訳語の問題
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1957年の厚生省麻薬課の国連薬物犯罪事務所(UNODC)における報告では、「覚醒剤」(awakening drugs)として知られる「精神刺激薬」(stimulant)の乱用を規制する「アンフェタミン類取締法」(Amphetamines Control Law)と報告し、UNODCの他の外国の研究者やユネスコでの厚生省麻薬課の報告では「覚醒剤取締法」(Awakening Drug Control Law)である。 1995年の法務省刑事局の『法律用語対訳集』では、覚醒剤取締法を、Stimulant Control Law と訳している。 2009年の日本睡眠学会による『睡眠学』の「精神刺激薬」の項では、精神刺激薬は一般に覚醒剤とも称されると説明されている。 『心理学辞典』では、覚醒剤とは中枢神経系に覚醒作用を及ぼすアミンであり、アンフェタミン・メタンフェタミンなど眠気を抑え覚醒水準を高める薬物だとしている。2011年の『現代精神医学事典』では、覚醒剤の英語をメタンフェタミン、アンフェタミンとし、覚醒剤取締法にて指定されている薬物の総称だとしている。 なお、世界保健機関の『疾病及び関連保健問題の国際統計分類』第10版(ICD-10)では、分類のstimulantに精神刺激薬の語を用い、アメリカ精神医学会の『精神障害の診断と統計マニュアル』第5版DSM-5においては、上位分類に精神刺激薬関連障害群(Stimulant—Related Disorders)である。
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訳語の問題
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フロイトはTodestriebと対のようにLebenstriebという語を用いたが、日本語ではともに「死の本能」「生の本能(エロス)」と訳されることが多い。しかしながら本能には「遺伝的に組み込まれた行動パターン」という意味合いが強くTriebをそのように訳すのは誤解を招きかねない面があり、彼は本能(Instinkt)と別に、自我に対して何かに駆りたてさせる衝動という意味でTriebを使ったとされる。英仏訳でも誤りが指摘され、訂正が施されたが日本語訳ではまだ「本能」と訳されていることも多い。 日本語訳でも広まりつつある「欲動」または「衝動」という訳語に意義があるのは、それにより本人の葛藤に焦点が当てられることになるからである。患者はしばしば「死にたい」という言葉を発するが、「死の本能」でなく「死の欲動」と訳すことにより、「死にたい気持ちに駆られる」と言わしめるもの、フロイトが「生の欲動」「死の欲動」の二元論で説明しようとしたものは臨床現場で頻繁に聞かれる「死にたい気持ち」と「生きたい気持ち」の間の葛藤としてうまく説明することができるものである。
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訳語の問題
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「ソーシャル・キャピタル」の記事における「訳語の問題」の解説
ソーシャル・キャピタルを直訳すれば「社会資本」だが、これは電気水道や道路といった都市基盤のようなハードな資本(インフラストラクチャー)を意味する語として日本語で使われており、コールマンやパットナムによる「ソーシャル・キャピタル」の意味と異なる。そのため「社会関係資本」の語が使われることが多い。これは、人間関係の豊かさこそを社会の資本としてとらえるソフトな概念である。また、英語の“Social Capital”は、文献により社会関係資本、社会資本等の訳語があてられており、経済学分野の資本概念として捉える向きもあるが、経済学辞典第3版(岩波書店)あるいは経済辞典第3版(有斐閣)には、“Social Capital”あるいはソーシャル・キャピタルという項目がない。これらの訳語のうち、より直訳に近い社会資本は、政府等の公共機関により形成され、財・サービスの生産活動に間接的に貢献する司法・教育・警察・交通・治水などの制度や施設を指すいわゆるインフラストラクチャーあるいは社会的共通資本または社会的間接資本と同義で使われることが多いので、誤解を避ける点からは「社会関係資本」などの意訳が訳語として適切である。
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