釈迦三尊像と薬師如来像とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > ウィキペディア小見出し辞書 > 釈迦三尊像と薬師如来像の意味・解説 

釈迦三尊像と薬師如来像

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/04 06:27 UTC 版)

法隆寺の仏像」の記事における「釈迦三尊像と薬師如来像」の解説

法隆寺西伽藍現存する世界最古木造建築であるが、聖徳太子622年没)在世時の建物ではなく創建時の伽藍天智天皇9年670年)に焼失した後に再建されたものであるということ定説になっている西院伽藍創建時建物であるか再建であるかについては、明治以来数十年にわたって論争再建・非再建論争)があったが、1939年旧伽藍若草伽藍)の発掘調査以降再建説が定説となっている(再建・非再建論争詳細について法隆寺#再建・非再建論争参照)。現存する金堂7世紀末頃の建築とみられる金堂内陣には「中の間本尊」の釈迦三尊像、「東の間本尊」の薬師如来像、「西の間本尊」の阿弥陀三尊像3組本尊安置されている(以上の仏像はいずれ造)。なお、「中の間」「東の間」「西の間」は相互に壁などで明確に仕切られているわけではなく位置と、天井吊るされ3つの箱形天蓋とによってゆるやかに区切られているにすぎない3組本尊のうち「中の間」の釈迦三尊像光背裏面には推古31年623年造立、「東の間」の薬師如来像光背裏面には推古15年607年造立銘文がある。しかし、前述のとおり、現存する金堂7世紀末頃の再建であり、それ以前に釈迦三尊像と薬師如来像がどこに安置されていたのかは不明である。また、これら2組の像の光背銘については、文中の用語の解釈などをめぐってさまざまな説があり、上記造立年代信憑性を疑う説もある。特に薬師如来像については、銘文中の用語と像自体作風・技法両面から、この像を文面どおり607年の作とする考え今日ではほぼ否定されており、釈迦三尊像623年銘)よりも年代的には下る制作みなされている。天平19年747年作成の『法隆寺伽藍縁起并流記資財帳』(以下、『法隆寺縁起』または『資財帳』と略称)の仏像列挙した部分では、冒頭薬師像と釈迦像の記載があり、両像が遅くとも8世紀奈良時代)には金堂内に安置されていたことがわかる。なお、「西の間」の阿弥陀三尊像は、光背によれば、もとの像が平安時代末期盗難遭った後、貞永元年1232年)に制作されたものである薬師如来像光背銘には、「病を得用明天皇は、丙午年(586年)に寺(「法隆寺」と明記はされていない)と薬師像を造ることを発願したが、それを果たさないうちに崩御したので、遺命奉じ推古天皇聖徳太子丁卯年(推古15年607年)に像と寺とを造った」という意味のことが記されている。天平19年747年)の『法隆寺縁起』もこれを踏襲し、寺の創立推古15年607年)のこととしている。一方釈迦三尊像光背裏面には、西暦623年にあたる年、その前年亡くなった聖徳太子のために止利仏師がこの像を造ったとの銘がある。法隆寺創建縁起にかかわる銘文有し607年造られとされる薬師如来像金堂中央ではなく東脇安置され、これより16年後完成した623年銘の釈迦三尊像の方が堂内中央安置されていることについては古くから疑問視されていた。鎌倉時代法隆寺学僧で、『聖徳太子伝私記古今目録抄)』の著者である顕真もこの点を不審思い同書に「当初薬師如来像本尊であったが、釈迦三尊像の方が大きいので、後に交替して釈迦三尊本尊になった」という意味のことを記している。しかし、寺の本尊が単に像の大きさのみで交替するということは常識的に考えにくい。また、釈迦三尊像頭上吊るされている箱形天蓋飛鳥時代)の大きさが同像の台座とほぼ同じ大きさであることからみても、金堂中の間本尊当初から釈迦三尊像であったとみるのが自然である。釈迦三尊像については、法隆寺建立以前斑鳩の地に建てられていた聖徳太子斑鳩宮にもと安置されていたとする説もある。 釈迦三尊像については、像、銘文ともに推古朝の作と認めるのが一般的である。ただし、後述のとおり、銘文については文中用語など理由に、これを疑わしいとする研究者もいる。

※この「釈迦三尊像と薬師如来像」の解説は、「法隆寺の仏像」の解説の一部です。
「釈迦三尊像と薬師如来像」を含む「法隆寺の仏像」の記事については、「法隆寺の仏像」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「釈迦三尊像と薬師如来像」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「釈迦三尊像と薬師如来像」の関連用語

釈迦三尊像と薬師如来像のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



釈迦三尊像と薬師如来像のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの法隆寺の仏像 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS