民営化推進委員会の設置
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「道路関係四公団」の記事における「民営化推進委員会の設置」の解説
2002年(平成14年)6月7日に成立した道路関係四公団民営化推進委員会設置法に基づき、同年内閣府に道路関係四公団民営化推進委員会が設置され、民営化の具体的検討を進めた。委員には当初、今井敬(日本経済団体連合会名誉会長・新日本製鐵代表取締役会長)、中村英夫(武蔵工業大学教授)、松田昌士(東日本旅客鉄道会長)、田中一昭(拓殖大学政経学部教授・元行政改革委員会事務局長)、大宅映子(評論家)、猪瀬直樹(作家・日本ペンクラブ言論表現委員長・東京大学客員教授)、川本裕子(マッキンゼー・アンド・カンパニーシニア・エクスパート)らが任命され、第一回会合にて委員長に今井、委員長代理に田中が選任された。 委員会は同年12月6日、民営化後の新たな組織のあり方、今後の道路建設、関連公益法人、ファミリー企業の改革・管理コストの削減等について意見書を取りまとめ、内閣総理大臣の小泉純一郎に提出した。意見書では「約40兆円に達する道路関係四公団の債務を国民負担ができる限り少なくなるよう長期固定で確実に返済していくことを第一優先順位とするとともに、民営化の果実を国民に還元するため、民営化と同時に弾力的な料金設定等による料金引き下げやサービスの向上が実現するような、国民全体にメリットのある改革を実現するのが民営化の目的であり、本委員会が達成すべき目標」とされた。 意見書では民営化後の組織について、四公団の道路資産と対応する長期債務を一括して継承する保有・債務返済機構(仮称)を設立し、パーキングエリア等の資産を承継して発足した新会社が機構から道路資産を借り受け、貸付料を支払う形態で構築するとした。また、新会社は当初国が全株式を保有する特殊法人として発足し、発足後10年を目処に機構から道路資産を買い取り、早期に上場して国が保有する全株式の売却を目指す、機構は道路資産の譲渡と同時に解散することとした。 地域分割については、 東日本(北海道、東北地方、新潟県、東京都と神奈川県を除く関東地方、長野県北部)、拡大首都高速(首都高速道路、第三京浜道路、横浜新道、京葉道路、東京湾アクアライン等) 中日本(東海4県の東名高速道路・名神高速道路・中央自動車道全線、東京都、神奈川県、山梨県、長野県南部、滋賀県南東部、京都府南部)、拡大阪神高速(阪神高速道路、近畿自動車道、阪和自動車道、関西空港自動車道、名神高速道路の一部等) 西日本(中日本・阪神の管轄区域を除く近畿地方、北陸3県、中国地方、本州四国連絡道路、四国地方、九州地方、沖縄県) 首都高速道路(首都高速道路公団) 阪神高速道路(阪神高速道路公団) の5社分割とする考え方を示した。 委員会から意見書の提出を受けた第1次小泉第1次改造内閣は、12月17日「道路関係四公団、国際拠点空港及び政策金融機関の改革について」閣議決定を行い、建設コストの削減等といった直ちに取り組むべき事項、2003年度(平成15年度)予算に関する事項、今後検討すべき課題等を整理した上で、民営化の具体化に向け検討を進めることとした。 2003年(平成15年)3月25日に開催された、第3回道路関係四公団民営化に関する日本国政府・与党協議会では、道路関係四公団民営化に関し、コスト削減計画の策定、関連法人の抜本的見直し、公団における民間経営ノウハウの導入といった事項に直ちに取り組む方針が決定された。
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