女囚さそりシリーズ
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『女囚さそりシリーズ』(じょしゅうさそりシリーズ)とは、篠原とおるの漫画『さそり』を原作とした東映制作による映画シリーズ。主演の梶芽衣子の人気とあわせてヒット作となり、梶の歌う主題歌『怨み節』もヒットした。
- ^ 梶芽衣子「あいつの好きそなブルース」(12)~(14)『東京スポーツ』連載、2011年5月27~6月1日。
- ^ 『朝日新聞』夕刊、2013年4月24日号「(人生の贈りもの)女優・梶芽衣子:3」
- ^ a b c 「鎮魂、映画の昭和 岡田茂 他」『映画芸術』、編集プロダクション映芸、2011年8月号、128頁。
- ^ 「インタビュー 『ロストクライム ―閃光―』伊藤俊也 『三億円事件の真相と権力との闘い 昭和という時代への想い』」『キネマ旬報』1983年3月下旬号、キネマ旬報社、151頁。
- ^ “女囚701号 さそり外伝 第41雑居房”. www.pg-pinkfilm.com. 2020年1月31日閲覧。
- ^ 下記外部リンク・キネノートより。
- ^ 下記外部リンク・allcinemaより。
- ^ a b c 華西良「甦った“さそり”」『キネマ旬報』1991年5月下旬号、pp.118-119
- ^ a b 藤木TDC、餓鬼だらく、高島都、ミゾロギ・ダイスケ「座談会 東映Vシネマってなんだ」『東映Vシネマ大全』双葉社、2014年、p.40
- ^ 山根貞男『映画はどこへ行くか 日本映画時評'89-'92』筑摩書房、1993年、p.144
- ^ 「わずか半年あまりで30万本の大ヒット! ビデオ業界の記録を塗り替える“東映Vシネマ”シリーズ!!」『創』1991年1月号、p.181
- ^ a b c d インタビュアー秋本鉄次「女囚さそり殺人予告 '90年代“さそり”復活の意義と挑戦 池田敏春インタビュー」『キネマ旬報』1991年6月上旬号、pp.208-209
- ^ 編集部「女囚さそり殺人予告 全く新しい“さそり”を 岡本夏生インタビュー」甦った“さそり”」『キネマ旬報』1991年5月下旬号、p.122
- ^ a b 「女囚さそり殺人予告 さそりリスト」『キネマ旬報』1991年5月下旬号、p.121
- ^ 「インタビュー黒沢満×加藤和夫(東映ビデオプロデューサー)」『別冊映画秘宝 90年代狂い咲きVシネマ地獄』洋泉社、2014年、48-51頁。ISBN 978-4-8003-0504-6。
- ^ 主人公の乗るバイクとライダースジャケット、女囚たちが外での作業中に羽織るショールのようなもの、花吹雪等。
- ^ 小林信彦「ホテルで見たVシネマ」『コラムにご用心 エンタテインメント評判記 1989〜92』筑摩書房、1992年、p.187
- ^ a b 「日本映画ニュース・コープ」『キネマ旬報』1991年8月上旬号、pp.132-133
- ^ オフィスJ.B.編集・構成『東映Vシネマ大全』双葉社、2014年、123頁。ISBN 978-4-575-30772-6。
- ^ 「『女版・加勢大周』!?ハイレグ女王・岡本夏生の映画降板劇」『週刊ポスト』1991年10月4日号
- ^ 「岡本夏生が謎のダウン!初主演映画が無期延期に」『週刊明星』1991年10月3日号
- ^ 「コレが見納めハイレグ!?5キロもゲッソリ、ハイレグ女王・岡本夏生が突如休養のワケ」『週刊宝石』1991年10月10日号
- ^ 「『私は引退もしないしノイローゼでもない』告白!岡本夏生が沈黙を破って語った『胸の内』」『FRIDAY』1991年10月18日号
- ^ 「岡本夏生の『脱ぐ』『脱がない』事件 突然、主役を“降板”したハイレグ女王」『FOCUS』1991年10月4日号
- ^ 沖崎たちが直接さそりを殺すと暴動が起きるため、ナミを使って偽のさそりを殺させて女囚たちの怒りの矛先を彼女に向けた。
- ^ 最終盤で主人公がこの名前を名乗るが、偶然さそりと同姓同名なのか彼女に感化されて名乗ることにしたのかは不明。
- ^ この号数は、梶芽衣子が演じた初代さそり(女囚701号/さそり)の番号と同じ。
- ^ 名前は、窪田が死んだ後のナミと女性看守との会話。名前は違うが「女囚さそり 第41雑居房」に登場した看守の古谷と見た目がそっくりな人物。
- ^ 堀田は梶芽衣子主演『女囚701号/さそり』『女囚さそり 第41雑居房』にも看守(古谷)役で出演。見た目も前作のオマージュである。
- ^ a b 清水宏と桐山栄寿は翌年公開の伊丹十三監督作品『ミンボーの女』でも小松方正演じるヤクザの花岡の子分として登場する。
- 1 女囚さそりシリーズとは
- 2 女囚さそりシリーズの概要
- 3 Vシネマ版
- 4 オマージュ
女囚さそりシリーズ
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梶芽衣子の代表作として知られる「女囚さそりシリーズ」は、篠原とおる原作の映画化であるが、元は梶主演の女版"網走番外地"として企画されたもので、"ポルノ路線"の一作であった。第1作のみ梶もヌードになる他、女囚の集団入浴シーンなど裸がふんだんに登場する。 梶はクールなイメージで"復讐する女"を強烈に演じて、それまでの日本映画に存在しなかったヒロイン像を確立した。 梶芽衣子版「さそり」は70年代最高のアウトロー・ヒロインとして屹立し、今なお不変の輝きを誇ると評される。 70年代に入ると女優の主な活躍の場は完全にテレビになり、映画で独自のパーソナリティを開花させた若手女優は、梶と桃井かおり、秋吉久美子などごく数人に限られた。 また組合活動家だった監督の伊藤俊也の反体制的な演出も高い評価を受けた。伊藤は「石井輝男も野田幸男も深作欣二も、東映の全てを否定して映画を撮った」「"NO"という意思が、国家をも打ち抜くといった観念を劇構造に織り込もうと考えた」などと話している。当時東映は労働組合に対する締め付けが強く、伊藤はハチマキをして組合運動をしながら映画を撮った。 シリーズ全体に流れる体制への反抗と復讐というテーマが当時の時代背景にマッチした。第1作『女囚701号/さそり』、第2作『女囚さそり 第41雑居房』の大ヒットは『仁義なき戦い』に先立つものであり、東映に女性アクションの新しい軸を作った。伊藤はシリーズ化にあたり、全ての話を連続させたいと考えていたため、3作で全てをやりきり、会社からは好条件で続投を依頼されたが降板した。降板理由は世間で噂された梶との不仲説ではないという。元々梶は当時結婚を考えていた人がいて1作目で引退するつもりだった。ところが予想以上の大ヒットで岡田社長や俊藤浩滋らの説得を受ける形で、なし崩し的に出演を続けたと話している。梶の歌う主題歌『怨み節』も大ヒットしたが、当時は映画の主題歌はまだ定着していなかったという。 「女囚さそりシリーズ」は、第4作で梶主演、監督が長谷部安春に代わり、第5作で主演は多岐川裕美に交代し監督が小平裕、第6作では主演が夏樹陽子になり興行的に失敗し1970年代のシリーズは終了した。第5作で裸になることに過敏になっていた多岐川が「違う演出方法もあるんじゃないですか?」と監督に意見してごね、浅香光代が怒り、根岸季衣も「脱がない」と言い出し、裸のために呼んだゴールデンハーフの高村ルナも「じゃあ私も脱がない」と紛糾。結局多岐川の主張が通りソフトな演出になり、それを聞いた第6作の夏樹陽子も「脱がない」と言い出したという。しかし第5作では当時大人気だった范文雀が予想外に脱いでくれて驚いたと監督の小平は話している。 女囚を扱った映画としては、同じ東映が1965年に女版"網走番外地"のような『おんな番外地 鎖の牝犬』(緑魔子主演)を、大映が1968年から1969年にかけて"秘録もの"として、安田道代主演で、江戸時代の女牢を舞台にした『秘録おんな牢』(1968年)などを製作している。 世界的には1971年、ロジャー・コーマン製作、ジャック・ヒル監督、パム・グリア出演の『残酷女刑務所』が、女囚映画にセックス要素を注入し大ヒット、以降続々と女囚映画が作られた。特にダイアン・ソーン主演のエクスプロイテーション映画「イルザシリーズ」は、世界的に大ヒットした。 詳細は「女囚さそりシリーズ」を参照
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