運用の長期化とは? わかりやすく解説

運用の長期化

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/05 01:12 UTC 版)

B-52 (航空機)」の記事における「運用の長期化」の解説

B-522021年現在原型XB-52ロールアウト1951年)から既に70年H型最終号機のロールアウト1962年)から数えて半世紀以上に渡り配備続いている。G型H型大幅な改良受けたとはいえこれほど長寿爆撃機としてはもちろん、航空機全般中でも極めて異例といえるここまで長い運用当初から予定されたものではなかった。これはB-52の後に様々なタイプ戦略爆撃機開発採用されながらも、B-52を完全に代替するものではなかったことによる。 B-58超音速爆撃機速力B-52遙かに上回ったが「高空高速飛行し、敵の防空網突破する」という基本戦術対空ミサイル発達により価値失い、また空対地ミサイル運用能力がないなど進歩する兵器に対応ができず、短期間姿を消したマッハ3の超高速爆撃機XB-70は、高コスト災いして試作のみで終わった。またB-58B-2などは、ペイロードB-52に及ばなかった。 結局、これらの新型機は超音速飛行ステルス性などの性能要求され多種多様な兵器を、大量に搭載し遠方投入投下する性能についてB-52上の内容要求されることはなかった。また、盛り込まれ新技術整備維持の困難を招きB-58B-2のように、アメリカ本土以外の前線基地例え東南アジア中東では運用ままならない機体もあった。調達運用コスト総じて高価で、B-52代替するのに必要な数を揃えることは困難だった一方新型機がことごとく行き詰まるのを尻目にB-52アメリカ空軍圧倒的な航空優勢背景に、その搭載能力航続力生かし核兵器から、大量通常爆弾巡航ミサイルはじめとする精密誘導兵器と、時代と共に進歩する兵器柔軟に対応していった。 また、戦闘爆撃機マルチロール機として出現したF-111F-15E等が、かつての大型戦略爆撃機であるB-29上回る搭載量実現したことも影響している。F-111当初目標一つ制空戦闘機としてはものにならなかったものの、低空侵攻可能な戦闘爆撃機としては優秀であるため、対地攻撃任務主眼置いた戦術爆撃機として運用されてきた。さらに爆撃性能特化し、この機体戦略爆撃機として発展させたFB-111という派生型開発されたこともある。核兵器自体技術の進歩により小型化され、搭載運用に必ずしも以前のような大型機を必要としなくなった。また機体単独航続力確保しなくても、空中給油技術確立によって航続距離延伸可能になったことも、戦闘機サイズ機体戦略爆撃任務を担う事が可能になった一因である。 より小型機体戦略爆撃機としての任務をほぼ代替できる以上、高価な大型戦略爆撃機多数配備する意味は小さくなってしまった。空中給油頼らない航続力大型兵器運用能力生かした任務ニッチ的な状況に陥り、担当機種新規に開発する必要性大幅に薄れていく中で、現在に至るも旧式機であるB-52コストの面において兵器として価値保持し続けることになっているのである。 こうして、最後の「爆撃機らしい爆撃機B-52有力な後継登場しないままに生き残り、減勢しながらもなおアメリカ空軍爆撃機戦力一翼担い続けている。2009年現在使用されているB-52最終量産型であるH型71機のみだが、アメリカ空軍今後延命措置などを行い現役留める予定である。当面2045年までの予定とされるが、さらに延長される可能性もある。 初期型B-52現役だった頃には「機長多く30歳代以上)より機体の方が年上」、あるいは「親子二代B-52乗っている」といった例がしばしば見られと言うが、B-52退役先に延びるにつれ、このような例はますます増加していくことになろう。 ただし1機種だけ例外的存在がある。B-1は、ペイロード含めてあらゆる性能B-52上回る超音速戦略爆撃機である。A型では爆弾倉レイアウトがまずく、大型のAGM-86B巡航ミサイル機内搭載できなかったものの、B型ではレイアウト変更し搭載可能となった。しかしこのB-1性能は(特にアメリカ敵対する可能性のある陣営にとって)過剰なものとされ、第二次戦略兵器削減条約による制限により、現在は緊急近接航空支援という、当初目論見はまった別の任務担っている

※この「運用の長期化」の解説は、「B-52 (航空機)」の解説の一部です。
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