木造勢至菩薩坐像とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 文化 > 国指定文化財等データベース > 木造勢至菩薩坐像の意味・解説 

木造勢至菩薩坐像

主名称: 木造勢至菩薩坐像
指定番号 393
枝番 02
指定年月日 1916.08.17(大正5.08.17)
国宝重文区分 重要文化財
部門種別 彫刻
ト書
員数 1躯
時代区分 平安
年代
検索年代
解説文: 平安時代作品

木造勢至菩薩坐像(勢至堂安置)

主名称: 木造勢至菩薩坐像(勢至堂安置
指定番号 3509
枝番 0
指定年月日 2003.05.29(平成15.05.29)
国宝重文区分 重要文化財
部門種別 彫刻
ト書
員数 1躯
時代区分 鎌倉
年代
検索年代
解説文:  知恩院勢至堂本尊として伝来する髪際一尺五寸測る勢至菩薩坐像である。針葉樹材ヒノキか)の割矧造金泥塗および彩色仕上げになり、玉眼嵌入する。その構造は、頭体幹部を通して一材より彫出し両耳後ろを通る線で前後に割矧ぎ内刳のうえ割首とし、髻、腕部両肩上膊半、臂、手首で)、両足部(横一材製)、両膝奥(各一材製)、天衣(計十数材ほどを繋いで造り肉身部からやや浮かせて留め)等を矧ぐ。像内は平滑浚い頭部素地体部黒漆塗とする。表面は錆下地黒漆塗のうえ、肉身部は金泥塗、衣部彩色切金文様を施す。文様斜格子文雷文繋文、丸文内部は麻繋文)散らし文、亀甲繋文、七宝繋文、立涌文、卍繋文などが認められる光背台座が後補になるが、本件にはほとんど補修加えられていない
 やや細身の、均衡がよく整った姿で、卵形輪郭をもつ面部には秀麗な目鼻立ちあらわし心もち背中丸めて合掌する像容が、写実踏まえた的確な彫技によって表現されている。著衣柔らかな質感をよくとらえ、天衣がやや遊離気味に肉身をめぐるさまの表出巧みで、背面で左肩から右脇腹にかけて背中斜めにわたる形式類例として建久年間一一九〇~九九)の東大寺菩薩立像重文)がある。装飾的な髻の形式嘉禄二年(一二二六)肥後定慶作の京都鞍馬寺観音菩薩立像重文)のそれに類するが、像の作風はより癖が少なく整斉された趣がうかがえる一三世紀前半慶派仏師による製作と思われ、肉を厚く残して像内を丁寧に浚う内刳仕方にもそのころの同派の特色示されている。
 知恩院勢至堂文暦年間一二三四~三五)に法然高弟勢観房源智【げんち】が師の御廟傍ら建立した伝える同院旧御影堂後身で、この年代は本像の作風の示す製作時期矛盾しない勢至菩薩独尊像として造立することは他に例を見ないが、本像製作のころ、すでに法然勢至菩薩化身であるとする説が成立していたことは初期法然伝や『古今著聞集』等により明らかであり、本像は法然本地身の像として造られ御影堂法然とともに安置されたとみてよいであろう。その図像迎接阿弥陀脇侍としての合掌する姿から採り、単独としての威儀整えるべく、坐法結跏趺坐【けつかふざ】に改めたものとみられる
 本像は知恩院伝わった最も由緒正し彫像であることに加え鎌倉中期慶派仏師による優れた作例として注目される



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「木造勢至菩薩坐像」の関連用語

木造勢至菩薩坐像のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



木造勢至菩薩坐像のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
文化庁文化庁
Copyright (c) 1997-2025 The Agency for Cultural Affairs, All Rights Reserved.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS