形態と多様性
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世界から3800種、日本からは123種が知られる。 成虫は褐色などの地味な色を基調とした複雑な色彩の翅をもつものが多く、中には隠蔽擬態で有名な Phalera 属やムラサキシャチホコ Uropyia meticulodina なども知られる。また、Gazalina 属、Cerura 属、モンキシロシャチホコ Leucodonta bicoloria などの白を基調とした翅をもつ種や、ピンク色と黄色の翅をもつ Hyparpax aurora といったものも含まれる。 主に中南米に分布し旧大陸には分布しないマダラシャチホコ亜科には昼行性で色鮮やかな翅をもつ種が含まれる。この色彩は警戒色であり、既知の例では幼虫がトケイソウ属の有毒植物を食草とすることから、ドクチョウ亜科やヒトリガ科などに属するその他の鱗翅目とミューラー型擬態環を形成すると考えられている。 幼虫の形態は多様で、刺毛が発達するいわゆるケムシ型と刺毛が目立たないイモムシ型の両方が見られる。本科の一部には元来歩行用の器官である尾脚(腹部末端の腹脚)が機能性を失い、体の移動に関与しない構造に変化するものもいる。たとえば Cerura 属や Furcula 属では機能性を失った尾脚が著しく伸張し、先端からひも状物を突出させる機能を有する。Stauropus 属や Cnethodonta 属の幼虫は尾脚が棍棒状に変形する以外にも、第7、8、9腹節が肥大化し、中・後脚(胸脚の2対)が細長く伸張するなどの特異な形態を呈する。 ムラサキシャチホコ Uropyia meticulodina 成虫, 台湾 タッタカモクメシャチホコ Kamalia tattakana 成虫, 台湾 Phaeochlaena lampra 成虫, ブラジル Cerura vinula 幼虫, ドイツ. 変形した尾脚の先端からピンク色のひも状物を突出させている
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形態と多様性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/30 19:35 UTC 版)
世界から700種ちかくが記載されている。日本からは2021年現在、フタオガ亜科23種、ギンツバメガ亜科3種、オオツバメガ亜科2種の合計28種が知られている。 成虫形態は亜科ごとに異なるが、一般に幅の広い前翅を有し、Auzeinae 亜科以外は後翅の外縁部に尖った部位をもつ種が多い。また、同上科に属するシャクガ科とは異なり、本科の幼虫は腹脚を5対有する。 オオツバメガ亜科ではとくに尾状突起が発達する種が多く、和名の由来にもなっているが、Alcides aurora など一部に尾状突起を欠く種も知られる。また、ニシキオオツバメガ Chrysiridia rhipheus をはじめとして、大型で光沢のある鮮やかな色彩の翅をもつ種がよく知られ、しばしばチョウと混同される。後述するように、鮮やかな体色は警告色として機能していると考えられており、たとえばアゲハチョウ科の Chilasa laglaizei の斑紋は、本亜科の Alcides agathyrsus に対するベイツ型擬態とされる。 フタオガ亜科は本科の中では最も種数の多いグループである。ヨーロッパの地中海周辺およびアフリカ北部、南極、ニュージーランドを除く全世界で見られるが、主として熱帯を中心に分布する。他の亜科と異なり、小型の種がほとんどを占める。
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形態と多様性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/01/16 02:29 UTC 版)
本科はおよそ11000種を含む大きな科であり、北極圏周辺から熱帯にかけて広く分布し、とくに熱帯で多様である。成虫が色鮮やかな体色を持つ美しい種も多く、中にはハチに擬態する Pseudosphex 属、Sphecosoma 属やMyrmecopsis 属、ベニボタルに擬態する Correbidia 属、ドクチョウ亜科やマダラガ科に擬態する Pericopina 族などの有毒昆虫への擬態で知られるものも含まれる。ヒトリガ亜科にはヒャクメトラフヒトリ Sebastia argus のような大型の種も含まれるが、東洋区では最大の亜科であり日本にも多く生息するコケガ亜科には比較的小型の種が多い。 幼虫の腹脚 proleg は退化しない。刺毛 setae が発達し、いわゆるケムシ様を呈する種が多い。 日本からは現在、コケガ亜科75種、ヒトリガ亜科46種、カノコガ亜科4種の合計125種の分布が確認されている。ヒトリガ亜科では、極地性のダイセツヒトリ Grammia quenseli daisetsuzana 、北米、ヨーロッパ、アジア北部に広く分布するヒトリガ Arctia caja の亜種 subsp. phaeosoma、南方系のハイイロヒトリ Creatonotos transiens の亜種 subsp. koni や北米からの移入種であるアメリカシロヒトリ Hyphantria cunea などが知られる。 Callimorpha dominula(ヒトリガ亜科)成虫, フランス ヒトリガ Arctia caja 幼虫, ドイツ Correbidia 属(ヒトリガ亜科)成虫, ベリーズ. ベニボタル科の Calopteron 属に擬態していると考えられる Cyana malayensis(コケガ亜科)成虫, マレーシア Amata 属(カノコガ亜科)成虫の交尾, フィリピン
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形態と多様性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/19 20:02 UTC 版)
世界から660種程度が記載されている。日本からは2021年現在、カギバガ亜科31種、オオカギバガ亜科2種、トガリバガ亜科38種の計71種が知られている。一般に、東洋区でもっとも多様な一方、オーストラリアや新熱帯区では種多様性が非常にひくい。成虫および幼虫形態は亜科ごとに大きく異なる。
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形態と多様性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/27 05:27 UTC 版)
世界から1700種あまりが知られ、特に東南アジアで多様である。日本からは113種が知られる。 成虫形態は多様である。タイプ属の Nola 属をはじめとして、コブガ亜科には比較的小型で灰色を基調とした体色を呈する種が多いが、その他の亜科には派手な色の後翅をもち開帳が80mmほどにもなるシンジュキノカワガ Eligma narcissus のような大型種や、サラサリンガ Camptoloma interioratum のように鮮やかな色と模様の前翅をもつ種、ミドリリンガ Clethrophora distincta のように緑一色の前翅をもつものや、キノカワガ Blenina senex のように樹皮への隠蔽擬態で知られるものなども含まれる。 幼虫は、刺毛の発達するいわゆるケムシ型のものと、刺毛が目立たないいわゆるイモムシ型のものの両方が存在する。コブガ亜科の幼虫は第3腹節の腹脚を喪失することが知られる。Carea 属や Xenochroa 属には幼虫の胸部が肥大化する種が知られる。 シンジュキノカワガ Eligma narcissus 成虫標本, 台湾 Diphthera festiva 成虫, アメリカ Sinna calospila 成虫, マレーシア Cossedia kobesi 成虫, マレーシア アオスジアオリンガ Pseudoips prasinanus 成虫, オーストリア Carea 属幼虫, インド
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形態と多様性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/29 14:12 UTC 版)
鱗翅目の科の中でも最大のものとされ、世界からおよそ35000種、日本からは1300種あまりが知られている。ただしこの種数は依拠する分類体系によって上下し、後述する Erebidae 科を認める体系においては、本科は Erebidae 科およびシャクガ科に次ぐ三番目に大きい科となる。 成虫の形態は多様である。大きさに関しては開長が14~16mm程度のチビアツバ Luceria fletcheri のような、蛾の中では比較的小型の種から、開長が最大で280mmにもなるナンベイオオヤガ Thysania agrippina のような非常に大型の種、翅の色と模様に関しても Agarista agricola や Baorisa hieroglyphica のようにあざやかな色と模様の翅を持つ種、シロガ Chasmina candida やカラスヨトウ Amphipyra livida のように翅がほとんど単色の種、ハナムグリガ Cocytia durvilli や Eucocytia meeki のようにメタリックに輝く種、アケビコノハ Eudocima tyrannus やベニシタバ Catocala electa のように前翅と後翅の色が大きく異なるものまで、さまざま種が含まれる。 幼虫は体表に目立った毛が見られない、あるいは毛や棘がまばらに生えるいわゆるイモムシ型の種が多いが、たとえばケンモンヤガ亜科やウスベリケンモン亜科の幼虫は二次刺毛 secondary setae が発達し、毛が目立つものが多い。また、本科の一部には腹脚が退化し数を減らす傾向が見られる。鱗翅目幼虫の腹脚は最大で五対(腹部末端の腹脚である尾脚を数えない場合は四対)あるが、たとえばキマダラコヤガ亜科の幼虫は前方二対の腹脚を完全に喪失し、キンウワバ亜科やシタバガ亜科の幼虫は前方二対の腹脚を痕跡的にしか持たない傾向を有する。このような腹脚が退化傾向にある幼虫はセミルーパー(semi-looper)と呼ばれ、前方三対の腹脚が退化するシャクトリムシ(looper)と区別される。 クロスジヒメアツバ Schrankia costaestrigalisニュージーランド ナンベイオオヤガ Thysania agrippinaメキシコ Agarista agricolaオーストラリア Baorisa hieroglyphicaマレーシア シロガ Chasmina candidaインド カラスヨトウ Amphipyra lividaポーランド キマエコノハ Eudocima salaminiaマレーシア ベニシタバ Catocala electaオーストリア
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形態と多様性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/05 04:38 UTC 版)
鱗翅目の中ではヤガ科(あるいは Erebidae 科)に次ぐ二番目に大きい科である。世界から24000種近くが知られ、新熱帯区で最も多様である。日本からは900種近くが報告されている。 成虫は細長い体と幅の広い翅を有する種が多い。いわゆる「冬尺」のなかま(フユシャク亜科、およびナミシャク亜科とエダシャク亜科の一部)は♀成虫の翅が著しく退化し、ときに翅を完全に喪失する種もいることで知られる。落ち葉や木肌のような地味な色彩の翅をもつ種も多いが、トラシャク Dysphania militaris やキオビエダシャク Milionia basalis のように色鮮やかな色と斑紋の翅をもつ種も含まれ、形態は多様である。 幼虫は先述したように基本的に腹脚が退化する。刺毛も基本的に目立たないが、肉質の突起が発達する種が知られる。
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