戦略持久作戦への転換とは? わかりやすく解説

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戦略持久作戦への転換

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/14 06:17 UTC 版)

沖縄戦」の記事における「戦略持久作戦への転換」の解説

第9師団台湾抽出により、第32軍は大幅な作戦変更迫られる事となった。八原は、戦力補充はあてにせず現兵力をもって最善を尽くす方針4つ作戦案を提案し、第32軍司令部はその中から、現有戦力に最も適した地形となる沖縄本島南部島尻地区に主防御陣地構築し持久戦術を取る作戦案を採用した今まで機動決戦方針断念して本島南部での持久戦を行う作戦計画で、本島中部配置されていた第24師団南部移動し北部中部飛行場小部隊による遅滞防御砲撃による利用妨害程度とどめることを決めた。第32軍は度重なる作戦変更兵力増減により何度も部隊配備変更になっており、その度陣地再構築余儀なくされたが、この作戦に基づき1944年昭和19年11月末から12月上旬にかけて行った配備に伴う陣地構築最終形となった作戦変更により、本島中部位置する北・中飛行場は主陣地外となり、実質的に防衛放棄している状況になった大本営では、1944年12月大本営陸軍部参謀本部作戦部長に宮崎周一中将就任したが、この時にはアメリカ軍中心としたレイテ島の戦い日本軍敗北しルソン島の戦い最中フィリピン日本軍敗勢は明らかで、宮崎不眠不休で「本土決戦方針」の新作計画作成すると、その新作戦案が基礎となった帝国陸海軍作戦計画大綱』が陸海軍決定されて、1945年1月19日陸軍梅津美治郎参謀総長海軍及川古志郎軍令部総長列立奏上した。 その頃に、台北会議服部持っていた第9師団代わりの第84師団姫路)の沖縄派遣という腹案は、宮崎中将前任真田穣一郎作戦部長を通して梅津裁可受けて上奏終えており、1945年1月22日に第32軍に内示された。この内示を受けた32幕僚らには久々笑声湧いた。しかし、その内示を知った宮崎梅津訪ねるとすぐに第84師団派遣中止すべしと強硬に進言した。梅津一度上奏までした派遣中止するという前例はなかったため当惑したが、宮崎はさらに「沖縄への海上輸送はもう無理です。1兵たりとも惜しむべき本土防衛戦力を、今ここで海没の犠牲にすることは、自分理性許しません。」と進言し、梅津沈思黙考の上宮崎進言受け入れた。これは梅津含め日本軍の最高首脳部にも、本土決戦以外に道はないという考え浸透していたことによるものと思われるその後に、宮崎服部に第84師団派遣中止告げると、それを聞いた服部部下作戦第2課の沖縄方面担当参謀羽場安信少佐が、血相変えて梅津部屋飛び込み沖縄の1個師団本土2,3師団相当する、もう現地内示している、海上輸送が危険と言っても全部やられない、1/3の損害覚悟している。」と激しく詰め寄ったが、梅津派遣中止の決定撤回することはなかった。その後羽場宮崎にも激しく意見したが、宮崎羽場をいなすだけであった。 第32軍にも、第84師団増派による作戦計画考え間もなく1月22日夜に派遣中止電報入った。この経緯から第32軍は大本営不信感抱きその後の作戦支障きたしたこの後、第10方面軍参謀長諫山春樹中将沖縄訪れ、八原ら参謀に「今後、第32軍には増兵はされない比島方面輸送できなくなった軍需品を第32軍に与える。」と第10方面軍内での武器弾薬補給約束した後で大本営本土決戦準備熱中しており、我々は現有戦力で戦うだけである。」と軍中央の状況説明した結局最後まで第32軍には軍中央から制式本土決戦方針企図示されることはなく、諌山らから間接的に聞いただけであった。 『帝国陸海軍作戦計画大綱によれば南千島小笠原諸島硫黄島ヲ含ム)沖縄本島以南南西諸島台湾上海附近」を「皇土防衛ノ為、縦深作遂行上ノ前縁」と位置づけ右前縁地帯ノ一部ニ於テ状況真ニ止ムヲ得ズ敵ノ上陸ヲ見ル場合ニ於テモ極力敵ノ出血消耗ヲ図リ且敵航空基盤造成妨害ス」としており、沖縄硫黄島などと同様に日本本土前縁として敵の出血消耗を強いる防波堤想定していた。沖縄戦における日本軍の作戦は、これを以て捨て石作戦」と呼ばれている。 一方海軍天一号作戦定めて沖縄へ来攻する連合国軍航空戦力主体迎撃して大打撃与え有利な講和もちかける一撃講和考えていた。そのため、大本営飛行場確保重視して32軍に作戦変更要求したが、第32軍は応じないまま連合国軍迎えることになった

※この「戦略持久作戦への転換」の解説は、「沖縄戦」の解説の一部です。
「戦略持久作戦への転換」を含む「沖縄戦」の記事については、「沖縄戦」の概要を参照ください。

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