明里の関係者
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/10/28 17:15 UTC 版)
「思い出のとき修理します」の記事における「明里の関係者」の解説
元彼 明里と同じ美容室チェーンの、本社勤務の先輩。かつて明里とつきあっていたが、別の支店の後輩と交際を始め、別れを切り出す。その際、交換条件のように、明里が希望していたブライダル部門へ推薦しておくと言い、「でもこれで最後だ」と告げたことから、明里は自分の昇進が実力によるのではなく、彼の口利きによるものだと知って愕然とする。その結果、明里はすっかり自信を失い、仕事を辞めて「ヘアーサロン由井」に引っ越すことになる。 母 明里の母。ツアーコンダクターをしている。離婚後、明里を女手一つで育ててきたが、明里が10歳の時、同じく離婚歴のある同僚、仁科康夫と再婚し、間もなく香奈をもうけた。 妹(明里にとっては叔母)の亮子が間違って由井浩人の両親に明里をあずけていたことを知り、明里に由井夫妻が本当の祖父母ではないこと、それなのに明里が勝手に押しかけて迷惑をかけたことを話し、「よその子なのにいろいろ買ってもらって図々しいと思っている」と語った。また、春休みに由井のおばあちゃんがこっそり明里を連れて行ったときには、由井夫妻に明里が本当の孫ではないと伝えた。それ以来、明里は春休みの記憶を封印し、母に対する不可解な感情のみが残ることになって、素直に甘えることができなくなった。 明里が大人になって再会した由井のおばあちゃんは、「お母さんは、明里ちゃんを取られてしまいそうな気がしたのね」と分析した。それを聞き、明里は久しぶりに自分から母に電話をかけ、近々会いに行くと言うことができた。 別れた夫については、本人の願いにより、明里には死んだことにしてきた。賀川伸也から彼が危篤状態だと聞かされ、明里と共に病院に見舞いに行った。その帰り道、彼を好きになったのは、「他人事なのに首を突っ込みたがって損をして、後先考えてなくて無鉄砲で、子供みたいなところ」だと言った。離婚も同じ理由。そして、家族で自分だけ秀司に会っていないから、紹介して欲しいと明里に願う。 仁科 香奈(にしな かな) 明里とは父親が違う、10歳下の妹。 大学入学前の春休みに、突然明里の元へ尋ねてきた。年の離れた異父姉である明里に対して、普通の家庭のような姉妹の情を感じられないことにわだかまりを抱いていた。しかし、市川菫が姉との思い出を修理される場面に触れ、自分も明里との仲を再確認できた。 亮子(りょうこ) 母の妹。現在は専業主婦。独身のOL時代、姉(明里の母)が長期の主張で家を空けるとき、明里をあずかった。子供がいないためか、今も娘のように思ってくれており、明里も母より親しみを感じている。 ただし、おっちょこちょいで、無意識の言動で問題を引き起こしてしまうところがある。たとえば、明里が由井浩人の両親にあずけられることになったのは、叔母が、浩人を姉の離婚した元夫だと勘違いしたせいである。しかし、天性の楽天家のため、その失敗について当時から全く気にしていない。 香奈から明里が秀司とつきあっていることを聞くと、壊れた時計の修理がてら商店街にやってきて、明里の実父が生きていることや、彼が母との離婚後に傷害事件を起こしたことなどを告げた。 由井 浩人(ゆい ひろと) 母が若いころに長く交際していた、「ヘアーサロン由井」店主夫妻の次男。 おおらかな性格らしく、両親に明里が自分の娘ではないことを説明しなかったため、両親は明里を本当の孫娘としてかわいがった。その後も、明里の母には自分から両親に真実を説明すると言っていたのに、結局説明しなかったため、翌年の春休みに由井のおばあちゃんがこっそり明里に会いに行くことになる。 現在は、母親を引き取って同居している。転勤族のため、現在の住まいは不動産屋も不明。母が突然いなくなったため、津雲神社通り商店街に問い合わせ、迎えに来た。しかし、明里が、20年前に実家に滞在した、元恋人の娘だとは最後まで気づかなかった。 おじいちゃん 理容店「ヘアーサロン由井」の店主。故人。明里の叔母の勘違いと、息子・浩人の説明不足から、明里のことを浩人が昔の恋人に産ませた子だと思い込み、明里が小学校2年生の夏休みに1ヶ月間あずかることになる。孫が全員男の子のため、突然現れた「孫娘」の明里を、妻と共にとてもかわいがった。 明里の記憶の中では、見事な鼻髭を生やし、襟の詰まった白い上着を着ている。 おばあちゃん 夫と共に「ヘアーサロン由井」を切り盛りしていた。美容師の資格を持つ。 夫同様、明里を本当の孫娘だと思い込み、かわいがってくれた。夏休みが終わってからも、浩人が真実を説明しなかったため、相変わらず明里は孫だと思っていた。そして、次の春休みにこっそり明里に会いに行ったところ、母が仕事で不在であり、叔母の帰りも毎日遅いということを知って、1晩だけのつもりで明里を自宅に連れて行った。ところが、明里が発熱したためにしばらく戻れなくなり、事情を知った明里の母から明里が本当の孫ではないことを知らされた。その際、「また来ていい?」と尋ねる明里に「もう来ちゃだめよ」と言ったことを、20年間ずっと後悔していた。 夫が亡くなって店を閉めた後も、しばらく店舗兼自宅に住んでいたが、数年前に持病を心配した浩人と同居するために転居した。 最近では歳のせいで記憶が曖昧になってきていて、秀司が修理した時計を明里に返さなければという思いが渦巻いていた。そして、家族に黙って「ヘアーサロン由井」にやってきて、発熱して寝ていた明里と再会する。自分たちがどれだけ明里のことを大切に思っていたかを知らせて、明里の心の中にあった傷を癒やした後、迎えに来た浩人と共に帰っていった。 中島 弘樹(なかじま ひろき) 明里の高校時代の先輩。明里が美紀に誘われた居酒屋で偶然再会した。酔った明里を送ってきた時に秀司とも知り合い、石の時計を修理してほしいと依頼する。 中学で陸上をやっていたが、高校では陸上部には入らず、明里と同じバレー部に入った。中3の時、同じ長距離の陸上選手だった友人が、自分が貸したブレーキの壊れた自転車で事故を起こして怪我をした。その後弘樹は陸上をやめてしまう。そのころの弘樹はタイムが伸び悩んでおり、友人が怪我をして走れなくなったことを言い訳にして、自分も陸上をやめたのだと、ずっと思い悩んできた。 しかし、秀司に石の時計を修理してもらったことで、ずっと抱えてきた罪責感から解放される。 早瀬 美紀(はやせ みき) 明里が「ヘアーサロン由井」に引っ越してきてから働き始めた美容室の同僚。誰とでもすぐ仲良くなる気さくな人で、交友関係も広い。 仁科 康夫(にしな やすお) 明里の義父。明里の母の元同僚で、お互い離婚歴がある。 香奈に明里が秀司と付き合っていると聞き、西という偽名を使って時計の修理に訪れたが、あっさり秀司に正体を見抜かれてしまう。 明里が5歳くらいの時、会社の慰安旅行で訪れた遊園地で、明里と一緒にコスモス園にあるからくり時計を飽きもしないで見物した。後に海外勤務が決まった際、その時のことを描いた絵を明里からプレゼントされる。帰国後母にプロポーズしたが、間もなく明里が10歳になるところで、すぐに微妙な年ごろになることから、一度は断られた。しかし、明里からもらった絵を見せ、コスモス園の時から明里の父親になることを決意していたことを訴え、ついに受け入れてもらった。その話を康夫から聞き、明里は康夫との親子関係の深さを確認できた。 実父 明里が幼いころに母と離婚したため、特に明里の記憶の中にはいない。母が持っていた祖母の形見の指輪を勝手に売り払い、友人に金を貸したことがある。そんなことが繰り返しあったために離婚したと、後に母は明里に語った。 明里は、母から「父は離婚後に死んだ」と教えられていたが、亮子から生きていることと、離婚後に傷害事件を起こしたことを聞かされた。それは伸也とその母を暴力的な元夫から守るためだったが、一方的に暴行を加えたということで警察の事情聴取を受け、仕事も失ってしまった。そして、賀川の方から明里の母に自分は死んだことにしてくれと願ったのである。 最近、突然倒れて危篤状態に陥った。伸也からそれを聞いた明里は、迷った末に母と共に見舞いに訪れ、意識のない彼の手を握って、心の中で「お父さん」と呼びかけた。 賀川 伸也(かがわ しんや) 明里の実父が再婚した女性の連れ子。26歳。額に傷がある。 母に対する父の暴力におびえて育った。結局両親は離婚するが、その後父が現れて彼を連れ去ろうとし、騒ぎになったことがある。その際父に電気スタンドで額を殴られて傷ができた。騒ぎを聞きつけた賀川がやってきて、伸也の父を懲らしめてくれたため、その後父がやってくることはなかった。伸也は、自分たちを守ってくれ、母との再婚後も実の息子のようにかわいがってくれた賀川のことを、親父と呼んで慕っている。 賀川が倒れたことを明里に知らせるために商店街を訪れた。しかし、最初は秀司や商店街の人たちから不審者と思われてしまう。明里は彼の実父や義父に対する思いを聞かされ、父を見舞うことを決意する。
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