朝鮮・琉球航海記とは? わかりやすく解説

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朝鮮・琉球航海記

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/18 14:24 UTC 版)

バジル・ホール」の記事における「朝鮮・琉球航海記」の解説

1816年清に通商を迫るために中国に向かうイギリス全権大使アマースト外交団軍艦ライラ号の艦長として北京送り届けたホールは、同行したアルセスト号(英語版とともに東シナ海海域探検・調査のため朝鮮西海岸琉球王国寄港那覇40余日滞在した言葉通じず、徹底した海禁政策のため拒絶応対受けた朝鮮違い琉球では中国語のできる官吏真栄平房昭を通事得て交流深め琉球に対して非常に良い印象抱いた真栄平知性派で快活な社交家として高く評価し帰国時には英国行き誘ったほどだった。一行調査観測徹底して行ない全島地図1週間余り完成させた。 帰国後の1818年に、その時記録を『Account of A Voyage of Discovery to The West Coast of Corea, and The Great Loo-Choo Island in The Japan Sea (朝鮮半島西海岸及び日本海上大琉球探検航海記)』としてロンドン刊行した琉球人々との交流好意的な視点から描いた本書大い反響呼び出版から2年たたないうちにオランダ語ドイツ語イタリア語など数か国語翻訳され幾度となく版も重ねたアルセスト号の軍医ジョン・マクロードもホール先んじて1817年に『アルセスト朝鮮大琉球探検記』を刊行しているが、ホール航海記西洋人自身によって琉球諸島朝鮮半島詳細に記述する最初著作であると言われヨーロッパ人琉球理解バイブル存在となった1826年第3版琉球その他の東海航海記』にはナポレオンとの会見録が追加収録され、琉球には武器がなく戦争したことがないこと、住民通貨使用知らず、物を与えて代償とらないこと、僧侶地位が低いことなどをナポレオン報告したという。ナポレオン同行していたアンリ・ベルトランによると、ホールが「閣下琉球の人はナポレオンのナの字も知りません」と言ったとき、ナポレオンはここ何か月もの間聞いたことのない大きな声で笑ったという。ホール武器見かけなかったことを理由琉球非武装であると結論付け結果19世紀欧米に「琉球=非武装王国」の噂が広まったこうした楽園的なホール琉球観は日本中国との通商求め欧米列強にとって好都合利用価値のある交易基地としてのイメージ確固たるものにし、琉球王府苦慮していた来琉外国船をますます増やす結果招いた。 この本は当時西洋世界で非常に人気となったため、その後琉球訪れた西洋人記録にもしばしば引用され、約10年後の1827年に来琉した英国ブロッサム艦長フレデリック・ウィリアム・ビーチー著書ブロッサム号来琉記』で、中国銭が流通していることなど、ホール報告異なっていた点を記録し20年後の1846年キリスト教布教のため琉球派遣され宣教師バーナード・ジャン・ベッテルハイムホール琉球観には否定的であり、1853年に来琉したマシュー・ペリーは『日本遠征記』の中で、琉球人は武器について無知装い貨幣についても金銀価値をよく知っており、中国銭で交易もしていることを指摘したホール航海記に「大琉球は、貿易からはずれたところに偏在し、島には何ら価値ある生産物がなく、かつ住民外国物資に対してそれほど興味示さない」と記録しているが、琉球王府貿易ならないようホールらに少なめ食料無料与えて金を取らず資源乏しいことをアピールしたとされる

※この「朝鮮・琉球航海記」の解説は、「バジル・ホール」の解説の一部です。
「朝鮮・琉球航海記」を含む「バジル・ホール」の記事については、「バジル・ホール」の概要を参照ください。

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