Milionia basalisとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 生物 > 森林生物図鑑 > Milionia basalisの意味・解説 

キオビエダシャク

和名:キオビエダシャク
学名Milionia basalis
    チョウ目シャクガ科
分布種子島屋久島奄美大島喜界島沖縄本島久米島宮古島石垣島西表島など。
 
写真(上):キオビエダシャク成虫
写真(下):キオビエダシャク幼虫西表島産)
説明
成虫開張50〜56mm。幼虫イヌマキナギ食害する沖縄県では最も重要な林業害虫一つで,年に4回程度発生するとされる成虫昼行性で,イヌマキナギ樹皮割れ目等に産卵する幼虫震動感じると口から糸吐いて懸垂する性質顕著大発生した林分では食い尽くされ甚大な被害を受ける。アリ寄生バエなどの天敵確認されているが,個体群左右する効果はなく,現在のところDMPTなどの薬剤散布主な防除法である。
キオビエダシャク成虫

キオビエダシャク幼虫(西表島産)


キオビエダシャク

(Milionia basalis から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/06/21 14:25 UTC 版)

キオビエダシャク
キオビエダシャク Milionia basalis 成虫, インド
分類
: 動物界 Animalia
: 節足動物門 Arthropoda
: 昆虫綱 Insecta
: 鱗翅目(チョウ目) Lepidoptera
: シャクガ科 Geometridae
亜科 : エダシャク亜科 Ennominae
: Milionia
: キオビエダシャク M. basalis[1][2]
学名
Milionia basalis
Walker, 1854[2]
シノニム
和名
キオビエダシャク

キオビエダシャクMilionia basalis)は鱗翅目(チョウ目)シャクガ科に属するの一種。イヌマキ害虫として知られる。

分布

インド、マレー半島、台湾、日本。日本には亜種 subsp. pryeri Druce が分布する。南西諸島および九州で発生が認められるほか、四国で成虫が確認されたことがある[1]

形態

幼虫, 台湾

幼虫シャクトリムシで、終齢時の体長は45~55mm。頭部、前胸、脚および腹脚、腹部側面、尾端の橙色が目立つ[1][4]

成虫開帳は50~56mm。光沢を帯びた濃紺の地色に鮮やかな黄色の帯状の斑紋のあるを有する[1][4]

生態

幼虫はナギイヌマキラカンマキの葉を摂食するほか、マレーシアでは Dacridium 属(マキ科)の摂食が確認されている[1][2]。振動に敏感で、振動を感知すると吐いた糸にぶら下がって植物上から離れる[1]。また、食草から二次代謝産物のイヌマキラクトンおよびナギラクトンを取り込み、外敵に対する防御に役立てている可能性が示されている[5]。成熟した幼虫は土中で蛹化する[1]

成虫は昼行性[1]。花蜜を摂取するため、さまざまな植物に訪花する[6]。夜間、人工の灯りにも飛来する[2]。産卵は食草上、主に樹皮の裂け目や枝の付け根に行う[1]

人との関係

突発的に大発生し、食草を大規模に食害する傾向があり、とくに生垣防風林などに用いられるイヌマキの害虫として重要視される。大発生時は樹皮にまで食害がおよび、被害を受けた木は枯死する。南西諸島では古くから大発生が起きていたと考えられ、1910年代からの断続的な大発生の記録が残されている[1]。九州南部では1950年代ごろに初めて侵入・発生が確認されたが、当時の侵入個体群は数年で絶滅したとされる。その後、再度侵入した個体群は近年、不安定ながら継続した発生が認められている[6]。沖縄および九州南部では最大で年4回の発生が可能であることが明らかになっているが[1][6]、九州南部では、本来南方系である本種の発育調整メカニズムが気候に適応できておらず、成虫越冬ができないにもかかわらず冬に羽化する個体が出るなどの不安定な季節消長が見られる[6]

外部リンク

脚注

  1. ^ a b c d e f g h i j k l 具志堅允一. 2.キオビエダシャク. 沖縄県. https://www.pref.okinawa.jp/site/norin/shinrin/keiei/documents/02-02.pdf. 
  2. ^ a b c d e f Jeremy Daniel Holloway (1993-1994). Tribe Boarmini. The Moths of Borneo. 11. https://www.mothsofborneo.com/part-11/Boarmiini/boarmiini_1_1.php 
  3. ^ 神保宇嗣 (2020年). “List-MJ 日本産蛾類総目録 version 3β”. 2021年2月3日閲覧。
  4. ^ a b 安田守 (2011). イモムシハンドブック. 文一総合出版. ISBN 978-4-8299-1079-5 
  5. ^ H Yasui (2001). “Sequestration of host plant-derived compounds by geometrid moth, Milionia basalis, toxic to a predatory stink bug, Eocanthecona furcellata”. Journal of Chemical Ecology 2001 (7): 1345-1353. doi:10.1023/a:1010361125048. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/11504032/. 
  6. ^ a b c d Yoshinori Shintani; Yoshikazu Kato; Takeo Saito; Yuji Oda; Misato Terao; Keisuke Nagamine (2018). “Maladaptive photoperiodic response in an invasive alien insect, Milionia basalis pryeri (Lepidoptera: Geometridae), in southern Kyushu, Japan”. Applied Entomology and Zoology 53: 343-351. doi:10.1007/s13355-018-0562-z. https://link.springer.com/article/10.1007/s13355-018-0562-z. 




英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「Milionia basalis」の関連用語

Milionia basalisのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



Milionia basalisのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
森林総合研究所森林総合研究所
(C) Copyright 2024 Forestry and Forest Products Research Institute, All right reserved
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのキオビエダシャク (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS