21世紀の大改修
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/15 02:59 UTC 版)
基本構想の発表 2005年11月7日に基本構想として正式発表された。改修に関する主な構想は下記の通り(詳細は外部リンクを参照)。2007年10月着工、2010年3月竣工。シーズンオフを中心に3期にわけて工事を行い、プロ野球・高校野球はともに開催予定とする。 天然芝と黒土、オープンエアー(グラウンドに屋根をかけない)の形態維持。 甲子園球場のシンボルとされている蔦を改修工事前に一旦伐採(2006年度と2007年度のシーズンオフ2年間に分けて行う)し、工事終了後に再植栽。 バリアフリー対策により、収容人員を4万7,000人に縮小。 工事時期は以下の通り。2007年シーズンオフは内野スタンド内部の改装と銀傘の撤去(そのため2008年シーズンは銀傘なし)を実施。 2008年シーズンオフはアルプス・外野スタンドの内部及び観客席の改装と新銀傘の設置を実施。 2009年シーズンオフは内野スタンドの観客席更新と外周整備を実施。 ドーム化見送りに関しては高校野球界から「青空の下でプレーできなくなり、高校野球に相応しくない」との反対論が続出していた。また収容人数を減らすことにより今以上に阪神戦のチケットの競争率が高くなり、球場へ見に行けなくなるファンが今よりも増えてしまう可能性があるため、改修するのなら増席をするべきだという意見もあった。 なお、この改修により2007年 - 2009年のシーズンは阪神がホームとなるポストシーズン(クライマックスシリーズと日本シリーズ)のゲームを甲子園球場で行わないことが2005年11月の実行委員会で了承された。なお2008年まで阪神の監督を務めた岡田彰布はこの球団の対応に対し苦言を呈している。実際の代替開催先は以下の通り。2007年は阪神がホームとなるポストシーズンゲームは開催されず。 2008年は工事開始日までに開催できなかったレギュラーシーズン1試合をスカイマークスタジアムで、クライマックスシリーズ第1ステージを京セラドーム大阪で開催。 2009年は後述の工期短縮により10月にレギュラーシーズン2試合を行った。 試合ではないが、毎年オフシーズンに行っていたイベントも場所を変えて開催された。阪神の「ファン感謝デー」は「ファン感謝の集い」として2007年はインテックス大阪で、2008年はワールド記念ホールで開催。 甲子園ボウルは長居陸上競技場で代替開催(2007年、2008年)。 工期短縮公表 2006年7月に上記基本構想の工期を短縮することが発表された。変更後の工事予定は以下の通り。2007年シーズンオフは内野スタンドの内部及び観客席の改装を実施(旧銀傘を維持)。 2008年シーズンオフはアルプス・外野スタンドの内部及び観客席の改装と銀傘の撤去・付け替えを実施。 2009年シーズンオフは外周整備を実施。 これにより、2008年シーズンも旧銀傘が維持され、球場本体は2009年3月までに完成することになった。 また改修に先立つ形で、2007年2月に球場西隣のテニスコート(旧甲子園水上競技場跡)があった場所にクラブハウスを建築し、球場内にあったロッカーやトレーニングルームなどの選手関連施設や球団事務所を移している。また外壁の工事はシーズン中も行われた。 第1期改修 2007年オフから予定通り工事を開始し、2008年3月11日に大林組より引渡しを受け工事完了となった。内野スタンド部の構造は改修前とは大幅に変わり(外見上は)新築同様となった。工事以前の構造を確認できるのは主だった柱ぐらいである。これまで観客用の回廊だった1階が関係者専用エリアとされ、2階の回廊と3階の回廊が観客エリアとなった。また分煙化も図られ、喫煙室も新設された。 詩完了。アルプススタンドには2回回廊、外野スタンドには1回回廊が追加され、観客用施設面積が増やされた後に無観客で行われた練習試合において、グラウンドとダグアウトとの段差が90cmもあることや、後列のベンチに座ると天井が低すぎるなどの危険性を選手側から指摘されたため、ベンチを前にずらすなど手直しを行った。これ以外では特に問題はなく、3月22日に第80回選抜高等学校野球大会で内野エリアのリニューアルオープンを迎えた。 第2期改修 2008年5月には第2期改修の変更概要が発表され、同年10月より工事が開始、翌年3月12日に大林組より引渡詩完了。アルプススタンドには2回回廊、外野スタンドには1回回廊が追加され、観客用施設面積が増やされた。アルプススタンドには2階回廊、外野スタンドには1階回廊が追加され、観客用施設面積が増やされたほか、銀傘とサブスコアボード、照明が取り替えられた。また外野の観客動線の変更により、スコアボード下にあった外野中央門が廃止された。銀傘の下には法人会員制の「ロイヤルスイート」と、「甲子園ライナービジョン」が設置された。この改修で野球開催に関する球場本体の改修は全て終了した。また乳幼児を伴う観客への利便性向上のため、託児所(有料)、授乳室が新設された。 第3期改修 2009年10月から翌年3月まで行われた第3期の改修では、銀傘上部の太陽電池パネルの設置、グッズや軽食を販売する売店基地棟の設置、広場など各種イベント開催スペースの拡充、球場外周の床面への煉瓦ブロック敷設など、試合開催には支障をきたさない工事が行われた。 この工事に付随し「甲子園歴史館」が外野席下にオープン。また、外周道路の煉瓦ブロックは「KOSHIEN NAMING BRICK MEMBERS」としてファンなどから購入者を募り、ブロック1個ごとに購入者の名前や短文を刻印して敷設された。
※この「21世紀の大改修」の解説は、「阪神甲子園球場」の解説の一部です。
「21世紀の大改修」を含む「阪神甲子園球場」の記事については、「阪神甲子園球場」の概要を参照ください。
- 21世紀の大改修のページへのリンク