累進レンズとは? わかりやすく解説

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るいしん‐レンズ【累進レンズ】

読み方:るいしんれんず

累進焦点レンズ


累進レンズ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/14 21:48 UTC 版)

眼鏡」の記事における「累進レンズ」の解説

1枚レンズ上で異な目的距離にあわせた異な度数持った部分作りその間徐々に度数変化する面(累進帯)で結んだレンズ総称度数変化下記多重焦点のような段階的ではなく累進的に変化するので累進レンズと呼ばれる一般には「境目のない両用レンズ」などと呼ばれることが多い。 累進レンズの種類はいくつかあり、使用目的合わせて遠近レンズ・中近レンズ・近々レンズ呼ばれる事が一般的で、各個人のニーズや目の使い方年齢合わせて種類度数選択する。またレンズグレード一般的なものから上級グレードまで存在する一般向けではレンズ表側度数変化曲面付けた外面累進が多いが、上級グレードは累進レンズの特性上の問題軽減するため、レンズの裏側で度数変化させる曲面付けた内面累進や非球面累進多く、高加入度数場合上級グレード選択強く推奨される遠近レンズ遠く見ている時間長い目使い方適したレンズで、近距離用(通常30cm~50cm前後)・中間距離用(通常50cm~1m前後)の視野比較的狭い代わりに常用して屋外歩行や運転等でも使用できるよう、レンズ上部遠距離用度数の視野広く作られている。 中近レンズ室内でのデスクワーク読書手作業等の近距離作業時間長い目使い方適したレンズで、遠距離用の視野レンズ最上部の狭い範囲限定される代わり手元PC等の近距離用から中間距離用の視野遠近レンズよりも広く作られている。一般的な中近レンズは、会議打ち合わせなどに必要な最低限遠距離視野はあるが、レンズの上下の真ん中付近中間距離にピントが合う様に作られているため、屋外での使用には適さない。ただ、装用慣れれば掛けたままで階段以外での屋内での歩行ある程度は可能である。 近年、中近レンズ分類される物の中でも装用慣れれば運転を除いた屋外使用が可能とされたレンズがあり、いわば遠近レンズと中近レンズ中間的な性格レンズもある。 近々レンズ近距離作業主目的としたレンズで、レンズ下部大きく近距離用度になっており、レンズ上部中間距離用の度数になっている。中近レンズ違い遠距離用度数の部分はない。特に近距離用の視野が中近レンズよりもさらに広く座った状態での遠距離見ない長時間デスクワーク読書手作業等に適している。近距離単焦点レンズ、すなわち一般に言う老眼鏡奥行き方向明視域の狭さを、ある程度改善したものと言える歩行には適さない。 累進レンズはその特性上、レンズ中央でない周辺部では像のゆがみやぼやけを伴い明視できる視野が普通のレンズ比べて狭くまた下部が累進的かつ段階的に老視用の度数になっているため、視野揺れて感じたり、遠近感などが狂いやすい、足下ぼやけるなどの現象もある。加入度数が強いほどこの特性はより顕著になる。そのため、自然体姿勢でいると、階段段差のある場所では踏み外しよろめきなどで転倒転落などのおそれや、人通りの多い箇所では歩行中、他の歩行者との接触衝突なども起きやすいなど、特有のリスクもあるため、使用時にはレンズ周辺部視線入らないようにする、視線使い分け十分に行えるようにするなどの注意が必要である。 また遠部と近部はあごの上下などで最適な明視域を調整する必要があるため、不自然な姿勢になりやすく身体的負担増大する食事どのように俯き加減姿勢近用部がほしい場合などには視線合わないなど、姿勢角度によっては非常に見づらくなるなどの問題点もあるので、状況によっては遠用時には普通レンズ眼鏡掛け替える、あるいは近用頻度が多い、または近用時の時間比較長い場合一時的に眼鏡を外すか、より近距離特化した累進レンズや単焦点老眼鏡掛け替えるなどの必要がある場合もある。 さらに自動車などの運転時には直接目視の時などに肝心な方向がぼやけやすく、そのためあごを大きく引く、あるいは眼鏡をやや下向き掛けて近用部に視線入らないようにするなどの工夫必要な場合もあり、特に夜間ミラー後退時安全確認見づらい場合もあるので注意が必要であり、このため軽自動車普通乗用車など、普通免許で運転可能な範囲のものであればそう大きな問題はないが、中型大型免許適用範囲である大型四輪車の運転や、重被牽引車牽引して運転する場合では遠近両用などの累進レンズの使用はなるべく避け、普通レンズ近視用などに処方され眼鏡装用が望ましい。 そうした事からそれらの特性への「慣れ」が必要である。遠用度数加えられる老眼用の度数加入度数といい、正視老眼鏡でいう適正な度数相当するが、遠近両用の累進レンズの場合老眼初期症状が出る40歳代前半のうちか掛け始めると、加入度数概ね1.5D以下程度それほど大きくない場合が多いので累進レンズの特性比較慣れやすいが、ある程度老眼進行する40歳代終わりから50歳代以降から掛け始めると、加入度数概ね2.0D以上と大きくなる場合が多いので累進レンズの特性慣れにくくなり、むしろ使いづらい場合出てくる。レンズ処方される場合生活様式などを配慮して慎重に度数などを決める、中近もしくは近々などのレンズ場面に応じて使い分けるなどの必要が出てくる場合もある。また加入度数が2.0Dを超える場合内面累進などの上グレードレンズ選択推奨され小さめフレーム避けた方がよい。どうしても累進レンズの特性慣れない場合は累進レンズの使用断念し後述多重焦点レンズ使用考えるか、単焦点遠用近用中距離用などの眼鏡作り、面倒ではあるが掛け替える方法以外選択肢はない。元の近視遠視乱視などの度数が相当強い場合や、左右度数差が概ね2.0D以上ある不同視場合も同様である。 ただし、元の近視遠視が強いほうがむしろ遠近両用レンズ慣れやすいとする見解もある。理由としては、元の近視が強い場合にはレンズ通した像の大きさ違い歪み慣れていることが挙げられる。元の遠視が強い場合には、遠近両用眼鏡によって得られる利便性が高いことが挙げられる。つまり、遠視弱けれ遠く裸眼で見ることにして必要時のみ単焦点老眼鏡をかけることでも老眼対処できるが、遠視が強い人が単焦点眼鏡だけで老眼対処するとしたら2本の眼鏡持ち歩いてかけ替える必要がある遠視の強い人は単焦点から遠近両用レンズにすることで持ち歩く眼鏡を1本にできるので遠近両用レンズ利点大きというわけである。

※この「累進レンズ」の解説は、「眼鏡」の解説の一部です。
「累進レンズ」を含む「眼鏡」の記事については、「眼鏡」の概要を参照ください。

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