1976年著作権法における内容と判断とは? わかりやすく解説

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1976年著作権法における内容と判断

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/05 21:13 UTC 版)

フェアユース」の記事における「1976年著作権法における内容と判断」の解説

1976年制定著作権改正法 (1978年1月1日より施行) では「批評解説ニュース報道教授教室での利用のための複数コピー作成行為を含む)、研究調査等を目的とする」場合フェアユース認めているが、著作物利用フェアユースになるか否かについては少なくとも以下のような4要素判断指針とする。なお、下で示された4要素はあくまで例示過ぎず5つ以降要素検討することも認められている。 利用目的と性格利用営利性を有するか、非営利教育目的かという点も含む)利用営利性を有する認められたならば、フェアユース成立否定的に非営利であれば肯定的に見積もり、他の要素判断を行う。非営利認定されれば原告が、営利認定されれば被告それぞれ著作物潜在的利用又は価値対す利用の及ぼす影響」を立証する必要があるまた、トランスフォーマティブ利用transformative use、「変形利用」などと訳され、元の著作物市場との衝突少なく、元の著作物には存在しない付加価値をつけた利用をさす。パロディー代表例として挙げられる。)については商業的であっても非営利である場合同じく原告が「著作物潜在的利用又は価値対す利用の及ぼす影響」を立証する必要がある。 なお、全ての会員アクティベーション解除アップロードなど、いずれか作業分担することで、著作権存続しているソフトウェア共有する会員制ウェブサイト運営していた被告が「大学教授が、利用者から対価受け取らず大学構内サーバー設置して運営していたため、教育目的非営利だ」と主張した裁判において、分担しなくてはいけないいずれか作業」を実行する労力の提供を「営利」と認めフェアユース成立否定した判例存在するまた、正規著作物複製入手する費用節約するための私的な複製も「営利」と認められている。 ただし、単に営利的非営利的というのみで決定されるものではない。名誉毀損目的とする広告対抗するべく、支持者から寄付募るために同広告100万部に渡り複写し送付した事例では、利用目的資金集めるという営利的なものではあったが、それ以上に「広告への対抗」である点を重視しフェアユース認めた著作権のある著作物性質著作物内容事実伝えたり(例えば、書式限られる学術論文)、単にある機能果すだけの著作物例えば、地図であれば、その著作物使用フェアユース認められる公算高くなる反対に著作物内容芸術性多分に帯びたもの(例えば、小説であればフェアユース成立蓋然性低くなる利用極めて困難な絶版などの理由があれば、それもフェアユース成立有利に働く。公表権侵害した場合フェアユース成立悪影響を及ぼすが、決定的な要因たりえず、この事実のみでもってフェアユース成立否定されることはない(#1992年の改正参照)。 著作物全体との関係における利用され部分の量及び重要性一般に著作物使用量が少なくまた、使用箇所著作物核心部分触れてない場合フェアユース認められやすくなる。ただし、単に量のみが斟酌されるのみならず、目的達成必要な量を超えて使用したかが焦点となるため、状況によっては完全な複製であってもフェアユース認められることはある。使用箇所著作物核心部分触れると量によらずフェアユース適用に対して負に働きうる。 著作物潜在的利用又は価値対す利用の及ぼす影響複製物使用市場潜在的な市場を含む)に悪影響与え場合フェアユース成立不利にする。 1976年著作権改正法著作物無断利用フェアユースとされる場合要件大まかに規定しており、判断指針として条文化されているに過ぎない(これに対し、§108以下の規定に基づく著作権の制限準則として示されている)。このためフェアユースになるか否か個々ケースについて裁判所判断する。またこれらの判断要素についてはある要素が他の要素より重きを置くことを要求されておらず、フェアユースになるか否かはこれらの要素総合的に判断することによって決めることになる。ただし、実際上は4番目の「市場への影響」が最も重視されることを多く裁判所その事実を認めている。 このようにフェアユース法理抽象的な判断指針として示されているに過ぎず非常に曖昧な点があるため、個々ケースについて著作物無断利用著作権侵害になるのか否かに関して訴訟深刻な争い起きやすい。例え日本の著作権法には私的使用のための著作物複製に関する規定存在するが(著作権法30条)、米国著作権法には同旨規定存在しない。そのため、テレビ放送私的使用のための家庭内録画著作権侵害になるか否かにつき深刻に争われことがあるSony Corp. of America v. Universal City Studios Inc., 464 U.S. 417いわゆるベータマックス事件)。 なお、文学的及び美術的著作物の保護に関するベルヌ条約批准しているアメリカ合衆国は同条約第九条第二項で示されスリー・ステップ・テスト英語版)に合致した条件著作権制限規定盛り込み施行せねばならず、「特別の場合について」というベルヌ条約定め遵守しているのかという疑問が、学者から提起されることがあるが、加盟国からフェアユースについて異議提出されことはない。また、学説通説も「米国法フェアユーススリー・ステップ・テスト反しない」とする解釈大多数占めている。

※この「1976年著作権法における内容と判断」の解説は、「フェアユース」の解説の一部です。
「1976年著作権法における内容と判断」を含む「フェアユース」の記事については、「フェアユース」の概要を参照ください。

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