現代的な解釈
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/06 15:02 UTC 版)
1−2+3−4+… は、ディリクレのイータ関数(英語版) η ( s ) = ∑ n = 1 ∞ ( − 1 ) n + 1 n s . {\displaystyle \eta (s)=\sum _{n=1}^{\infty }{(-1)^{n+1} \over n^{s}}.} において s = −1 を形式的に代入したものである。右辺の級数は s の実部が正でなければ収束しないが、イータ関数は複素数平面全域に解析接続されて、η(−1) の値も定義され、その値は 1/4 である。実際、イータ関数はリーマンゼータ関数 ζ(s) と η ( s ) = ( 1 − 2 1 − s ) ζ ( s ) {\displaystyle \eta (s)=\left(1-2^{1-s}\right)\zeta (s)} という関係を持つので、ゼータ関数の関数等式よりイータ関数の関数等式を得るし、ゼータ関数の特殊値 ζ(−1) = −1/12 から η(−1) の値を得る。また(例えばアーベルの)総和法によっても、この形式的な和を正当化することが出来る。すなわちg(x)を g ( x ) = ∑ n = 1 ∞ ( − x ) n − 1 n {\displaystyle g(x)=\sum _{n=1}^{\infty }{(-x)^{n-1}n}} とすれば、両辺に-xを乗じて辺々引いて(|x|<1とすればg(x)は絶対収束するから、同じ仮定の下この操作が許されることに注意) ( 1 + x ) g ( x ) = ∑ n = 1 ∞ ( − x ) n − 1 {\displaystyle (1+x)g(x)=\sum _{n=1}^{\infty }{(-x)^{n-1}}} を得、よって g ( x ) = 1 ( 1 + x ) 2 {\displaystyle g(x)={1 \over (1+x)^{2}}} となるのだが lim x → 1 − 0 g ( x ) = 1 4 {\displaystyle \lim _{x\to 1-0}g(x)={1 \over 4}} であるから、アーベルの意味でこの和が1/4と結論することができる。これは上のヒューリスティックとよく似た議論であるが一度議論対象を関数に落とし込んでから、その極限をとって再び特殊化することにより厳密な議論となっている。逆にこの方法で得た値をイータ関数の値とみることによってゼータ関数の値をも求めることが出来る。この方法で得た値はゼータ関数の解析接続によって得られる値と等しい。
※この「現代的な解釈」の解説は、「1−2+3−4+…」の解説の一部です。
「現代的な解釈」を含む「1−2+3−4+…」の記事については、「1−2+3−4+…」の概要を参照ください。
- 現代的な解釈のページへのリンク