次郎法師と井伊氏とは? わかりやすく解説

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次郎法師と井伊氏

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/09 09:53 UTC 版)

井伊直虎」の記事における「次郎法師と井伊氏」の解説

次郎法師遠江井伊谷城主(国人)の井伊直盛の娘として誕生。母は新野親矩の妹・祐椿尼生年定かではないが、天文5年1536年前後誕生したではないかとする説がある。幼名俗名不明。父・直盛に男子がおらず、直盛の従兄弟にあたる井伊直親婿養子迎え予定であった天文13年1544年)、今川氏与力小野政直讒言により、直親の父・井伊直満が弟の直義と共に今川義元への謀反疑いかけられ自害させられ直親井伊家領地から脱出して武田領の信濃逃亡した井伊家では直親の命を守るため、所在生死秘密となっていた。許嫁であった直虎龍泰寺(のちの龍潭寺)で出家し次郎法師次郎法師井伊氏二つ惣領名を繋ぎ合わせたもの)を名乗った直親弘治元年1555年)に復帰して直盛の養子となるが、一族奥山朝利の娘・おひよを正室迎えたため、直虎婚期逸することになったとされる永禄3年1560年)の桶狭間の戦いにおいて父・直盛が戦死養嗣子としてその跡を継いだ直親は、永禄5年1562年)に小野道好(政直の子)の讒言によって今川氏真殺された。直虎一族に累が及びかけたところ、母・祐椿尼の兄で伯父にあたる新野親矩擁護により救われた。永禄6年1563年)、曾祖父井伊直平今川氏真命令天野氏犬居城攻め最中急死永禄7年1564年)には井伊氏今川氏従い引間城攻めて新野親矩重臣中野直由らが討死し、家中支えていた者たちも失った井伊家菩提寺である龍潭寺住職南渓瑞聞により、直親の子・虎(のちの井伊直政)は鳳来寺移された。永禄8年1565年)、『井伊家伝記』に「次郎法師は女こそあれ井伊家惣領に生候間」とあるよう次郎法師井伊家当主となった直親らの死去により、次郎法師しか後継者がいなかったのであるため、直盛の未亡人龍潭寺南溪和尚相談の上、「女地頭」を誕生させた。次郎法師井伊直虎同一人物とする説に従えば、このとき還俗して次郎直虎」と名を変えたことになる。 永禄8年9月15日龍潭寺への寄進状次郎法師黒印を捺して寺領確認した自分の家菩提寺ではあるが公的な印判状出し書き止め文言が「仍如件」とあるので領主として領域支配取り組んでいた。また翌年11月には次郎法師の名で、祖父直平菩提を弔うために川名福満寺に鐘を寄進している。 永禄9年1566年)、今川氏真井伊谷一帯井伊谷都田川)に徳政令出しているが、2年実行されなかった。これは井伊氏が氏真の徳政はねつけていたためとされるが、永禄11年1568年)ついに徳政令発動踏み切らざるを得なくなった11月9日付け蜂前神社徳政実施伝えた判物には、今川家重臣関口氏経連署して「次郎直虎」の署名があり、本文書が「井伊直虎」の存在を示す唯一の発給文書となっている。この背景には、直虎債権主である銭主方と結託して徳政施行しようとはせず、農民今川氏頼り徳政実施迫っていた状況がある。すなわち、直虎銭主方による徳政令拒否派と、井伊氏家老小野道好と結ぶ祝田禰宜徳政令要求派の対立があり、この状況今川氏にとって井伊家介入する絶好機会となったといえる小野道好専横続き永禄11年1568年)には居城井伊谷城奪われてしまうが、小野専横反旗を翻した井伊谷三人衆近藤康用鈴木重時菅沼忠久)に三河国徳川家康加担し家康の力により実権回復した元亀元年1570年)には家康嘆願し家康は道好の直親への讒言咎め処刑する。しかし、元亀3年1572年)秋、信濃から武田氏侵攻し居城井伊谷城武田家臣・山県昌景明け渡し、井平(伊平)城の井平直成仏坂の戦い敗死すると、徳川氏浜松城逃れたその後武田氏対した徳川織田連合軍三方ヶ原の戦い野田城の戦いまで敗戦重ねたが、武田勢当主武田信玄が病に倒れたため元亀4年1573年4月撤退したその間直虎は元許嫁直親遺児・虎直政)を養子として育てた天正3年1575年)、直政15歳時に徳川氏出仕させ、その際直政300石を与えられた。 晩年は、母が落飾後に過ごした龍譚寺の松岳院で過ごしたとも、自耕庵で過ごしたともいわれる天正10年1582年8月26日死去亡骸は自耕庵に葬られたという。戒名は「月泉祐圓禅定尼」。後年追善供養による諱名「妙雲院殿月船祐圓大姉」により、自耕庵は妙雲寺改められた。井伊家菩提寺である龍潭寺では、次郎法師の墓は直親の隣にある。

※この「次郎法師と井伊氏」の解説は、「井伊直虎」の解説の一部です。
「次郎法師と井伊氏」を含む「井伊直虎」の記事については、「井伊直虎」の概要を参照ください。

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