江戸歌舞伎の宗家としてとは? わかりやすく解説

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江戸歌舞伎の宗家として

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/03 16:50 UTC 版)

市川團十郎 (9代目)」の記事における「江戸歌舞伎の宗家として」の解説

九代目は、荒事から和事立役から女形と、幅広い役柄をこなし、舞踊秀で、その所作口跡優れたのだった『仮名手本忠臣蔵』大星由良助、『勧進帳』の弁慶、『博多小女郎浪枕』の毛剃、『暫』の鎌倉権五郎、『助六所縁江戸櫻』の花川戸助六、『天衣紛上野初花』の河内山宗俊『侠客春雨傘』大口屋暁雨、『菅原伝授手習鑑』の菅丞相松王丸武部源蔵、『一谷嫩軍記』の熊谷直実、『増補桃山譚』の加藤清正、『伽羅先代萩』の仁木弾正政岡荒獅子男之助、『鏡山旧錦絵』の岩藤、『本朝廿四孝』の八重垣姫、『妹背山婦女庭訓』の大判事お三輪、『鬼一法眼三略巻菊畑』の鬼一舞踊では『鏡獅子』『素襖落』など、当り役数多い。これらの演目のほとんどで、九代目完成した型が今日演出の手となっている。 見た目派手さよりも内面性を重視した演技で、役になりきるばかりか、その精神までを押さえた写実的な巧さには 多く逸話証言がある。一例あげれば多く舞台同じくした中村助の証言に、五代目五郎殿様役で出ても、あくまで芝居流に頭を下げるが、團十郎殿様出て「『皆の者毎日出仕大儀ぢやなう』と言葉かけられると、これは何だか、本当のご主君に礼を言って貰ったやうな心地がして、『ハゝア』と自然に頭が下がる。」というのが残されている。 謹厳実直性格だが、釣り唯一の趣味とし、そのために別荘茅ヶ崎置いた程である。それでも釣り服装白木綿の手脚絆目ばかり頭巾定め船中でも背筋伸ばして釣りをするなど芸の修養として見ていた。船に乗り合わせた弟子たち思い思い姿勢釣りをしていると「針一つ垂れるにも、端座なければお前たち姿勢侮るぜ。舞台に立つ時も同じだ。踊るにも釣りをするにも、その姿がきちんとしてなければ、その芸も君たち心のままにならないよ。気をつけなさい。」と説教した晩年そのほかに猟銃による撃ち趣味加わったらしく、茅ヶ崎別荘預けられた丑之助時代六代目五郎が、團十郎猟銃勝手に持ち出して雁を仕留め、それがばれて大目玉を喰らったが、説教最後に「ところで、その雁はどこにいた?」と聞かれたという、ユーモラスなおちが伝わっていた。 なお九代目五代目五郎つとめた紅葉狩』は記録映画残され今日でもその芸を見ることができる。 九代目團十郎五代目五郎はともに1903年明治36年)に死去した團十郎最後の舞台同年5月歌舞伎座福地桜痴作『春日局』の春日局家康二役。9月13日午後3時15分持病腎不全による尿毒症肺炎併発し茅ヶ崎別荘孤松庵にて死去市村家橘15市村羽左衛門襲名披露興行が翌10月歌舞伎座予定されており、團十郎口上のほか、「一谷嫩軍記」の熊谷痴の新作活歴小楠公」に出演予定であったが、ついに再起はならなかった。なお、通夜の際、デスマスク制作がます夫人1931年没)に許可されなかったため、代わりに急遽洋画家長原止水ガラス張り越し死に顔スケッチし、それが後日三木竹二主催演劇雑誌歌舞伎」の口絵飾ったほか、死装束横たわった團十郎を、五代目五郎ほか先に死んだ多く先輩後輩友人芸界関係者の霊が迎え来ている構図の「死絵」も発売された。葬儀川上音二郎一切取り仕切り関係者感謝された。墓所青山墓地にある。

※この「江戸歌舞伎の宗家として」の解説は、「市川團十郎 (9代目)」の解説の一部です。
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