軽度認知障害は正常と認知症の中間ともいえる状態である。その定義は、(1)年齢や教育レベルの影響のみでは説明できない記憶障害が存在する。(2)本人または家族による物忘れの訴えがある。(3)全般的な認知機能は正常範囲である。(4)日常生活動作は自立している。(5)認知症ではない。すなわち、記憶力に障害があって物忘れの自覚があるが、記憶力の低下以外に明らかな認知機能の障害がみられず、日常生活への影響はないかあっても軽度のものである。しかし、軽度認知障害の人は年間で10~15%が認知症に移行するとされており、認知症の前段階と考えられている。