韓世忠とは? わかりやすく解説

韓世忠

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/07/13 03:16 UTC 版)

韓世忠肖像(劉松年『中興四将図』より)

韓 世忠(かん せいちゅう、元祐3年(1088年)- 紹興21年8月4日1151年9月15日))は、中国軍人良臣延州綏徳城の出身。武勇に優れた抗金の名将で、一人で一万人に匹敵するということから万人敵と呼称される。なお、彼の妻である梁紅玉中国語版もまた夫とともにと戦った。夫婦は仲は非常に睦まじかったという。

経歴

延州綏徳城の貧家に生まれる。18歳のとき募集に応じて兵と成り、軍人としての生涯を送ることになる。崇寧4年(1105年)、西夏が境を犯すとこれに出撃。大功をたてるが、童貫の評価は芳しいものではなかった。

宣和2年(1120年)、方臘の乱が起きる。韓世忠は王淵指揮下の将校として鎮圧に従事する。反乱軍を破り、ついには方臘を捕虜にすることに成功した。このとき、韓世忠の活躍がめざましく、王淵から「万人敵」と賞賛される。しかし、方臘を捕らえた功績は辛興宗に奪われてしまう。また『水滸伝』においてもこの功績は魯智深のものにされてしまっている。

宣和3年(1121年)にも金を大敗させ、盗賊を捕らえている。また、金の侵入により王帥数万が敗走するなか、一人で敵の包囲を破り、なんとか欽宗を逃亡させることに成功している。

靖康の変の後、高宗済州まで護衛し、以降は抗金闘争に明け暮れることになる。「黄天蕩の戦い」では妻の梁紅玉とともに8千の兵で金の10万という数の差を巧みに水撰で覆し、金兵2万5千を倒すという殊勲を挙げる。また、紹興4年(1134年)には高宗から「中興の武功第一」と称された。

紹興11年(1141年)、秦檜が金との和平を進める中、岳飛は無実の罪で殺され、韓世忠も兵権を奪われる。兵権を奪われたのちは隠退し、自ら清涼居士と号し悠々自適の人生を送った。隠退後は、客が来ればもてなすが、二度と兵事を語らなかったという。

逸話

  • 妻の梁紅玉はもともと妓女であったが、客として現れた当時下級軍人にすぎなかった韓世忠を気に入って、押しかけ女房のように嫁いだと言われる。夫婦仲は非常に良好であった。
  • 韓世忠よりだいぶ年下でありながら出世のスピードが早かったためか、岳飛との関係は好ましいものでなかったという。もっとも、いつしか韓世忠と岳飛の関係はかなり改善されたようである。
  • 紹興11年(1141年)に岳飛が無実の罪で投獄されると、韓世忠は秦檜に対し「岳飛に対し謀反の証拠があるのか」と意見している。これに対し秦檜が「莫須有(あったかもしれない)」と答えると、「莫須有の三文字で天下を納得させることができるものか」と怒鳴りつけたという(この部分の出典は『宋史』365巻、岳飛伝)。

脚注


伝記資料

  • 宋史』巻三六四「韓世忠伝」

関連書籍

韓世忠の息子である韓子温を主人公にした小説。

韓世忠

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/24 23:41 UTC 版)

大水滸シリーズの登場人物」の記事における「韓世忠」の解説

楊令伝韓家軍首領。のちに南宋水軍総帥地方軍指揮官禁軍青蓮寺注目するほどの才能の持ち主だったが、宋を見限っていたためわざ乱行繰り返して昇進拒んでいた。異母弟(弟とは認めていないが)、韓伯竜のこともあり禁軍梁山泊戦いに対して醒めた感情を抱く。少年時代義母姦通した過去があり、そのため女性へ不可解さ一種トラウマとなっている。また、破壊悲劇を好む歪んだ一面があり、幻王として殲滅戦行っていたころの楊令気に入っていた。

※この「韓世忠」の解説は、「大水滸シリーズの登場人物」の解説の一部です。
「韓世忠」を含む「大水滸シリーズの登場人物」の記事については、「大水滸シリーズの登場人物」の概要を参照ください。

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