ミンボーの女とは? わかりやすく解説

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ミンボーの女

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/04/25 12:58 UTC 版)

ミンボーの女
Minbo
監督 伊丹十三
脚本 伊丹十三
製作 細越省吾
製作総指揮 YUKUO TAKENAKA
出演者 宮本信子
大地康雄
村田雄浩
中尾彬
伊東四朗
我王銀次
三谷昇
結城美栄子
渡辺哲
矢崎滋
三宅裕司
小松方正
大滝秀治
ガッツ石松
柳葉敏郎
津川雅彦
宝田明
音楽 本多俊之
撮影 前田米造
編集 鈴木晄
制作会社 ITAMI FIlMS INC.
配給 東宝
公開 1992年5月16日
上映時間 123分
製作国 日本
言語 日本語
配給収入 15億5000万円[1]
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ミンボーの女』は、1992年日本映画脚本並びに監督伊丹十三ヤクザ民事介入暴力をテーマとする作品。

公開2か月前に「暴力団対策法」が施行されており、世間の注目を浴びて大ヒットを記録した[2]

ストーリー

ヤクザにゆすられ続けるホテル・ヨーロッパ。ヤクザの脅しに屈して簡単に金を出してしまうため、ホテルには日本中のヤクザが引っ切り無しに訪れ、サミットの会場の招致も危機管理の甘さを理由に外務省から断られてしまう有様だった。この状況を打開すべく、総支配人の小林は経理部の鈴木勇気・ベルボーイの若杉太郎の2人にヤクザ対応を一任する。しかし、何の知識もないままに対応を押し付けられた2人は、ヤクザを追い出すどころか火に油を注いでしまい、ますますヤクザの恐喝を悪化させてしまう。見かねた小林はついに外部からプロを雇うことにした。それが民事介入暴力(民暴)を専門とする弁護士、井上まひるであった。

まひるは豊富な経験と法律の知識を武器にヤクザへ堂々と立ち向かい、港町警察署刑事課暴力犯係長の明智刑事に協力してもらいながら、鈴木と若杉に「ヤクザを怖がらない」ことを教え、2人は徐々に勇気を持つようになった。そんな中、小林はゴルフ場で知り合った入内島という男性に誘われるがまま賭けゴルフをしてしまう。しかし実は、入内島はヤクザ組織の中心人物であり、賭けゴルフをきっかけとして総支配人にスキャンダルの罠を仕掛け、莫大な金をせびろうとする。

まひるの指揮下でなかなか脅迫に屈しないホテルに対し、入内島らは街宣車を送り込むなどの嫌がらせを行う。これに対抗し、まひると若杉は組事務所への不作為の仮処分を裁判所に申請したが、2人は入内島らが差し向けた鉄砲玉の襲撃を受ける。ヤクザへの怒りに燃える若杉は鉄砲玉を打ちのめすが、刺されたまひるは出血多量で病院に担ぎ込まれてしまう。

まひるが病院で生死の境をさまよっている最中、入内島らヤクザは彼女の不在を幸いとして大挙してホテルに乗り込んでくる。まひるなしで交渉に臨む鈴木、若杉と小林であったが、既に彼らは以前の臆病なホテルマンではなく、決して脅しに屈さず、逆に恐喝の言質を取ることに成功する。ヤクザたちは待機していた明智刑事率いる警官隊により、恐喝の現行犯で一網打尽にされたのだった。

意識を取り戻し、杖をつきながらホテルに戻ってきたまひる。そこに新たなヤクザの大親分が大勢の手下を連れてホテルへと入ってくる。しかし鈴木・若杉ら従業員たちはヤクザたちの前に毅然と立ちはだかり、これまでの知識と経験を総動員させ親分たちのホテルの利用をきっぱりと断りつけた。大親分は彼らの姿に薄笑いを浮かべた後、黙ってホテルを去るしかなかった。飛び上がって喜ぶ一同。ホテル・ヨーロッパの成長した姿がそこにはあった。

スタッフ

※エンディングクレジット順

キャスト

※エンディングクレジット順

ホテルヨーロッパ側

括弧書きはホテル内の役職・担当

ヤクザ側

国家側

それ以外の人々

  • 外務省の友人 - 津川雅彦
  • ゴルフの連れの社長 - 柳生博
  • 保健所長 - 佐古雅誉
  • おどかされる男 - きたろう
  • 外科医 - 秋間登
  • ゴルフ場支配人 - 木下秀雄
  • ゴルフの連れ - 矢吹圭司
  • 社長秘書 - 小川美那子
  • レポーター - 沢村裕史
  • 保健所員 - 秋田宗好 / 大場吉則 / 宮島邦夫 / 伴野公彦
  • プールのギャル -
    • 北野礼子 / 豊川ユキ / 新井里美
    • 麻生もえみ / 葉山久美

製作

本作品の舞台は東京にあるホテル「ホテル・ヨーロッパ」という設定だが、撮影は当時開業前だった長崎県ハウステンボス内のホテル・ヨーロッパで行われた。

伊東四朗演じるヤクザの入内島が、ホテルの別館の建設現場で総支配人・小林にスキャンダルの証拠写真をネタに10億円を要求するシーンがある。この場面で入内島はサングラスを掛けており強い威圧的な雰囲気を出しているが、これは伊東四朗が実は高所恐怖症で、地上を見えにくくするためのものだったと本人は後に語っている。

鈴木正幸は、自身がかつて『3年B組金八先生』で演じた大森巡査と同様に東北訛りの警官役を務めた。

襲撃

宣伝映像では、伊丹十三が刺青を背中にメイクして登場し、「伊丹式ヤクザ映画」を標榜。

映画監督の五社英雄は『ミンボーの女』の製作段階から、本作が公開されたらやくざ関係の事件が起きる事を危惧し、「彼(伊丹)はやくざの世界を知らなすぎる。世の中にはきちんと筋を通さない限り、絶対に触れることができない闇の部分があるんだ」と指摘していた[3]

国内公開直後の5月22日、伊丹は自宅近くで刃物を持った後藤組の五人に襲撃され[4]、顔などに全治3か月の重傷を負う事件が起きた。「私はくじけない。映画で自由を貫く」と伊丹は宣言したものの、翌1993年5月30日には次作映画『大病人』が公開されている映画館で、上映中に暴力団組員がスクリーンを切り裂く嫌がらせも起こった。

DVD

ジェネオンエンタテインメントから2005年2月に限定版の字『伊丹十三コレクション たたかうオンナBOX』に組み込まれて発売、追って2005年8月にメイキングDVD『ミンボーなんて怖くない』と同時に単品でリリースされている。

脚注

注釈
  1. ^ 日本一のドアマン
出典

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