誕生の経緯と性能・構造とは? わかりやすく解説

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誕生の経緯と性能・構造

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/04 07:26 UTC 版)

国鉄C51形蒸気機関車」の記事における「誕生の経緯と性能・構造」の解説

島安次郎指導のもと、9600形設計担当した朝倉希一設計主任となって開発が行われた。 諸外国高速機関車に好んで用いられるパシフィック軸配置」(2C1=先輪2軸、動輪3軸、従輪1軸)を国産設計蒸気機関車としては初め採用し設計にあたってアメリカ合衆国から輸入したアルコ社製8900形装着したコール式1軸心外側軸箱式従台車参考にされ、このことから8900形に続くものとして18900形という形式名が与えられた。 本形式においては常用最高速度を100km/hとして計画され設計当時ドイツ機械学会の推奨する動輪常用最大回転数から逆算で1,750mmという設計当時狭軌蒸気機関車では世界最大動輪直径導出された。この動輪サイズ以後国鉄旅客用大型蒸気機関車標準サイズとなり、太平洋戦争後のC62形に至るまで踏襲された。 このような直径動輪採用するボイラー中心高が引き上げられるが、8900形同時期にドイツから輸入されボルジッヒ社製8850形でボルジッヒ社の推奨従いボイラー中心高を2,438mmとして問題なかったことと、これを参考として8850形を上回るボイラー中心高として設計され9600形好成績挙げていたことなどから、8850形をやや下回る2,400mmに抑えつつも高いボイラー中心高を許容している。 ボイラー通常の3缶胴構成で、缶胴部内径火床面積8900形同一としているが、伝熱面積増大図って煙管長が5,500mmと8900形比して500mm延伸され、この値は以後国鉄制式蒸気機関車標準値となっている。 台枠設計当時としては一般的な25mm厚の板材による板台枠である。 動輪前述のとおり1,750mm径のスポーク式で、28962号機までは17本のスポーク備えていたが、折損事故対策として28963号機(のちのC51 164以降18本に増強されている。 弁装置はワルシャート式で、ピストン棒長くしてメインロッドを短縮する設計8900形とは異なりベルリーナ社製8800形倣ってピストン棒短縮しメインロッドをやや長くし、第2動輪主動輪としている。 テンダー当初上縁直線通した17m3形だったが、18940号機(のちのC51 41以降は、石炭8t、17tを積載可能な8-17形が標準形テンダーとなっている。なお、後期分ではC53形同じく石炭搭載量12t拡大した12-17形テンダーのものも見られるまた、1930年超特急「燕」運行開始時に専用牽引機指定されC51 171208247 - 249東京 - 名古屋ノンストップ運転実現のためにテンダー水槽容量大きC52形の20m3後期形振り替え、かつ30tを積載可能な水槽車(「燕」運用時代はC51 247 - 249番号与えられていた。後のミキ20形)を増結する関係上、水槽車との間には給水管テンダー上部には通風管や幌設け改造実施されている。いずれも鋼板組立式台板ばねのボキー台車装着する。 28901号機 (C51 102) 以降では空気ブレーキ装置装備始まった歩み板2段として歩み板動輪の間にスペース取り、第2動輪上の歩み板下に空気だめが取り付げられ、運転室床面から歩み板への距離も上に延長され高くなっている。 なお、本機広軌改築論が取り上げられていたこの時期改軌是とする島安次郎工務技術陣が狭軌能力限界を示すために設計したといわれる。しかし、実際に改軌論者技術側の筆頭である島は当初将来広軌改築成った時に火室拡幅出来ることと、牽き出し時に動輪軸重一時的に増す利点から従輪無し機関車考え、また計画図を書いていた。島は8620形設計サンプルとして8700・8800・8850・8900の4形式輸入した際に、アルコ社製の8900形メーカー側主張従い従輪付きパシフィック仕様変更されたことに抗議の念を持っていたが、本形式その後政治状況変化広軌改築諦めざるを得なくなった故に狭軌火室拡大実現するため、やむなく従輪ありの8900形基本として、8850形の高重心許容する設計8800形弁装置周り設計参考としつつ、日本風設計し直したものであった。こうして完成した形式性能当時国産内地向け蒸気機関車としては飛躍的に向上し8900形並んだ評された。鉄道院首脳陣も「これ程機関車があれば狭軌で十分」として、結局は広軌論者主流をなしていた工務局自らが改軌論争止めを刺す結果となってしまった。[要出典]

※この「誕生の経緯と性能・構造」の解説は、「国鉄C51形蒸気機関車」の解説の一部です。
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