磁場の強さを表す磁束密度のメートル法単位の一つで,10万分の1ガウス
- 磁束密度を表す線
- マグネットの磁束のもれを防ぐ構造のスピーカー
- テスラという磁束密度の単位
- 磁束計という,磁束を計るための道具
- 磁気回路における磁束に対する抵抗
- 探りコイルという,磁束密度を測定するコイル
- 閉路をなす一群の磁束
- ウエーバーという,磁束および磁極の強さの単位
磁束と同じ種類の言葉
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