東映喜劇路線とは? わかりやすく解説

東映喜劇路線

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/28 03:49 UTC 版)

大阪ど根性物語 どえらい奴」の記事における「東映喜劇路線」の解説

岡田茂といえばエロ暴力イメージ強く喜劇イメージは薄いが、実はずっと「喜劇当ててみたい」と長く喜劇仕掛けた人で、東映に於ける喜劇路線岡田発案始まりとしている。岡田が"喜劇路線"を打ち出したのは"東映ギャング路線"と同時期の1962年。東撮の所長時代で、東映社内報1962年10月号「ギャング路線基調多彩なラインアップ編成東映現代劇展望」で岡田は「私が来年中(1963年)にどうしても確立させたい思っているのが喜劇流れなんですよ。まあ、私に云わしたらね、現代劇の中でアクションものに次いでいわゆる安全企画であって、しかも儲かる企画というのは喜劇流れなんだ。まだわが社にはこういった流れ応ずスターとしては、中村嘉葎雄君、進藤英太郎さんというような人しかいませんが、私は渥美清ウチ傘下おさめたり、三木のり平引っぱって来たりというふうに外部タレント力を借りてなんとしてでも来年はこの喜劇流れ確保したい思っているわけです。正月ものとして作っている『次郎長社長』(『次郎長社長石松社員 安来ぶし道中』)も、今度例のパンツ屋をやめて、会社観光会社切り替えてね。瀬川君の本もよくできておるし、私は非常に面白いものができると思ってるんですよ。この『次郎長社長シリーズ』を年間3本ぐらい、そのほか渥美清だとかが入る『すっぽん大将』、あるいは『加寿天羅甚佐』というような部類作品並べて行きたい思ってます。今、今井正の喜劇ものというわけで『赤い水』というのを是非やりたいと云って来ておりますが、これもまあ、ものが良ければ来年やりたい思っているんですけどいずれにしても喜劇流れ来年終わり頃には、なんとかしてね、ギャング映画路線次いだ流れセカンドラインとして確立させたい。私は東映現代劇が、どこの現代劇見比べて遜色ないというところまでに至る時期は、少なくともギャング映画流れとこの喜劇流れ二つ確立した時だ、これが確立されれば、ここもただ形の上だけじゃなく、本当に力のある現代劇スタジオになると思っとるわけです」などと述べている。岡田渥美清東宝から引き抜くのはもう少し後だが、こんなに早い時期にもう渥美買っていた。岡田1964年2月に京撮所長復帰後も"任侠路線"を主力とした京撮の改革進めながら"喜劇路線"も継続した1963年7月3日の『読売新聞夕刊路線もの映画 そのプラスとマイナス」という記事岡田は「昨年5月の『ギャングギャング』に始まるギャング路線皮切りに歌謡路線、やくざ路線ときて、いまは戦記路線名作路線の製作がピークにある。今後予定される"新線"は喜劇路線で、渥美清主演の『おかしな奴』(三遊亭歌笑一代記沢島忠監督により、封切り十月)、同じく渥美の『冠婚葬祭』(長谷川幸延原作大阪の古い葬式屋の親子二代物語り伊藤大輔脚本・監督により封切り来年正月)、藤田まこと主演の『赤いダイヤ』(梶山季之原作現代版"大番"的な物語り監督未定封切り来年二、三月ごろ)を作る予定喜劇路線となると他社並行線も走っているので、涙と笑いタッチをつけ、人間関係深くメスを入れて東映喜劇路線を特色づける」などと述べている。 1965年4月30日の『読売新聞夕刊「東映喜劇路線に本腰 人間味あふれた笑い 巨匠新人監督競い合う…」という記事では、岡田は「関西舞台に、ローカル濃厚な喜劇どしどし作っていく。人間の性格の強烈なものだ。手持ち喜劇俳優そういないが、藤山寛美藤田まこと芦屋雁之助蝶々雄二らをどしどし使い、これに長門裕之君たち加わってもらう。監督の方も、マキノ雅弘沢島忠中島貞夫鈴木則文らの顔ぶれ喜劇ローテーション組んでゆくつもり」と明確に"喜劇路線"を打ち出した1965年4月10日公開した冷飯とおさんとちゃん』の興行成績悪く東映ラインアップから文芸作品を外す決断をした。岡田は「オーソドックス時代劇もむろんやるが、二本立て一本喜劇がいい。いま20本くらいの企画立っている。関西喜劇人集めて蝶々雄二テレビ人気番組映画化、『夫婦善哉』(『蝶々雄二の夫婦善哉』)、藤山寛美主演で『チンドン屋太平記』『極道者』(いずれも映画化されたか不明)の製作を決めた」と話した本作大阪ど根性物語 どえらい奴』は、藤山寛美主演マキノ雅弘監督による『色ごと師春団治』に次ぐ"喜劇路線"第二弾で、鈴木は「喜劇にはやはり破壊的なエネルギーがほしい。古い人情ものの要素の強い今度作品中になるたけ人間エネルギー盛り込みたいと思っています」と抱負述べた

※この「東映喜劇路線」の解説は、「大阪ど根性物語 どえらい奴」の解説の一部です。
「東映喜劇路線」を含む「大阪ど根性物語 どえらい奴」の記事については、「大阪ど根性物語 どえらい奴」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「東映喜劇路線」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「東映喜劇路線」の関連用語

東映喜劇路線のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



東映喜劇路線のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの大阪ど根性物語 どえらい奴 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS