研究対象と資料とは? わかりやすく解説

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研究対象と資料

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/03 05:07 UTC 版)

民俗学」の記事における「研究対象と資料」の解説

生活(衣食住民具風習家族制度社会制度通過儀礼社会集団生業産業四季行事、まつり、遊技競技娯楽説話歌曲俗諺伝説お伽話俗曲俗謡、諺・謎、諺詩・俚諺信仰神道仏教霊魂来世妖怪変化予兆卜占魔術病気民間療法) 上に掲げた伝承されてきたさまざまな民俗事象が、民俗学の研究対象として説明されることが多いが、ドイツ民俗学者ハンス・ナウマンHans Naumann)は、民俗学の研究対象を「基層文化」すなわち、表層文化に対して、素集団的、また類型的な日常的生活文化伝承性の濃厚な文化としている。いずれにせよ、上に掲げたそれぞれは、民俗学における基本的な資料となっており、その意味から民俗資料称される詳細は「民俗資料」を参照民俗資料」の語の使用は、柳田國男最初であり、折口信夫用いているが、2人とも当初からはっきりした規定をしているわけではなかった。ただし、柳田は『民間伝承論』のなかで、 目に映ずる資料<体碑>…たとえば研究者旅行途中でも観ようとすれば可能な、形をとった事物行為伝承 耳に聞こえ言語資料口碑>…多少とも地元言葉通じて、耳を働かさなければつかみ得ない口頭伝承言語芸術心意感覚訴えてはじめて理解できる資料<心碑>…旅人ではつかむことの不可能な同郷人、同国人の感覚によらなければ理解できない類の心意伝承。 という三分法類別提示しており、さらにこれを、1.有形文化・生活技術誌―旅人の学、2.言語芸術口承文芸寄寓者の学、3.生活解説・生活観念・生活の諸様式同郷人の学、というように趣旨説明している。 いっぽう折口は、 周期伝承年中行事階級伝承老若制度性別職業生得による区別造形伝承 行動伝承舞踊演劇言語伝承(諺・歌謡伝説説話) という民俗資料の分類をおこなっている。 はば広く民俗資料」の語が一般に定着し明確な概念規定法令なされたのは、1954年昭和29年)の「文化財保護法」の第一次改正において「衣食住生業信仰年中行事に関する風俗慣習及びこれに用いられる衣服器具家屋その他の物件わが国民の生活推移理解のため欠くことのできないもの」として文化財ひとつとして保護対象となって以来であった以後文化庁文化財保護部(現在の文化財部)によって「無形の民俗資料記録」なども編まれる至っている。 「民俗資料」の名称とともにそのなかで資料価値の高いものが文化財となって保護対象となりうることの了解社会広がり今日では文化財の分類名称としての「民俗資料」は「民俗文化財」と改称されている。その一方で現代では、文化財指定有無とは関係なく、民俗学において、庶民生活史推移理解のために必要な伝承資料全般民俗資料呼称している。

※この「研究対象と資料」の解説は、「民俗学」の解説の一部です。
「研究対象と資料」を含む「民俗学」の記事については、「民俗学」の概要を参照ください。

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