韓スタイル
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2007年2月15日、大韓民国文化観光部は韓国伝統食を含む韓国文化を世界に通用するブランドに育成するという「韓スタイル(한스타일、HAN-Style)育成総合計画2007-2011」を発表、ハングル、韓食、韓服、韓紙および韓国音楽の6分野を選び、韓国固有文化を世界に向けて紹介し各分野のブランド化を促進するとともに、「韓スタイル」を日常的に大事にし、自分達の文化を再発見し、関心と愛情を体系的に育成することを目的に掲げた。 この中で韓食に関する文化観光部の計画は、外国人が好みそうなものを10品目選びんで韓国商品と結びつけ、理解しにくい調理法を西洋式計量法で表記した簡素化した調理法の開発、地域別特性と気候にあわた現地化・標準化・簡便化し世界化アイテムを開発、郷土料理、宮廷料理、薬膳料理、精進料理および家庭料理などの伝統料理コンテンツの開発などの推進を提唱、国家別に海外韓国食堂情報を載せた広報雑誌を作成し普及すると同時に「優秀韓国食堂国家認証制」の導入、教育課程の整備と料理専門家養成のための多様な総合的プログラムの改善、韓食調理師の育成及び海外進出事業の支援、フランスのような代表的料理教育機関(韓国版「ル・コルドン・ブルー」)の設置、海外調理師の教育プログラム拡大、試食会やイベントなどを通じた伝統文化の商品化が検討された。 一方、農林部は「韓国食世界化推進計画」を立案、2008-2011年に世界化基盤構築のため海外韓国レストラン経済力再考など5分野に年195億ウォン、4年で780億ウォンを投資、世界化のため10大代表品目の選定、国家別現地化、調理法の標準化および商品化、食材開発、宮廷料理など伝統食文化コンテンツ開発などの推進、海外韓国レストランの競争力強化のためのインテリア・食材・コンサルティング支援・経営主及び調理師教育訓練、外国の韓食店のオン・オフネットワークの構築、海外主要都市での拠点韓国レストラン設置、優秀な店舗への国家認証制導入などを方針として掲げた。 これらを受け、2006年に開催された韓国最初の伝統文化統合産業博覧会「2006 韓ブランド博覧会」(한브랜드 박람회)を引き継ぐ形で、2008年7月「2008 韓スタイル博覧会」(한스타일 박람회、Hanstyle Expo 2008)がソウルで開催され、韓国伝統酒を使った「ハンスタイルカクテル発表会」や全州ビビンバをかき混ぜる姿が報道された。2009年7月に開催された「韓国スタイル博覧会2009」(한국 스타일박람회 2009)では「韓国的なもの」に対する韓国人の中の「合意」が形成されていないのにバラバラな物を集めたという印象が強かった点を反省、テーマ館のタイトルを「今、ここ、わたしたち」とするなど2009年現在の韓国のスタイルを明確に表現することを第一の課題とし、韓屋のイメージに韓食研究家と宮廷料理専門家による品格高い韓食膳の組み合わせの提案、現代的なセンスで解釈した韓国茶室など、伝統のみにとらわれず新しい現代的な解釈も加えられた展示が見られた。2010年12月には「2010 韓国スタイル博覧会」(2010 한국스타일 박람회、KOREA, the Style)が(財)韓国工芸デザイン文化振興院主催のもと開催され、「韓国の想像力」というテーマのもと「公共デザイン展2010」「工芸トレンドフェア2010」との共催により工芸に重点が置かれた展示となった。 他方、それまでにもキムチや、コチュジャン、柚子茶、マッコリ、韓国伝統酒、トッポッキ、ビビンバなど韓国食品を紹介する企画が国内外で散発的に行われていたが、2007年11月、『ミシュランガイド東京2008』が発売され、「東京は世界一の美食都市」と喧伝されたことや、リーマン・ショック後の韓国通貨危機を契機に、世界化に伴う国家イメージ上昇による「コリアプレミアム」の必要性と外貨獲得の重要性についての議論が韓国民の間でさらに活発化した。
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