昭和十八年前半の戦い
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/14 10:02 UTC 版)
「文月 (睦月型駆逐艦)」の記事における「昭和十八年前半の戦い」の解説
1943年(昭和18年)1月20日、駆逐艦「長月、皐月、文月」は連合艦隊および南東方面部隊の指導・下令により第八艦隊(外南洋部隊)に編入。前後して編入された「川内、白雪、雪風、夕雲」等と共に、同月末からのガダルカナル島撤収作戦(ケ号作戦)に参加した。 詳細は「ケ号作戦」を参照 第1回作戦(指揮官橋本信太郎第三水雷戦隊司令官、参加駆逐艦:巻波、舞風、江風、黒潮、白雪、文月、皐月、長月、風雲、巻雲、夕雲、秋雲、谷風、浦風、浜風、磯風、時津風、雪風、大潮、荒潮)では、「文月」はエスペランス岬警戒隊(巻波《第三水雷戦隊旗艦》、一番隊《舞風、江風、黒潮》、二番隊《白雪、文月》)に所属していた。2月1日、ガ島に向け進撃中に米軍機の空襲を受け旗艦「巻波」が至近弾により中破し、「文月」は同艦を曳航してショートランド泊地へ退避する。三水戦司令官は「白雪」に旗艦を変更、また「夕雲、巻雲」を輸送隊から警戒隊に編入した。撤収作戦中、「巻雲」は機雷に触れて航行不能となり「夕雲」によって処分された。 2月4日、日本海軍は喪失した「巻雲」の代艦として駆逐艦「朝雲、五月雨」を増強する。またカビエン待機の「川内」、ショートランド待機の「巻波、夕霧」を支援隊に区分し、第2回撤収作戦を実施する。「皐月、長月、文月」はカミンボ撤収隊の四番隊に区分され、警戒任務を与えられる。ガ島に向け進撃中に空襲を受け「舞風」が損傷・航行不能となり、「長月」に曳航されて退避した。増援部隊指揮官(三水戦司令官)の旗艦「白雪」は機械故障により途中で引き返し、三水戦司令官は「江風」に移動して将旗を掲げた。撤退作戦そのものは成功した。 2月7日の第3回作戦も第2回作戦とほぼ同兵力で実施され、第一連隊(指揮官 第三水雷戦隊司令官:旗艦「白雪」)は一番隊(白雪、黒潮)、二番隊(朝雲、五月雨)、三番隊(時津風、雪風、皐月、文月)、四番隊(大潮、荒潮)、第二連隊(風雲、夕雲、秋雲、長月、谷風、浦風、浜風、磯風)という区分だった。途中「磯風」が爆撃により中破したが、撤退作戦は成功した。 ケ号作戦を終えた「皐月、文月、長月」は中部ソロモン方面の輸送に従事した。2月12日-14日、「皐月、文月」は運送艦「野島」を護衛してショートランド〜コロンバンガラ島輸送を実施。つづいて2月中旬以降の丙号輸送部隊(青島市〜パラオ〜ウェワク)に編入された。陸軍第41師団主力を青島から東部ニューギニア・ウェワクへ輸送する作戦である。2月14日附で第一輸送隊(軽巡2隻《北上、大井》、讃岐丸、相良丸)に駆逐艦「夕雲、風雲」、第二輸送隊(清澄丸、護国丸、愛国丸)に「朝雲、五月雨」、第三輸送隊(聖川丸、靖国丸、浮島丸、磯波)に「秋雲、長月」、第四輸送隊(壽山丸、新京丸、新玉丸、夕暮)に「皐月、文月」が、各輸送隊の護衛艦に加えられる。また空母「瑞鳳」艦載機がウェワクへ進出して輸送船団を護衛し、同艦基地要員をウェワクへ輸送した「天津風、浦風」は大破中の「春雨」を曳航してトラックへ戻った。第四次輸送隊は2月26日ウェワクに到着して任務を終了した。 この輸送作戦中の2月25日、卯月型4隻(皐月、水無月、文月、長月)で第22駆逐隊が再編制される。3月1日時点で第22駆逐隊は第8駆逐隊、第11駆逐隊、第19駆逐隊と共に第三水雷戦隊(司令官木村昌福少将:旗艦「川内」)に所属していた。だが3月3日のビスマルク海海戦で第三水雷戦隊は駆逐艦4隻(時津風、朝潮、荒潮、白雪)と輸送船8隻を喪失、司令官木村昌福少将負傷という大損害を受けている。3月10-11日、「文月、水無月」はサンタイサベル島レカタ基地へ物資輸送を実施した。3月15-16日、「文月、水無月」はスルミ輸送を実施した。3月30日、「文月、長月、皐月、水無月」は陸兵800名と物資弾薬80トンをニューギニア島東部フォン半島フィンシュハーフェンへ輸送し、帰路では後送者(陸兵600名)を収容した。「文月」はB-17重爆1機に攻撃され、若干の損害を受けた。『い号作戦』実施中の4月2日、第22駆逐隊(文月、長月、皐月、水無月)はフィンシュハーフェン輸送を企図しカビエンを出撃するが、米軍機の触接を受けたため輸送作戦を中止。4月3日早朝、カビエン西方でB-17の爆撃をうけた「文月」は至近弾により機関室浸水の被害を受ける。また同日の空襲でカビエン港停泊中の重巡洋艦「青葉」が大破・擱座した。「文月」は内地に回航され、佐世保海軍工廠で修理に従事した。
※この「昭和十八年前半の戦い」の解説は、「文月 (睦月型駆逐艦)」の解説の一部です。
「昭和十八年前半の戦い」を含む「文月 (睦月型駆逐艦)」の記事については、「文月 (睦月型駆逐艦)」の概要を参照ください。
- 昭和十八年前半の戦いのページへのリンク