論理学と哲学とは? わかりやすく解説

論理学と哲学

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/17 04:53 UTC 版)

哲学」の記事における「論理学と哲学」の解説

伝統的に論理学哲学一分野として研究されてきた。論理学伝統的にわれわれの推論パターン抽出することを目的としてきた。特に伝統的な論理学においては前提正しければ確実に正し結論を導くことができる手法としての三段論法主な研究の対象であった推論厳密さ重視する哲学において論理学主要な研究の対象であり政治弁論術宗教数学科学諸分野において論理学重要な研究対象であり続けた古代哲学者たちはしばし現代でいう論理学者数学者兼ねていた。 論理学直接関心推論妥当性無矛盾性あり、かならずしも人間社会や自然の諸事象考察焦点ならない(この点で論理学哲学他の分野とは性格異なる)。もし疑いようのない前提から三段論法用いて人間社会や自然の諸事象についての結論導き出すことができるならそれは非常に強力な結論となりうる。哲学者たちが論理学重視してきたことは当然といえるだろう。 しかし逆にいえば、三段論法結論厳密さはあくまで前提正しさ依拠するものであり前提とんでもないものであれば結論とんでもないものが出てしまう。たとえば「すべてのカラスは黒い。この黒くない、したがってこのカラスではない」といった推論では最初前提間違い本当白いカラスもいるような場合結局あやまった結論にたどりついてしまう(参照:ヘンペルのカラス)。 この問題は重要で、たとえばジョン・スチュアート・ミル三段論法内包するこの危うさについて結論知っていないならば大前提全称判断得られないのだから、三段論法一種循環論証であると批判した一方彼は帰納法四大規則こしらえたが、それらは因果律仮定される限り有効に用いられるものであり、まったく単純枚挙による機能もとづいてのみ、容認しうるものであることを白状せねばならなかった。 哲学的論理学においてはしばしば推論規則そのもの哲学的な正当性問題となってきた。古典論理については排中律の是非が問題となってきたし、帰納論理についてはそもそも帰納論理なるものが成立するかどうか自体問題となったこうした検討認識論科学哲学といった他の分野にも大きな影響与えてきた。20世紀初頭までには古典論理による推論限界明らかにされる一方でその公理系そのもの懐疑する視点から様相論理学直観論理矛盾許容論理などの展開も提示されている。

※この「論理学と哲学」の解説は、「哲学」の解説の一部です。
「論理学と哲学」を含む「哲学」の記事については、「哲学」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「論理学と哲学」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「論理学と哲学」の関連用語

論理学と哲学のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



論理学と哲学のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの哲学 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS