第二世代の直線翼を備えたストレッチモデル
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/03/28 06:47 UTC 版)
「セスナ サイテーション」の記事における「第二世代の直線翼を備えたストレッチモデル」の解説
サイテーション S/II (Model S550 Citation S/II) 1984年初飛行。S/IIはSpecial IIの略。サイテーションIIの巡航性能を向上に主眼を置いて主翼を改良したモデル。サイテーションIIをベースに、エンジンを換装することなく(燃料消費を増大することなく)FL350をM0.70で巡航可能にするというのが開発目標であった。そのために主翼まわりの空力効率化が行われた。翼断面を高速域での抵抗を減じるように修正、翼根付近の捩じり下げを調整とエンジンパイロン形状変更しエンジンカウル周辺の抵抗を低減、主翼上面部品の加工技術の見直しによる主翼表面の平滑度向上、エルロン・フラップ・スポイラーのシール方法を見直した。主翼前縁の除氷装置は、従来のゴムブーツ式からグリコール除氷装置(TKS社製)に変更、これはチタン製の主翼前縁にレーザー加工された微小穴からグリコール液を圧流させることによって除氷するもので、金属パネルを主翼前縁にフラッシュマウント可能な為、抵抗を減じることができる。(主翼根元部分は、エンジンへの氷吸込防止のためブリードエア防氷)主翼取付部のフェアリングの形状を改め、誘導抵抗を低減すると同時にフェアリング内の空間を燃料タンク(630lbs)として活用している。これらの構造的変更と搭載燃料増加により離陸重量は16000lbsに増加したが、フラップを効率向上させ大型化することで離着陸性能を犠牲にしていない。操舵関係では一歩進んだ装備がなされ、フラップ展開によるトリム変化(nose down)補正のための自動メカニカル・トリム・アジャスト、エルロンとラダーの機械連動(spring inter connect)、ボブウエイトによる人工的な舵感調整、低速域でのストールマージン増加のためのスッティック・シェイカー、などを備えている点がサイテーションIIと異なる。エンジンはP&W社製JT15D-4B 2500lbs each。 サイテーション V(英語版) (Model 560 Citation V) 1987年初飛行。型式証明1988年。1989年引渡し。サイテーションS/IIの胴体を0.6m延長(キャビン長5.5m)し、座席数はサイテーションS/IIと変わらない(8席)ため、胴体の延長分だけ足もとのスペース余裕が増えている。エンジンはP&W社製JT15D-5A(推力は360kg増加1,315kg)し、巡航速度は790km/hへ向上。運用高度限界13,500m。主翼はS/IIから受け継いだものだが、後期型ではブリードエアによる前縁防氷に変更。JT15D-5Aエンジンを搭載 サイテーション・ウルトラ (Model 560 Citation Ultra) 1994年。サイテーション Vの改良型、サイテーション Vを基本として機体外形は変わらないが全面的に設計を見直し、キャビン、操縦系統、計器盤などの全てが改良されている。エンジンはJT15D-5Dに換装、推力が1,380kgに増加し、巡航速度と航続性能が向上している。「ベスト・ビジネスジェット」と評価された[誰によって?]。 サイテーション・アンコール (Model 560 Citation Encore) 1998年初飛行、型式証明1999年、2000年引渡。価格は688万ドル。ウルトラより30万ドル高い。アンコールはウルトラを基本とし、効率の良い新世代のエンジンPW535Aへ換装することによって、より少ない燃料(推力10%増、燃料消費率16%低減)で長い航続距離(VFR 1,850km、IFR 3,150km)が可能になった。高効率化によって燃料搭載量(2,637kg→2,403kg)を減らし、その分ペイロードを増加することが可能になった。機体構造は変更がないので着陸重量は不変であるが、出力向上の恩恵で最大離陸重量は150kg増加し、満タン時のペイロードは110kg増加している。高度13,700mまでの上昇時間は31分。トレーリングリンクのランディングギアを搭載。 サイテーション・アンコール+ (Model 560 Citation Encore+) FADECを搭載しアビオニクスを再設計したアンコールの改良型。サイテーションジェットCJシリーズが次第に大型・高性能化し、CJ4ではサイテーション・アンコールを超える性能とキャビン容積となったため製造販売が終了する可能性がある。 読売新聞社と日本テレビ放送網が共同購入し、「みらい」と命名、共同運行取材機として運用している。この機体は日本で最初にRNAV飛行を行なった。。
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