次郎長一家
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/19 08:40 UTC 版)
清水次郎長 清水一家の大親分。自ら喧嘩に赴くのは一家の敵討ちのみ、いさかい・揉め事は極力手打ちと守りに勤める姿勢、来るものは拒まずの人柄で人望を集め多くの組を吸収、傘下にし縄張りを広げていく。後に維新志士らと酒を汲み交わし日本の状況を知っていく内に一家同士の縄張り争いに嫌気が差し、政治経済に目を向けていく。 お蝶 次郎長の幼馴染にして先妻。普通に育ち、渡世における修羅場つづきの激務に耐えられず体を壊し肺炎で死去。 政(大政) 次郎長の剣術指南で槍の達人。浪人で仕官を目指していたが次郎長に惚れ侠客になり、次郎長一家の剣術指南、軍師的な役割もこなす。荒神山では黒駒一家と手打ちにしようとした次郎長に反発し仲間を集め大将になる。 桶屋の鬼吉 尾張の生まれでひどい名古屋弁。桶職人の家に生まれるが跡を継ぐことを嫌がり家出、侠客になる。いかさま博打を見抜いた次郎長に身包み剥がされる所を助けられ次郎長第一の子分になる。出入りの時には必ず自分の桶を作り持って行く。前述のように、田崎潤が演じたいと直訴するなど次郎長、石松に次いで人気があり、作によっては用心棒である剣の達人を倒し大金星を上げるなど好待遇を受ける作品もある。 関東綱五郎 旅の途中で出会った黒目の五丁徳からの喧嘩の使いで来た折、次郎長が自分を斬らずに帰したことを意気に感じ、鬼吉に続く2人目の子分に。次郎長一家で唯一拳銃使い。 法印大五郎 なまぐさ坊主。初登場時、風呂に入っておらずとても臭く飯をおごってくれた恩から子分になる。前から持っていた錫杖で戦う。惚れていた幼馴染がいたが三馬政に寝取られた上女郎屋に売られ、次郎長の好意で身請けしようとしたが、性病で死んでしまい彼を目の敵とする。作によって荒神山で鬼吉を庇って死んでしまう。 森の石松 津川版では両目でどもりがあったが隻眼になるとどもりが直ったと言う設定になっている。上記の通り「石松三十石舟」のシーンは原作にはないがあまりにも有名な場面であるため、どの映像作品にも取り入れられており相手役の江戸っ子は芸達者なベテラン俳優が務めることが多い。 投げ節お仲 次郎長と鬼吉が出会った博打場のつぼ振り。いかさまを見抜かれるもその責を次郎長が尻拭い、逃してくれた恩義に惚れるがお蝶の存在を知り身を引く。お蝶の死後、後妻になり二代目お蝶を名乗る。名前の通り歌を流して旅をしている。史実では明治時代に入り幕府軍の兵士を匿った事で新政府軍に殺された。 追分三五郎 次郎長とお蝶の結婚後、次郎長の元を去ったお仲と共に旅をしていた侠客。お仲を一家に加える事を条件に子分になる。以後目立った活躍、記述は無くお仲が一家に入る橋渡し役の必要により作られた架空の人物と見られる。 政(小政) 大政に次いで剣の腕が立つ。大政と同じく本名が政だったため狛犬に習い小政と名づけられる。 大野の鶴吉 次郎長が大看板になった時期に農民の苦しい生活を逃げて長い者に巻かれるかのようにやってきた侠客。次郎長以外で唯一の妻帯者で恐妻家、剣の腕も無い。ある作品で手打ちの使者になるが、黒駒一家の罠で殺される。史実では、石松の通訳をしていた。 お千 鶴吉の妻で鶴吉を追いかけるようにして一家に入る。お蝶死後からお仲が入るまでの間、一家を切り盛りしたが気が強く、当時における理想の女性像とかけ離れており評判は最悪。ある作品では上記の鶴吉の死を受け入れられず気丈に振舞うも夫を弔うため一家を離れる。 相撲常 元力士で大飯喰らい。次郎長の好意で相撲興行を開催してもらった力士の1人。しかし、親方と喧嘩別れをした結果、親方の圧力で干されてしまい力士を廃業、侠客へと身を崩し次郎長一家に入る。芝居『一本刀土俵入り』に出てくる相撲取り茂兵衛のモデルは相撲常であり、力士時代にお仲のお世話になっている。 三保の豚松 三保の猟師の息子。無鉄砲かつ無謀な性格のせいで敵一家との喧嘩に明け暮れるうち隻眼、隻腕になってしまった。多くの講談で語られる森の石松像は彼が元だと言われている。 増川仙右衛門 大地主の息子。賭場の仕切りに才を見せ、剣の腕も確かな文武両道の侠客。 大瀬の半五郎 石松三十石舟で三番目に剣の腕があると言われている侠客。関東綱五郎と同一の人物ではないかと言われているが真相は定かではない。 奇妙院常之助 広沢虎造の浪曲に名前がある侠客。「常五郎」という表記もある。詳細は不明。 吉良の仁吉 大政らが一時期世話になっていた侠客。器量を見込まれ次郎長の後継者として期待されたが、荒神山の傷が元で病死。
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