審査項目
審査項目
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/23 05:45 UTC 版)
総合評定値=P点を一定の計算式によって申請業種ごとに出す。計算式と要素は下記のとおり。 P= 0.25 × X 1 + 0.15 × X 2 + 0.2 × Y + 0.25 × Z + 0.15 × W {\displaystyle 0.25\times X_{1}+0.15\times X_{2}+0.2\times Y+0.25\times Z+0.15\times W} 工事種類別年間平均完成工事高評点 ( X 1 {\displaystyle X_{1}} )申請した工事種類ごとに算出。2年平均(激変緩和措置により3年平均を選択することも可)。 自己資本額及び平均利益額 ( X 2 {\displaystyle X_{2}} )自己資本額は、基準決算における純資産合計(激変緩和措置により2期平均を選択することも可)の絶対額で審査される。平均利益額は、利払前税引前償却前利益の2年平均の額で審査される。利払前税引前償却前利益とはEBITDA(イービットディーエー)のことで、経審では営業利益の額に減価償却実施額を加えたものと定義しており、2年平均の額をもって審査される。 建設業種類別技術職員数及び工事種類別年間平均元請完成工事高評点 ( Z {\displaystyle Z} )技術職員数評点は、申請した建設業の種類ごとに審査基準日現在の人数で算出する。評価対象技術者と点数は、1級技術者(一級建築士、1級建築施工管理技士、1級土木施工管理技士等)で監理技術者資格者証の交付を受けており、直前5年以内に監理技術者講習会を受講している者(1級監理受講者)が6点、1級技術者であって1級監理受講者以外の者が5点、基幹技能者であって1級技術者以外の者が3点、2級技術者であって1級技術者及び基幹技能者以外の者が2点、その他の技術者が1点である。ただし、一人の職員につき技術職員として申請できる建設業の種類の数は2つまでである。 工事の種類別年間平均元請完成工事高評点は、申請した工事種類ごとに算出。2年平均(激変緩和措置により3年平均を選択することも可)。激変緩和措置については、X1において選択したものと同じパターンが自動的に適用される。 経営状況評点 ( Y {\displaystyle Y} )決算書の財務内容を数値化する。 項目指標名分子分母上限値下限値意味負債抵抗力指標 純支払利息比率(Y1) 支払利息-受取利息配当金 売上高×100 -0.3% 5.1% 収入に占める実質的な金利負担の割合(低いほど良い) 負債回転期間(Y2) 流動負債+固定負債 売上高÷12 0.9か月 18.0か月 期末の負債総額が何か月分の売上高に相当するか(低いほど良い) 収益性・効率性 総資本売上総利益率(Y3) 売上総利益 総資本(2期平均) 63.6% 6.5% 調達した資金によって、主に工事現場でどれくらいの利益を残せたか。ただし、2期平均の額が3000万円未満の場合は3000万円とみなす。 売上高経常利益率(Y4) 経常利益 売上高×100 5.1% -8.5% 売上高から、現場の経費、販管費、財務活動(利息の受け払い)も加味して、どれくらい利益を残せたか 財務健全性 自己資本対固定資本比率(Y5) 自己資本 固定資産×100 350.0% -76.5% 固定資産を自己資本で調達しているか 自己資本比率(Y6) 自己資本 総資本×100 68.5% -68.6% 自己資本の充実具合 絶対的力量 営業キャッシュ・フロー(絶対額)(Y7) 経常利益+減価償却実施額-法人税、住民税及び事業税±引当金増減額∓売掛債権増減額±仕入債務増減額∓棚卸資産増減額±受入金増減額 1億 15.0億円 -10.0億円 いくらのキャッシュを1年間で生み出せるのか(1億円単位)。ただし、分子は2年平均。分母は千円単位であれば100000、百万円単位であれば1000。 利益剰余金(絶対額)(Y8) 利益剰余金 1億 100.0億円 -3.0億円 利益の蓄積、すなわち利益の内部留保の絶対規模(1億円単位)。ただし、個人の場合は、利益剰余金を純資産合計と読み替える。分母は千円単位であれば100000、百万円単位であれば1000。 以上の8指標を次の算式に当てはめ、経営状況点数(A)を算出する。 経営状況点数(A)=(-0.4650*Y1)-(0.0508*Y2)+(0.0264*Y3)+(0.0277*Y4)+(0.0011*Y5)+(0.0089*Y6)+(0.0818*Y7)+(0.0172*Y8)+0.1906 このAを他の指標(X1、X2、Z、W)と評点の桁や平均の水準を合わせるために、Yに変換するものが次の式である。 経営状況評点(Y)=167.3*A+583(Yが0点未満の場合は0点とみなす) この結果、Yの最高点は1595点、最低点は0点となる。 その他の審査項目(社会性等)評点 ( W {\displaystyle W} )雇用保険加入の有無(減点項目)、健康保険及び厚生年金保険加入の有無(減点項目)、建設業退職金共済制度加入の有無(加点項目)、退職一時金制度又は企業年金制度導入の有無(加点項目)、法定外労働災害補償制度加入の有無(加点項目)、営業年数、防災協定の締結の有無、営業停止処分の有無、指示処分の有無、監査の受審状況、公認会計士の数、建設業経理士1級の数、建設業経理士2級の数、研究開発費で評価する。 営業年数だけは黙っていても増えるが、逆に言えば長く経営していることだけで評価されることになる(ただし、35年で60点が上限)。このほか、平成18年5月改正で防災活動への貢献の状況が追加された。これは、国・地方公共団体等と災害時における防災活動について定めた防災協定を締結している建設企業に対し15点加算されるもの。通常は、建設業協会等の業界団体が締結していることが多いため、その会員企業であれば加点評価される。このほか、2008年4月改正で法令順守の状況が追加され、営業停止は30点減点、指示処分は15点減点になった。
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