訳語の概要
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/19 17:10 UTC 版)
「生神女」の原語はギリシャ語「Θεοτόκος」(セオトコス)であり、これは「神(Θεός:セオス)を産んだ者(τόκος:トコス)」という意味である。つまり「神を産む者」という称号であるがゆえに男性形語尾を保つ女性名詞であるが、それが教会スラヴ語で「Богородица」(ボゴロージツァ)(「神(Бог:ボーク)を生む女(родица:ロージツァ)」の意)と翻訳された事を反映し、「生神女」と訳された。 日本ハリストス正教会では「聖母」という語は用いない。「生神女」「神の母」「永貞童女(「処女のままであった女」の意)」「童女」「童貞女」「女宰(じょさい)」「女王(にょおう)」といった表現が祈祷書には用いられており、日常的にも生神女マリヤと呼ばれる。これらの訳語が用いられる理由としては 大主教聖ニコライの訳を尊重すべきである。 「聖なる母」は1人ではない(例は多数あるが、例えば生神女の母アンナも聖人であり、「神の祖母」と正教会では呼ばれる)。 イイスス・ハリストス(イエス・キリスト)の母マリヤの称号「Θεοτόκος」:「神の母」は第三全地公会議での確認事項であり、これを尊重して精確な訳語を用いるべきである。 海外正教会でも「Θεοτόκος」(セオトコス:生神女)・「the Virgin Mary」(童女マリヤ)・「Царица」(ツァリーツァ:女王)等と呼ばれており、「Holy Mother」(聖母)とはまず呼ばれておらず、全正教会の標準的呼称に則るべきである。 等が挙げられる。なお、マリヤとマリアの違いは転写の違いに由来するものであり、あまり日本正教会でもいずれを用いるかは拘られていない。但し、聖書・祈祷書や聖歌では「マリヤ」で統一されている。 「母マリヤ」も参照
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