岡安と福富の人々
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/05 06:28 UTC 版)
岡田シズ(おかだ シズ) 演 - 篠原涼子(回想:西村こころ) 芝居茶屋「岡安」の二代目女将。先代女将であるハナの一人娘で家付き娘。宗助の妻でみつえの母。周囲から「ごりょんさん(奥さん)」と呼ばれる。勝気で厳しい性格。 口入屋が連れてきた千代が、表で大声を出したのが気に入らず追い返そうとするが、ハナになだめられ、一か月の繋ぎで奉公させる。のちに正式に「おちょやん」として迎え入れる。 お茶子の修行をしていた時、失敗を繰り返す自分を励ましてくれた早川延四郎と恋仲になりかける。延四郎が故郷へ帰る日待ち合わせをしていて、その場所に行こうとしたがハナに止められた。 千代をめぐり、借金取りに嫌がらせをされても、毅然とした態度で応じ、千代を夜逃げさせる。 昭和19年、福助が出征した数日後、60年余り続いた「岡安」を閉店する。 終戦から3年後の昭和23年、「岡安」のあった場所で「岡福」といううどん屋を開店している。「岡安」の「岡」に「福富」の「福」で、店内には2つの芝居茶屋の暖簾が飾られている。 岡田宗助(おかだ そうすけ) 演 - 名倉潤 芝居茶屋「岡安」の主人。シズの夫でみつえの父。元は岡安への来客。婿養子に入るほど惚れ込むシズには頭が上がらない。 千代と一平が結婚して3年経った頃、結石で倒れテルヲに病院まで運ばれる。昭和23年、「岡福」にてうどんを踏んでいる。 岡田みつえ(おかだ みつえ)→富川みつえ(とみかわ みつえ) 演 - 東野絢香(幼少期:岸田結光) 芝居茶屋「岡安」の一人娘。千代と同い年。奉公人たちから「いとさん(お嬢さん)」と呼ばれる。 初対面の千代から友達になることを持ちかけられるが「住む世界が違う」と、にべもなく断る。幼少期より一平に好意を抱いている。 特に宗助から甘やかされ育ち、「岡安」の女将になりたいと言う割には家業に関わることも無かったが、数え年17歳の時、福助から芝居茶屋は将来無くなると言われたことや、繁忙期にシズが家を明けたことを機に後継者としての自覚が芽生え、家業を手伝うようになる。後に福助と恋に落ち、富川家に嫁ぐ形で彼と結婚する。結婚後も夫婦喧嘩などなにかある度に「岡安」に帰ってきている模様。千代と一平が結婚して3年経った頃には息子の一福を出産している。 福助に召集令状が届いた際には、彼の出征前に思い切りトランペットを吹かせてやることを望む。その後、菊と福松と共に疎開したが、昭和20年空襲により2人を失う。福助が復員したらすぐに会えるとの理由で一福と天海家に身を寄せていたものの、彼の戦死公報が届き、ショックで塞ぎ込んで笑顔を見せなくなる。しかし、「天海天海家庭劇」の劇に一福が出演したこと、話がめちゃくちゃだったことから久々に笑う。立ち直った後は闇市で一福とともにすいとんを売っている。 昭和23年には「岡福」にてシズや一福と働いている。 一平の不倫が発覚した際にはシズと共に憤るものの、千代には離婚を考え直すよう伝える。 岡田ハナ(おかだ ハナ) 演 - 宮田圭子 亡夫と開業した芝居茶屋「岡安」初代女将(シズの母)。周囲からは「お家さん(おえさん=女主人)」と呼ばれる。元は「福富」のお茶子であった。 温厚な人柄で、シズが追い出そうとした千代を奉公人として受け入れる。 家業を娘に譲ってからは観劇を何よりの道楽として過ごしており、芸を観る目は厳しい。また年の功もあって余人の知らない裏話を知っており、千代たちの問題解決の糸口に成ることもあった。 千代と一平の祝言を見届け、すぐに亡くなる。享年70。 かめ 演 - 楠見薫 芝居茶屋「岡安」の女中頭。既婚。周囲から「かめ」「かめさん」と呼ばれる。当初千代には何も教えないつもりでいたが、千代から「おかめさん」と呼ばれると態度が豹変し、千代に仕事を厳しく教え込む。 お茶子3人とは異なり廃業後も「岡安」に残っていたが、昭和20年3月10日の東京大空襲があった翌日、菊の来訪を受けた直後のシズから、かめの親戚が住む三田への疎開を促される。 富士子(ふじこ) 演 - 土居志央梨 芝居茶屋「岡安」のお茶子で千代の先輩。既婚。お茶子頭を務め、怒ると少し怖い。 「岡安」最後の日に千代には、亭主の実家で農家を手伝うと語る。 節子(せつこ) 演 - 仁村紗和 芝居茶屋「岡安」のお茶子で千代の先輩。負けん気が強く、富士子とは年が近いせいか言い合いになることも多い。 「岡安」最後の日に千代には、天涯孤独の身であり東京に行くと語る。 玉(たま) 演 - 古谷ちさ 芝居茶屋「岡安」のお茶子で千代の先輩。心配性でおっとりした性格。しかし、言うべきことは言う。千代とは一番歳が近く仲が良いため、テルヲが来た際には「これ以上千代を苦しめないで」と訴える。 「岡安」最後の日に千代には、しばらくは大阪の実家にいて寝たきりの祖母の面倒を見ると語る。 里子(さとこ) 演 - 奥野此美 岡安の女中見習いの少女。千代やかめ達の会話に「○○って、なんだす?」と無邪気に質問するのが定番。「さっちゃん」と呼ばれ、千代も可愛がっており、玉と共に千代を苦しめないようテルヲに訴える。千代が再び道頓堀に戻った頃にはいなくなっている。 富川菊(とみかわ きく) 演 - いしのようこ 老舗芝居茶屋「福富」の女将。福松の妻で福助の母。福富から暖簾分けした岡安の繁盛を気に入らず、犬猿の仲。しかも使用人のお茶子たちにまで岡安への敵対心を焚きつける。 昭和3年時点では喫茶店を併設した「福富楽器店」に鞍替えしている。 大規模な空襲の噂がある道頓堀に残ろうとするシズを説得し、自身は疎開するが、疎開先で芝居茶屋「福富」の暖簾が無いことに気づき、道頓堀に取りに戻る。その晩空襲があり、命を落とす。暖簾はシズに引き継がれる。 富川福松(とみかわ ふくまつ) 演 - 岡嶋秀昭 老舗芝居茶屋「福富」の主人。菊の夫で福助の父。気が弱く菊に頭が上がらない。疎開先から芝居茶屋「福富」の暖簾を菊と共に道頓堀に取りに戻るが、その晩空襲があり命を落とす。菊を庇うようにして亡くなっていたことがみつえより語られている。 富川福助(とみかわ ふくすけ) 演 - 井上拓哉(幼少期:松本和真) 老舗芝居茶屋「福富」の一人息子。みつえの小学校時代の同級生。 数え年17歳時には「芝居茶屋は将来無くなる」と予測し、家業の継承を望まず趣味のトランペットで生計を立てることを夢見る。昭和3年にみつえと結婚し、息子の一福をもうける。 昭和19年2月、召集令状が届き出征する。楽団で慰問に行っても軍歌を吹くことをよく思わず、抜け出すなどしていたことで目をつけられたのではないかとみつえは推測している。昭和20年夏に戦死公報が届く。 富川一福(とみかわ いっぷく) 演 - 竹林遼 → 西村竜直(昭和12年) → 歳内王太(昭和19年) → 木村風太(昭和23年) 福助とみつえの息子。昭和12年次には戦争ごっこに明け暮れており、福助がトランペットを教えるのも嫌がる。福助に召集令状が届くと自身も少年兵に志願したがるが、止められる。福助の死後は敵討ちのため今度こそ少年兵への志願を口にしたことが千代により語られているが、終戦を迎える。トランペットを吹こうとしても音が出ないことで「天海天海家庭劇」再開第一弾の道頓堀公演に誘われる。しかし本番では綺麗に音を出し、それがみつえを笑わせることにつながる。その後は立ち直ったみつえが闇市ですいとんを売っている横で、客引きのためトランペットを吹いている。 昭和23年には「岡福」にてうどんを茹でており、トランペットも続けている。 椿(つばき) 演 - 丹下真寿美 芝居茶屋「福富」のお茶子。噂好きでおしゃべり。千代と何かにつけて張り合うが、千代のテルヲからの逃亡を手助けする。昭和3年の「福富楽器店」ではウエイトレスをしている。 ぼたん 演 - 沢暉蓮 芝居茶屋「福富」のお茶子。噂好きでおしゃべり。千代と何かにつけて張り合うが、千代のテルヲからの逃亡を手助けする。 あやめ 演 - 藤本くるみ 芝居茶屋「福富」のお茶子。噂好きでおしゃべり。千代と何かにつけて張り合うが、千代のテルヲからの逃亡を手助けする。
※この「岡安と福富の人々」の解説は、「おちょやん」の解説の一部です。
「岡安と福富の人々」を含む「おちょやん」の記事については、「おちょやん」の概要を参照ください。
- 岡安と福富の人々のページへのリンク