芥川龍之介の死と『聖家族』とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > ウィキペディア小見出し辞書 > 芥川龍之介の死と『聖家族』の意味・解説 

芥川龍之介の死と『聖家族』

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/09 14:54 UTC 版)

堀辰雄」の記事における「芥川龍之介の死と『聖家族』」の解説

1925年大正14年4月東京帝国大学文学部国文科入学室生犀星宅で中野重治窪川鶴次郎たちと知り合うかたわら小林秀雄永井龍男らの同人誌山繭』に「甘栗」を発表する中野窪川らと駒込神明町(現:文京区本駒込)動坂のカフェ「紅緑」(こうろく)に集まり当時女給をしていた佐多稲子ともこの頃知り合うまた、7月から9月上旬まで軽井沢部屋借り芥川龍之介随伴し峠や古い駅などを見て廻った。この夏には、スタンダールアンドレ・ジッドなどの作品多く読んだ1926年大正15年4月中野窪川平木二六、西沢隆二宮木喜久雄らと同人誌驢馬』を創刊芸術派プロレタリア文学派という戦前昭和時代文学代表する流れとのつながりをもった。堀の作品がもつ独特の雰囲気は、これらの同人影響によるところもあり、「水族館」などモダニズム影響色濃くもった作品もある。9月神西清吉村太郎片山広子息子片山達吉)、青木晋(竹山道雄)らと同人誌『箒』(のち『虹』と改題)を創刊しその後山繭』と合流1927年昭和2年2月ラディゲなどの影響を受け、片山総子をモデルにした処女作ルウベンスの偽画」の初稿同人誌山繭』に発表7月24日には芥川龍之介自殺し大きなショックを受ける。絶望的な精神状態のまま、9月芥川の甥・葛巻義敏と共に芥川龍之介全集』の編纂従事する1928年昭和3年1月心身疲労がたたり、風邪から再び重い肋膜炎患い死に瀕する4月まで大学休学し湯河原静養し8月末から10日ほど軽井沢へ行く。1929年昭和4年1月に「ルウベンスの偽画」の改稿を『創作月刊』に発表した後、2月コクトーの『大胯びらき』の影響受けた不器用な天使」を雑誌文藝春秋』に発表3月卒業論文は、「芥川龍之介論」だった。4月翻訳の『コクトオ抄』を刊行した10月犬養健川端康成横光利一らと同人誌文學』(第一書房刊)を創刊1930年昭和5年5月に「ルウベンスの偽画」の完成稿を『作品創刊号発表後7月初めての作品集不器用な天使』を刊行この頃川端康成一緒に浅草カジノ・フォーリー見物行ったりし、川端親交を持つようになった7、8月と2度軽井沢滞在し11月に、芥川の死をモチーフに、この頃身辺体験描いた聖家族」を雑誌改造』に発表し文壇高い評価受けた脱稿後の秋に喀血し、自宅療養中の病臥マルセル・プルーストの『失われた時を求めて』を読み始める。「プルースト体験」の影響は、この時期書かれた「本所」(のち「水のほとり」、「墓畔の家」、「向島」に改題)や、その後発表される「花を持てる女」や「幼年時代」などに、子供時代への遡行表われ震災失った母へ鎮魂や、人生切実な問題として母の不在対す嘆きがある。 堀の病状好転せず、1931年昭和6年4月から3か月間、長野県富士見高原療養所転地療養8月中旬から10月上旬まで軽井沢滞在し、「恢復期」を書いて12月に『改造』に発表帰京後絶対安静となる。このように病に伏せることが多かった堀が、プルーストジェイムズ・ジョイスなど、当時ヨーロッパ先端的文学触れていったことも、作品深めていくのに役立った

※この「芥川龍之介の死と『聖家族』」の解説は、「堀辰雄」の解説の一部です。
「芥川龍之介の死と『聖家族』」を含む「堀辰雄」の記事については、「堀辰雄」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「芥川龍之介の死と『聖家族』」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「芥川龍之介の死と『聖家族』」の関連用語

1
8% |||||

芥川龍之介の死と『聖家族』のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



芥川龍之介の死と『聖家族』のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの堀辰雄 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS