第三セクター方式での建設再開とは? わかりやすく解説

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第三セクター方式での建設再開

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/14 15:52 UTC 版)

北越急行ほくほく線」の記事における「第三セクター方式での建設再開」の解説

鍋立山トンネル」も参照 国鉄再建法では、建設中断され地方鉄道新線について、地元第三セクター会社設立して引き受けることが可能であると定めていた。岩手県三陸鉄道のように、早々にこの方針で動き出して第三セクターでの開業果たした鉄道もあった。しかし北越北線については、鉄道経営への不安があったことに加えて新潟県出身田中角栄元首相が「北越北線だけは特別に貨物幹線してやらせる」と発言していたことなどもあり、沿線自治体第三セクター化興味を示さなかった。だが結局北越北線国鉄新線として工事再開されることはなかった。 1983年昭和58年6月22日東京開催され北越北線建設促進期成同盟総会に突然田中角栄出席しそれまで国鉄での建設再開考え撤回した上で第三セクターでの引き受け案を持ち出した。この提案は突然のことであり、沿線自治体関係者困惑させた。当時君健男新潟県知事第三セクター化に慎重であったが、期成同盟会長諸里正典十日町市長は田中元首相動き呼応して第三セクター化目指し独断で国や公団との接触開始した沿線の他の市町村は、こうした諸里市長独断専行に不満を持っていたとされる。 「プロ国鉄がやってもダメなものを、素人の県や市町村がうまくやれるはずがない」として慎重であった知事は、第三者コンサルタント入れて経営分析を行わせ、また第三セクター化越後湯沢 - 六日町間と犀潟 - 直江津間での国鉄への乗り入れを行うことを条件としてつけた。コンサルタントも、秋田内陸縦貫鉄道秋田内陸線に対して永久に黒字転換する見込みがない」と厳し診断下した会社依頼した。ところが新潟県予想反しコンサルタントは「5年単年度黒字10年累積黒字」との報告書出し、また国鉄直通運転了承した。こうして梯子外され格好となった新潟県は、第三セクター化推進方針転換することになった裏側では、田中元首相政治力背景に諸里市長立ち回り、君知事政治的に追い込んだ、と伝えられている。こうして1984年昭和59年8月30日北越急行株式会社設立され1985年昭和60年2月1日鉄道事業免許取得し3月16日工事再開された。 第三セクター鉄道として建設再開するにあたり建設計画修正された。気動車による1両または2両編成程度想定最大4両編成とし、旅客輸送のみに限定することになった。これにより全体プラットホーム待避線有効長短縮され頸城大島駅ほくほく大島駅)の交換設備省略されることとなったまた、上下列車待避線への同時進入考慮しないこととし安全側線省略された。JR線接続する六日町十日町犀潟駅配線大幅に変更され、特に十日町飯山線との平面交差から立体交差修正された。橋梁設計活荷重については、国鉄時代にはKS-16荷重想定していたが、旅客のみに改められたこともあり、第三セクター化以降建設される場所についてはKS-12荷重採用することになった。また新座(しんざ)、顕聖寺うらがわら)、大池大池いこいの森)の各駅が要望駅として追加になったいずれも当時仮称カッコ内は開業時駅名)。 建設において最大ネックとなったのは路線のほぼ中央にある鍋立山トンネルであった鍋立山トンネル工事中時点中央部645メートルの未掘削区間残されており、1986年昭和61年2月24日掘削再開されたが、極度膨張性地山のため、当初中央導坑先進工法先に中央部導坑掘削する工法)では強大な土圧により支柱座屈するなどの問題生じた続いてトンネルボーリングマシンTBM)を導入したが、これも掘削中に土圧により発進地点より手前まで押し戻されてしまう事態となったその後薬液注入や、最終的に手掘り実施するなど、実に29工法駆使された。1992年平成4年10月29日にようやく先進導坑貫通し1995年平成7年3月7日掘削完了11月7日竣工となり、これにより開業めどが立つことになった結果的にこの区間には10年余り歳月146億円の工費投入されることとなり、のちにほくほく線開業左右したのは政治でも採算上の数値でもなく、鍋立山トンネル工事であった評された。

※この「第三セクター方式での建設再開」の解説は、「北越急行ほくほく線」の解説の一部です。
「第三セクター方式での建設再開」を含む「北越急行ほくほく線」の記事については、「北越急行ほくほく線」の概要を参照ください。

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