形態と出入力
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/08/21 09:50 UTC 版)
プルキンエ細胞はヒトの脳の中でベッツ細胞に次いで大きい神経細胞であり、おびただしい数の分枝をもつ大きな樹状突起が特徴的である。 これらの細胞は小脳のうちで顆粒層と分子層の間にあるプルキンエ層(プルキンエ細胞層)と呼ばれるところに分布している。ただ、樹状突起を伸ばす方向は各々平行で、ドミノのように並んでいる。この樹状突起が作る大きなシート状の構造に顆粒細胞からきた平行線維が垂直方向に走ってきてグルタミン酸性のシナプスを形成する。この平行線維からの入力は比較的弱いが、延髄の下オリーブ核から下小脳脚を通って入ってくる登上線維は樹状突起や細胞体にまきつきながら接合し、強力な入力を行っている。1つのプルキンエ細胞に対し200,000本の平行線維がシナプスを形成するが、入ってくる登上線維は1本のみである(逆に1つの顆粒細胞には100程度のプルキンエ細胞が接合し、1つの登上線維は枝分かれして数個のプルキンエ細胞と接合する)。分子層にある籠細胞(バスケット細胞)と星状細胞はプルキンエ細胞に対しそれぞれ軸索起始部と樹状突起でシナプスを形成しており、抑制性の入力を行っている(神経伝達物質としてGABAを使用)。プルキンエ細胞は運動協調性に関する小脳皮質からの唯一の出力で、深部小脳核(歯状核など)に対して抑制性の投射を行っている。
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