旅客用ディーゼル機関車
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/12 23:48 UTC 版)
「アッチソン・トピカ・アンド・サンタフェ鉄道」の記事における「旅客用ディーゼル機関車」の解説
サンタフェ鉄道で最初の旅客用電気式ディーゼル機関車は、1936年にスーパーチーフの運用に投入され、EMC製の1800馬力ディーゼル機関車の組み合わせで構成され、ロードナンバーが1号と1A号とされた。側面と端面の上部は金色に、下部は暗いオリーブグリーンに塗装された。またオリーブのストライプが側面に回され、前部ではその帯が広くなっていた。 側面を固めているのは金属製の「インディアン・ヘッド」のロゴマークプレートで、1926年のチーフのロゴマークに由来している。スーパーチーフという文字が美しく描かれていた。また天井は明るいグレーで、赤のピンストライプで縁取られていた。この独特の色の組み合わせはゴールデン・オリーブ塗装と称される。運用に入る前に、スターリング・マクドナルド (Sterling McDonald) 率いるゼネラルモーターズのスタイリング部隊はその外観を引き立てるために側面と端面に赤と青のストライプを付け加えた。 それから1年少し後、新しい改良された流線形のEMC E1型ディーゼル機関車がスーパー・チーフやその他の旅客列車の牽引に就き、ゼネラルモーターズのリーランド・ニッカーボッカー (Leland Knickerbocker) 率いる美術色彩部門によってデザインされた、今では「ウォーボンネット」塗装として知られる光り輝く塗装とした。この設計は1937年11月9日にアメリカ合衆国の特許D106,920号として成立した。そのデザインは、インディアンの儀式用の頭飾りを思い起こさせるものである。この塗装パターンは車体前部の赤いボンネットと黄色いストライプと黒のピンストライプの縁取りで構成されている。ボンネットの長さは機関車の形式によって異なっており、車体の形状と長さによっておおむね決定されている。車体の残りは銀色に塗装されているか、ステンレス鋼のパネルで構成されている。 すべての機関車は、形式によって違いはあるが、先頭部分に細長い黄色の「サークル・アンド・クロス」のエンブレムと、先頭から側面にかけてのタブ状の飾りを組み合わせて黒のピンストライプでアクセントを入れた構成となっていた。"SANTA FE"という文字が黒でクロスの水平部分にアール・デコ様式のレタリングで入れられていた。このエンブレムはその類似性から「シガー・バンド」として知られるようになった。デモンストレーション用に運行された車両を除けば、U28CG、U30CG、FP45のすべての車両は、3本からなる黄と黒のストライプがバンドの後ろに描かれていた。 黄地・赤い四分円に黒い縁取りをした、「サークル・アンド・クロス」のモチーフはE1型の機関車の納入時に側面窓の周りに描かれていた。同様のデザインがE3型、E6型、DL109/110などに適用され、その後1Aも改造され塗りなおされた。機関車の側面には典型的には"SANTA FE"の文字が5インチか9インチの高さで鉄道ローマン書体を使って黒で描かれ、またインディアン・ヘッドのロゴが描かれていたが、いくつか有名な例外もあった。 旅客用ディーゼル機関車の塗装とロゴマーク機関車形式 インディアン・ヘッド サークル・アンド・クロス Santa Fe ロゴタイプ 運用開始年 備考 ATSF 1 有 有* 有 無 1937年 1号へのサークル・アンド・クロスの適用は1938年5月の改造後 EMC E1(英語版)・E3(英語版)・E6(英語版) 有* 有 有 無 1937年 Bユニットへインディアン・ヘッドが描かれたのは後年 ALCO DL109/110 有* 有 有 無 1941年 Bユニットにはインディアン・ヘッドなし EMD FT 有* 無 有 無 1945年 Bユニットにインディアン・ヘッドが描かれたのは後年 ALCO PA/PB 有* 無 有 無 1946年 Bユニットにインディアン・ヘッドが描かれたのは後年 EMD F3 有* 無 有 無 1946年 インディアン・ヘッドはBユニットのみ FM Erie-built 有* 無 有* 無 1947年 インディアン・ヘッドとSANTA FEはAユニットのみ EMD F7 有* 無 有* 無 1949年 インディアン・ヘッドはBユニットのみ、SANTA FEは1954年に追加 EMD E8(英語版) 有* 無 有 無 1952年 インディアン・ヘッドはBユニットのみ GE U28CG 無 無 無 有 1966年 Santa Feのロゴタイプは大きな赤いビルボードタイプのレタリングで表示 GE U30C(英語版)G 無 無 有* 無 1967年 Santa Feのロゴは5インチの高さで引き伸ばされていないもの EMD FP45(英語版) 無 無 有* 無 1967年 Santa Feのロゴは9インチの高さの文字 出典: Pelouze, Richard W. (1997). Trademarks of the Santa Fe Railway. The Santa Fe Railway Historical and Modeling Society, Inc., Highlands Ranch, Colorado pp. 47–50. 後年、電気式ガソリンカーのドゥードゥルバグにも塗装パターンを適用した。サンタフェ鉄道の旅客機関車のすべてに標準適用されたウォーボンネット塗装は、鉄道産業の中でももっともよく知られたコーポレートロゴであると考えられている。アムトラックになってからの初期の頃には、引き続き旅客列車牽引に関わっている機関車の赤いボンネットを黄色あるいは濃青で塗り替える計画を推進していたことがあり、これはもはや旅客輸送事業者としてのイメージを反映したくないからであった。
※この「旅客用ディーゼル機関車」の解説は、「アッチソン・トピカ・アンド・サンタフェ鉄道」の解説の一部です。
「旅客用ディーゼル機関車」を含む「アッチソン・トピカ・アンド・サンタフェ鉄道」の記事については、「アッチソン・トピカ・アンド・サンタフェ鉄道」の概要を参照ください。
- 旅客用ディーゼル機関車のページへのリンク