統領ナポレオンとは? わかりやすく解説

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統領ナポレオン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/15 04:54 UTC 版)

ナポレオン・ボナパルト」の記事における「統領ナポレオン」の解説

統領政府第一統領第一執政)となり政権の座に就いたナポレオンであるが、内外問題山積していた。まずは第二次対仏大同盟包囲されフランス窮状打破することが急務であった。 まず、イタリアの再獲得目指した。当時イタリアへ進入路は、直接フランスからトリノに向かう峠道地中海沿いリグーリア州2つ有名な峠道ジェノヴァ方面4つが主であったが、これらは既に1794年1795年1796年戦役での侵攻作戦使用していたため、ナポレオンアルプス山脈グラン・サン・ベルナール峠越えて北イタリアに入る奇襲策をとった。これによって主導権奪って優位に戦争進めたが、緒戦大勝のあと、メラス将軍率いオーストリア軍一時見失って兵力分割したことから、不意に大軍遭遇して苦戦を強いられる。しかし別働隊戻ってきて、1800年6月14日マレンゴの戦いにおいてオーストリア軍劇的に勝利した別働隊の指揮官でありナポレオン友人であったドゼーはこの戦闘亡くなった12月には、ドイツ方面ホーエンリンデンの戦いモロー将軍率いフランス軍オーストリア軍大勝した翌年2月オーストリアリュネヴィルの和約に応じてライン川左岸フランス割譲し北イタリアなどをフランス保護国とした。この和約をもって第二次対仏大同盟崩壊しフランスとなおも交戦するのはイギリスのみとなったが、イギリス国内の対仏強硬派失脚宗教労働運動問題、そしてナポレオン率いフランスとしても国内統治安定力を注ぐ必要を感じていたことなどにより、1802年3月にはアミアンの和約講和成立したナポレオン内政面でも諸改革行った全国的な税制度、行政制度整備進めると同時に革命期に壊滅的な打撃受けた工業生産力の回復をはじめ産業全般振興に力を注いだ1800年にはフランス銀行設立し通貨経済安定図った1802年には有名なレジオンドヌール勲章創設さらには国内法整備にも取り組み1804年には「フランス民法典」、いわゆるナポレオン法典公布した。これは各地残っていた種々の慣習法封建法を統一した初の本格的な民法典で、「万人法の前の平等」「国家世俗性」「信教の自由」「経済活動の自由」などの近代的な価値観取り入れた画期的なものであった教育改革にも尽力し公共教育法」を制定している。また、交通網の整備精力的に推進したフランス革命以後敵対関係にあったカトリック教会との和解目指しナポレオンは、1801年教皇ピウス7世との間で政教条約コンコルダート)を結び、国内宗教対立緩和した。また革命亡命した貴族たちの帰国許し王党派ジャコバン派といった前歴問わず有能の士を軍や行政に登用し政治的な和解推進した。その一方で体制を覆そうとする者には容赦せずに弾圧したナポレオン統領政府第一統領となったときから彼を狙った暗殺未遂事件激化し1800年12月には王党派による爆弾テロ起きていた。そして、それらの事件果て起こった1804年3月フランス王アンギャン公ルイ・アントワーヌ処刑は、王を戴く欧州諸国の反ナポレオン感情呼び覚ますのに十分であったナポレオン陣営相次ぐ暗殺未遂への対抗から独裁色を強め帝制への道を突き進んで行くことになる。 さらに、フランス産業復興し市場となる衛星国保護国への支配整備進められる一方でかねてより争いのあったイギリスもまた海外へ市場覇権争いから引くわけにはいかなかった。既に1803年4月にはマルタ島管理権めぐってフランスイギリスの関係は悪化しており、5月ロシア皇帝アレクサンドル1世による調停失敗前年締結したばかりのアミアンの和約イギリスによって破棄され英仏両国講和からわずか1年で再び戦争状態に戻ろうとしていたのであるこうした国内外情勢のなか、ナポレオンは自らへの権力集中によって事態推し進めることを選び1802年8月2日には1791年憲法改定して自らを終身統領終身執政)と規定した

※この「統領ナポレオン」の解説は、「ナポレオン・ボナパルト」の解説の一部です。
「統領ナポレオン」を含む「ナポレオン・ボナパルト」の記事については、「ナポレオン・ボナパルト」の概要を参照ください。

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