論理学における実数
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/03 06:03 UTC 版)
実数という数のクラスが初めてはっきりと取り出されたのはカントールによる集合の研究においてだった。彼は集合論的には実数全体の集合は有理数全体の集合からはっきりと区別されるべき大きさ(濃度)を持っていること(実数の集合は可算でないこと)を示した。 また、カントールは実数全体の集合と有理数全体の集合のちょうど中間の大きさの集合は存在することするかどうかいう問いをたてた。これは後になって連続体仮説とよばれ、結局通常用いられる集合論の体系からは証明も反証もできないことがわかった。 実数の体系の持つ超越的な性格は集合論の初期から様々な数学者の嫌悪の的となった。実数を定めるのに便利な集合論的定式化はやがて多くの数学者に受け入れられるようになったが、20世紀初めに論理学者のブラウワーは直観主義とよばれる、具体的に構成できるようなものだけを認める論理の体系をつくったが、彼はそこでは実数について通常の数学におけるものとは著しく異なった結論を導きだせることを示した。これには Kripke-Joyal の層の意味論によって現代的な解釈が与えられる。
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