美術コレクション愛用品などとは? わかりやすく解説

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美術コレクション・愛用品など

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/12 23:45 UTC 版)

川端康成」の記事における「美術コレクション・愛用品など」の解説

川端は、古美術蒐集家として知られているが、小学校時には画家になろうと考えたこともあり、絵に対す造詣も深い。また、自らも書を嗜み日本棋院内にある対局部屋幽玄の間」にある川端の筆による書『深奥幽玄』の掛軸をはじめ、いくつもの書を遺している。蒐集古美術だけでなく、古賀春江キスリング石本正梅原龍三郎熊谷守一無名新人画家だった草間彌生の『雑草』『不知火』なども買い、近代絵画コレクションしている。また、夏目漱石五言絶句北原白秋自作歌、田山花袋七絶詩、武者小路実篤自作絵画芥川龍之介書簡室生犀星宛て)、友人だった横光利一の書など、作家直筆物も収集していた。書や絵には人格や魂がこもると考えていた川端美術品について以下のように語っている。 美術品、ことに古美術見てをりますと、これを見てゐる時の自分だけがこの生につながつてゐるやうな思ひいたします。(中略美術品では古いものほど生き生きと強い新しさのあるのは言ふでもないことでありまして、私は古いものを見るたびに人間過去へ失つて来た多くのもの、現在は失はれてゐる多くのものを知るのであります。 — 川端康成反橋川端書斎机上には、手慰みにするための小型美術品置かれていた。なかでもロダン小品彫刻女の手』と、平安時代後期密教法具金銅三鈷杵』(こんどうさんこしょ)は常に身近に置き、生涯手放すことがなかった。川端ロダンの『女の手』について、〈女の手であるのに、このロダンの手から私はやはり横光君の手を思ひ出した〉と語り横光亡くなる何日か前の手想起しながら、〈ひどく衰へて寝てゐた横光氏は手で思考表現とを助けようとするかのやうであつた〉と説明している。 1958年昭和33年11月から翌年4月まで胆石入院していた際には、病院から初め外出したクリスマス・イブの日に古美術店へ行き、〈聖徳太子日本キリストではないか使徒ではないかと言い、『聖徳太子立像南無仏太子像太子2歳像)』を買って病院戻り退院まで枕元置いて眺めていたという。 中国磁器汝州の『汝官窯青磁盤』を川端手に入れた時の次のような挿話がある。この青磁盤は古美術商・繭山龍泉堂の人が月例入札掘り出し出品者業者もそれとは知らずに、色が似ているころから高麗青磁だと思って普通の皿と3枚重ねていたのを安く落札したもので、繭山龍泉堂の人も汝官窯青磁実物はむろん見たことがなく一応落札していたものを、川端がすぐ店で見染て安く買ったという。その後、この皿が本物の『汝官窯青磁盤』で日本には3点しかないものだと確認された。ところが川端その後、『埴輪 乙女頭部』が欲しくなった際に金がなく、悩んだあげくに『汝官窯青磁盤』と交換してしまった。 浦上玉堂代表作凍雲篩雪図』は、川端1950年昭和25年)に広島長崎慰問視察した帰り京都立ち寄り手に入れたそれ以前入手した与謝蕪村池大雅合作十便十宜と共に川端入手後に国宝指定され逸品である。浦上玉堂について川端は、〈私にはすこぶる近代的なさびしさの底に古代静かさのかよふのが感じられて身にしみる〉として、『凍雲篩雪図』には〈凍りつくやうなさびしさがありさうですけれども、それが日本でいろいろ救はれてゐるところもありさうです〉と語っている。 愛用品時計には、ウォルサムがあり、「リバーサイド」という懐中時計自分の姓「川端」との縁を感じていたと言われている。カメラ戦前購入したコンタックス愛用し旅先などで多くスナップ写真撮影している。 川端旧蔵品 浦上玉堂凍雲篩雪図』(川端康成記念国宝) 『十便十宜』のうち「釣便」(池大雅筆)(川端康成記念国宝雪舟黄初平図』京都国立博物館重要文化財>

※この「美術コレクション・愛用品など」の解説は、「川端康成」の解説の一部です。
「美術コレクション・愛用品など」を含む「川端康成」の記事については、「川端康成」の概要を参照ください。

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