卒業論文とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 同じ種類の言葉 > 学問 > 教育 > 論文 > 卒業論文の意味・解説 

そつぎょう‐ろんぶん〔ソツゲフ‐〕【卒業論文】

読み方:そつぎょうろんぶん

大学学部学生卒業に際して提出し審査を受ける論文卒論


卒業論文

作者加藤勝

収載図書フーコー短編小説傑作選 3(下)
出版社フーコー
刊行年月2000.2


卒業論文

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/09/15 21:14 UTC 版)

卒業論文(そつぎょうろんぶん、: graduation thesis)とは、大学, 短期大学および高等専門学校に所属する、主に最終学年学生が、その最終学年の1年間を通して行う卒業研究の成果として学校に提出する論文のことである(期間方法が異なる場合もある)。

一部の高等学校中学校にも、卒業論文の提出を課しているところがある。略称は、卒論(そつろん)。

概要

形式・書式

その形式や書式等は、各大学・学部学科(場合によっては所属している研究室)や、専攻する分野によって異なるが、概ねIMRAD型といわれるスタイルをとるものと考えてよい。

学部による卒業論文

文系学部などでは、ゼミナール論文を卒業論文と同様に扱うこともある。医学部では卒業論文ではなく「卒業試験」が行われる。理学部工学部農学部などでは、研究成果をOHPコンピュータを使って発表する口頭試問(学会におけるプレゼンテーションを模したもの)の形をとることもある。芸術学部美術学部音楽学部建築学科などの場合は、卒業制作、卒業展示(卒展)、卒業演奏会(卒演)など卒業研究の成果発表として行われる。語学系の大学・学部などでは卒業翻訳がある場合もある。法学部では卒業論文を課さない大学も多い。

理系学部の多くが、4年次に「卒業研究」という科目を履修して、卒業論文としてまとめて提出することが必修とされているのに対し、文系学部では卒業論文の提出が卒業要件ではない場合も多い(各大学の方針によって異なり、文系でも卒論必修の場合があるし、理系でも選択科目の場合もある)。提出された論文は叢書にまとめられ、公開されることもある。

卒論では、一部例外を除いて、基本的に、研究するテーマを学生が自分で考えて決める(例えば「広告」を対象にする卒業論文についてのまとめがある[1])ほか、卒論の提出時には、「最低でもこれだけの文章量は書くこと」というノルマが、規定として大学から指示される[2]。構想の制定、資料やアンケートの収集、分析作業などに忙殺され、最終学年の学生は1年をかけて卒論を完成させることが一般的である。

卒業論文の作成にあたっては他人の著作権に触れることのないよう細心の注意が求められる。孫引きや無断転用などは剽窃にあたる可能性があり、大学当局から不正と認定されてしまう危険性があるので注意が必要である。

また過去の誰かの、そして多くの先行研究と、自身の研究内容が重複して無価値な卒業論文を書かないようにするためや、過去にいかなる研究が行われ、いかなる論証・プロセスを経て現在の学説や理論が構築されてきたかを理解するため、先行研究(論文)を次々に読み、時系列的に整理していく「研究史の整理」が必要となる。これは過去の研究成果を踏まえて新規性のある研究テーマを見出だし、また自身の研究を、今ある研究体系の中に位置付けしていく上で極めて重大な意味をもつ[3][4][5]

なお、卒業論文の提出時期はさまざまであり、毎年12月から3月に定められていることが多い。

近年の卒業論文

卒業論文はかつて原稿用紙に手書きで書かれていた。その後、ワープロパソコンを利用するようになり、現在はパソコン(さらに近年ではスマートフォンタブレットを使うこともある)で書かれるものが多い。このため近年、大学ではコピペ等の不正行為がないかなどのチェックなどを厳しく行っている。

卒業論文代行問題

前述のようにワープロやパソコンを利用して卒論を作成することが多くなったため、卒業論文を専門の業者に代行させることが容易になり、教育現場の課題となっている。詳しくは、卒業論文代行問題を参照のこと。

出典

  1. ^ 水野由多加「大学生はどのような「広告研究」を行っているのか : 事例から見る「求められる研究」への発想転換」『日経広告研究所報』49 (3)、日経広告研究所、2015年、18-25頁、CRID 1570291611742510848 
  2. ^ 「卒論応援団2013」クラブハウス刊/p180, p69より
  3. ^ Howard 2012, pp. 199–220.
  4. ^ 村上 2019, pp. 31–79.
  5. ^ 村上 2019, pp. 167–182.

参考文献

  • 村上, 紀夫「第10章「はじめに」を書く」『歴史学で卒業論文を書くために』創元社、2019年9月20日、167-182頁。ISBN 9784422800417NCID BB28929146 

関連項目


卒業論文

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/26 21:27 UTC 版)

法学部」の記事における「卒業論文」の解説

卒業論文 - 課されないケースが多い。

※この「卒業論文」の解説は、「法学部」の解説の一部です。
「卒業論文」を含む「法学部」の記事については、「法学部」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「卒業論文」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ

卒業論文

出典:『Wiktionary』 (2021/08/02 10:23 UTC 版)

名詞

そつぎょうろんぶん

  1. 卒業をするための論文

発音(?)

そ↗つぎょーろ↘んぶん

類義語

翻訳


「卒業論文」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。



卒業論文と同じ種類の言葉


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「卒業論文」の関連用語

卒業論文のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



卒業論文のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの卒業論文 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの法学部 (改訂履歴)、黒田成幸 (改訂履歴)、有坂秀世 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。
Text is available under Creative Commons Attribution-ShareAlike (CC-BY-SA) and/or GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblioに掲載されている「Wiktionary日本語版(日本語カテゴリ)」の記事は、Wiktionaryの卒業論文 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、Creative Commons Attribution-ShareAlike (CC-BY-SA)もしくはGNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2024 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2024 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2024 GRAS Group, Inc.RSS