批評、批判
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/03 20:38 UTC 版)
日本社会党に関する主な批評、批判には以下がある。 日本共産党は日本社会党に対して、前身政党は侵略戦争に加担したため名称変更した、1946年の憲法案は「主権は国家に在り」として主権在民に触れなかった、新左翼などの「暴力集団」を「同盟軍」と位置づけた、1980年の社公合意で従来の社共共闘から社公民路線に転じた、などと批判している。 丸山眞男は著作で、日本社会党が国会で「三分の一のカベ」を超えられない理由として「保守党の大企業偏重を裏返しにした形で、社会党は大労組偏重に陥っている」と記した。 原彬久は2000年の著作「戦後史のなかの日本社会党:その理想主義とは何であったのか」で、日本社会党は「社会主義国日本」との理想を目指して結党したが、労農派マルクス主義を中心とする社会党左派は国際組織の社会主義インターナショナルと温度差があり、ソ連・中国・北朝鮮との交流を重視し、「理想主義」により急進左派とも接近したが、その理想主義は脆弱で体力と戦略が不足していた、と記した。 森裕城は2002年の著作「日本社会党の研究 - 路線転換の政治過程」の中で、「現実主義化」の効果は民社党の停滞を見ても疑問だが、日本社会党は自民党政治の「牽制政党化」し、「新宣言」での西欧的な社会民主主義路線も政治的スローガンの転換以上の意味を持たず、「政権獲得へ向けて社会党が戦略的な行動をとりえなかった」と記した。 依田博は上記の「日本社会党の研究 - 路線転換の政治過程」の書評の中で、日本社会党は政権担当政党としての信頼を有権者から得られなかったが、自由民主党と同様に「一枚岩ではない組織構造を持った政党」としては有権者の共感を得ていた、と記した。 木下真志は2003年の著作「転換期の戦後政治と政治学:社会党の動向を中心として」で、1950年代には逆コースや再軍備への国民の広範な反対があり、社会党左派・総評左派・社会主義協会の「左派連合」の結束によって躍進したが、1960年代にはこれらが争点ではなくなり社会党は衰退した、と記した。 山口二郎・石川真澄らによる2003年の共著「日本社会党 - 戦後革新の思想と行動」では、社会党の衰退原因として、戦前からの講座派と労農派の対立、末端の党組織の弱さ、中国・北朝鮮などとの「片面」的な関係、自衛隊廃止の具体的なプログラムを提示できなかったこと、「批判政党」との自己規定への満足、1980年代の連合成立と社会民主主義勢力の結集の期待の際に、社会党も民社党も有効な連合政権構想を提示できなかったこと、1990年代前期にも明確な政権構想を打ち出せず古い55年体制の既成事実に屈服したと受け止められたこと、などを挙げた。 岡田一郎は2005年の著作「日本社会党:その組織と衰亡の歴史」で、社会党の衰退原因として労組依存体質と党組織の脆弱さ、左派と右派による不毛な派閥対立、構造改革論への反発、野党陣営の多党化、中ソ対立の影響、組織論なき路線転換、などを挙げている。 片岡鉄哉は、マッカーサーといつでも昼飯を食える立場にありながら、おっかなびっくりで、護憲のマッカーサーを敵だと思っていた片山哲の例を挙げて、権力にうとく、外交にうとい政党であったと評する。社会党が一番敏感なのは内政面での逆コース反対で、国内で既得権益の現状維持ができれば、外交なんかどうでもかまわない、という無茶な姿勢になるのだという。マッカーサーが、憲法を守る母体としての芦田・社会党連立内閣を、左(共産党)からの脅威から守るために出したマッカーサー書簡と政令201号を非難する社会党を「親の心、子知らず」と評する。 保守系の知識人としては、渡部昇一が「自民党の政治家は戦前の人たちと同じ普通の日本人だが、野党の政治家はそうではなくイデオロギーにとらわれた人々という感じがあった」と述べている。
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「批評 批判」の例文・使い方・用例・文例
- 辛らつな批評
- 彼の今度の小説はあまり好きじゃないな.たくさんの批評家がほめているけどね
- 批評力のある読者
- 文芸批評
- 彼はそのアメリカ映画を好意的に批評した
- 批評家は彼の新しい小説をけなした
- 深い洞察力のある批評家
- 辛辣な批評
- その批評家たちは彼を高く評価している
- 痛快な批評
- 批評家は彼を一流の画家だと評価している
- ニューヨークタイムズは彼の新しい劇を好意的に批評した
- 彼らの批評は容赦のないものだった
- 批評にそんなに神経をとがらせることはないよ
- 彼女の批評のうちいくつかは非常に感銘を受けるものだった
- その映画監督は新聞で批評家に反論した
- 鋭い批評家
- 彼の新作の映画は批評家にこき下ろされた
- その批評に対する彼女の態度
- 手厳しい批評
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