軽度認知障害とは? わかりやすく解説

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けいど‐にんちしょうがい〔‐ニンチシヤウガイ〕【軽度認知障害】

読み方:けいどにんちしょうがい

記憶力年齢相応以上に低下し物忘れがひどくなったという自覚があるが、それ以外認知機能障害はみられず、日常生活大きな支障のない状態。認知症になる可能性が高いとされるが、早期治療始めることで進行遅らせる効果期待されるMCImild cognitive impairment)。


軽度認知障害

読み方けいどにんちしょうがい

物忘れ主たる症状だが、日常生活への影響はほとんどなく、認知症とは診断できない状態。

 軽度認知障害は正常と認知症中間ともいえる状態である。その定義は、(1)年齢教育レベル影響のみでは説明できない記憶障害存在する(2)本人または家族による物忘れ訴えがある。(3)全般的な認知機能正常範囲である。(4)日常生活動作自立している。(5)認知症ではない。すなわち、記憶力障害があって物忘れ自覚があるが、記憶力低下以外に明らかな認知機能障害がみられず、日常生活への影響はないかあっても軽度のものである。しかし、軽度認知障害の人は年間1015%が認知症移行するとされており、認知症前段階考えられている。


軽度認知障害

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/05/12 03:29 UTC 版)

軽度認知障害(けいどにんちしょうがい、Mild Cognitive Impairment:MCI)とは、正常老化過程で予想されるよりも認知機能が低下しているが、認知症とはいえない状態。認知症の前段階にあたるが、認知機能低下よりも記憶機能低下が主兆候となる。主観的・客観的に記憶障害を認めるが、一般的な認知機能・日常生活能力はほぼ保たれる。「認知症」の診断ができる程度に進行するまで、通常5 - 10年、平均で6 - 7年かかる。医療機関を受診した軽度認知障害では、年間10 % - 30 %が認知症に移行するとされる。MCIから認知症への進行を確実に食い止める治療法はまだ見つかっておらず、認知症治療薬の効果はないとする研究が多い[1]。そのため予防的観点から、認知機能を維持する成分(DHAイチョウ葉エキス、エルゴチオネイン[2]など)を含んだ機能性表示食品の研究も活発に行われている[3][4]

定義

  1. 年齢や教育レベルの影響のみでは説明できない記憶障害が存在する。
  2. 本人または家族による物忘れの訴えがある。
  3. 全般的な認知機能は正常範囲である。
  4. 日常生活動作は自立している。
  5. 認知症ではない[5]

脚注

  1. ^ 厚生労働省老健局 2019年6月
  2. ^ Feng, Lei; Cheah, Irwin Kee-Mun; Ng, Maisie Mei-Xi; Li, Jialiang; Chan, Sue Mei; Lim, Su Lin; Mahendran, Rathi; Kua, Ee-Heok et al. (2019-03-12). Yu, Jin-Tai. ed. “The Association between Mushroom Consumption and Mild Cognitive Impairment: A Community-Based Cross-Sectional Study in Singapore”. Journal of Alzheimer's Disease 68 (1): 197–203. doi:10.3233/JAD-180959. https://www.medra.org/servlet/aliasResolver?alias=iospress&doi=10.3233/JAD-180959. 
  3. ^ http://www.pieronline.jp/content/article/0386-3603/48040/685 健常者および軽度認知障害者に対するエルゴチオネイン含有食品の認知機能改善効果 薬理と治療(2020)48(4)685-97
  4. ^ エルゴチオネイン含有機能性表示食品
  5. ^ 軽度認知障害”. 2015年8月23日閲覧。

関連項目

外部リンク


軽度認知障害

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/16 09:13 UTC 版)

認知症」の記事における「軽度認知障害」の解説

軽度認知障害(Mild Cognitive ImpairmentMCI)とは、正常老化過程予想されるよりも認知機能低下しているが、認知症とはいえない状態。認知症前段階にあたるが、認知機能低下よりも記憶機能低下が主兆候となる。主観的客観的に記憶障害認めるが、一般的な認知機能日常生活能力はほぼ保たれる。「認知症」の診断ができる程度進行するまで、通常5〜10年平均で6〜7年かかる。医療機関受診した軽度認知障害では、年間10%30%が認知症移行するとされる。さらに、単に軽度記憶障害のみの例より、他の認知障害合わせて持つ例の方が、認知症への進行リスクはるかに高い(4年後の認知症への移行率は、記憶障害のみの場合24%、言語注意視空間認知障害いずれか合併例では77%であった)。 認知症における疾患修飾治療(disease-modifying therapy)、いわゆる根治療法企図した100上の臨床試験がすべて失敗終わり少なくともMCI段階からの治療開始が望ましいと考えられている。しかし、MCIから認知症への進行確実に食い止める治療法はまだ見つかっておらず、認知症治療薬効果はないとする研究が多い。そのため予防的観点から、認知機能維持する成分DHAイチョウ葉エキスエルゴチオネインなど)を含んだ機能性表示食品研究活発に行われている。 MCI段階では、軽症であるがゆえにその背景にある病気、つまりアルツハイマー病前駆段階なのか、血管性認知症前駆段階なのかを判定するのがしばしば困難であること、さらに2013年報告Brain 2013)では、80歳以上のアルツハイマー病患者の8割が何らかの脳血管障害伴っていることが明らかとなり、脳血管障害対す介入が、血管性認知症もちろんのことアルツハイマー病前駆段階であるMCIMCI due to AD呼ばれるに対して有効なではないかという期待世界中で高まっている。日本でも脳血管障害対す治療薬MCIに対して有効かどうか確かめようとする医師主導治験(COMCID Study)が2015年平成27年5月より始まっている。 国立長寿医療研究センター研究班がまとめた発表によると、認知症前段階と言われるMCI高齢者4年追跡調査しみたところ14%が認知症になったものの、46%は正常に戻った研究は、認知症患者ではない65歳上の住民約4200人を2011年から4間追跡国際的なMCI判定基準に基づく150項目に回答する形での認知機能検査により、最初時点で約740人(18%)がMCI判定された。4年後に同じ検査行ったところ、MCI当初判定された人の46%は正常範囲戻っていた。この認知機能検査は、記憶力注意力処理速度実行機能の4項目を検査するが、MCI中でも1項目だけスコアが低いタイプ正常に戻った割合3957%であるのに対し複数の項目のスコアが低いタイプ20%であったMCI中でも問題のある項目が少ないほど回復率が高い傾向があった。また、4年の間に認知症診断された人の割合は、当初MCI判定された人では14%と、当初正常だった人の5%に比べ大幅に高くなっていた。

※この「軽度認知障害」の解説は、「認知症」の解説の一部です。
「軽度認知障害」を含む「認知症」の記事については、「認知症」の概要を参照ください。

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