奈良西幹線
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奈良西幹線(ならにしかんせん)は、奈良県生駒市から同県香芝市に至る都市計画道路である。1982年(昭和57年)に国道168号へ編入された府県道大和高田枚方線の区間に並行する形で1973年(昭和48年)4月18日に大和都市計画道路奈良西幹線、一連番号は3・3・2として都市計画決定し、複数の道路拡幅やバイパス建設の事業を実施している。都市計画道路としては生駒市の国道163号交点から生駒郡平群町までと、北葛城郡王寺町から香芝市の中和幹線交点までに2分割されており、一般的に「奈良西幹線」の事業名では王寺町王寺1丁目から香芝市北今市5丁目までの5.4 kmで進行している。本節では、奈良県発行の道路改良事業資料の起終点記述に基づき、国道168号の起終点の向きと同様に都市計画道路とは逆転させて香芝市を起点側、生駒市を終点側として扱う。 2012年(平成24年)現在では香芝市から王寺町にかけては香芝王寺道路、王寺道路が、平群町から生駒市にかけては上庄バイパス、小平尾バイパス、一分バイパスがそれぞれ連続して建設中で、それぞれ一部で供用を開始している。 奈良西幹線 - 香芝王寺道路 - 王寺道路 香芝市から王寺町までの沿線では、1975年(昭和50年)の都市計画決定後の市街化区域の編入やそれに伴う住宅開発などに伴って人口が急増した。市街地を通過してセンターラインを有する2車線道路が確保されているが、大型車にとって幅員が十分ではなく、また歩道未整備箇所を抱えるなどしているため、慢性的な渋滞の解消や歩行者の交通安全が課題となっていたまた、都市計画決定後の社会情勢の変化に伴い、当初は全線が代表幅員18 mの完成2車線での計画となっていたが、2007年(平成19年)3月2日に一部を除いて代表幅員25 mの4車線道路へ計画変更された。4車線区間は道路規格第4種第1級、設計速度50 km/hで建設中である。奈良西幹線(ならにしかんせん)中和幹線接続道路 奈良県香芝市北今市5丁目から同市上中に至る延長765 mの街路事業である。奈良西幹線全体の起点に位置し、中和幹線と国道168号現道とを連絡する役割を担う。2012年(平成24年)3月28日に一部最小幅員7.0 mの区間を有しながらも全線で供用を開始した。 香芝王寺道路(かしばおうじどうろ) 香芝市北今市から北葛城郡王寺町畠田4丁目に至る延長3.2 kmの道路拡幅事業である。区間中にある上中北交差点周辺の延長350 mは香芝インターチェンジアクセス道路の整備の際に改良された。全体としては工区を3分割して2006年(平成18年)度に事業着手した。 王寺道路(おうじどうろ) 奈良県北葛城郡王寺町畠田4丁目から同町本町1丁目に至る延長1.5 kmの道路拡幅事業である。工区を2分割して2001年(平成13年)度に事業着手し、2009年(平成21年)8月18日に終点側630.1 mが完成4車線として供用を開始した。起点側の920 mは2015年(平成27年)度に供用開始予定である。 上庄バイパス(平群バイパス)- 小平尾バイパス - 一分バイパス 平群町から生駒市の沿線では、1970年代前半に生駒市南部などで宅地開発が急激に進行した。東西の軸である第二阪奈道路が建設されて大阪市や奈良市への利便性は向上したが、関連する交通の流入も発生し、特に生駒山と矢田丘陵に挟まれた平群町から生駒市にかけての交通渋滞は激しくなる一方であった。中でも上庄バイパスは県道大和高田枚方線時代に事業着手されている。上庄バイパス(かみしょうバイパス) 奈良県生駒郡平群町椿井から生駒市小平尾町に至る延長4.2 kmのバイパス計画である。奈良県北西部の南北交通の主要な幹線道路であり、狭小幅員や線形不良の解消、歩道の設置等による交通の円滑化や渋滞緩和が期待されて1973年(昭和48年)に事業着手したが、周辺の公図混乱や買収単価の折り合い等から用地買収に時間を要していた。 2012年(平成24年)11月現在、計画区間の北側で現道をバイパスする上庄工区(片側1車線・平等寺から平群北公園前)と秋津工区(片側2車線・平群北公園前から秋津橋)が供用済。引き続き計画区間の南側に当たる椿井工区では椿井橋の架け替え工事と交差点改良工事などの現道再整備が実施され、同工区465 mのうち240 m区間が2014年(平成26年)10月30日に開通。 小平尾バイパス(こびらおバイパス) 奈良県生駒市小平尾町から同市小瀬町に至る延長1.5 kmのバイパス計画である。後述の一分バイパスと並んで生駒市内を南北を繋ぐ唯一の幹線道路で、完成供用後は起点側の上庄バイパス(秋津工区)と終点側の一分バイパスとを両側4車線で直結する予定である。2007年(平成19年)に事業着手し、一部は旧道の南生駒駅前を迂回する南生駒バイパス(みなみいこまバイパス、片側1車線が供用済)が全区間で重複する。重複区間は現道を拡幅し、残りの区間は現道をバイパスする予定。 一分バイパス(いちぶバイパス) 奈良県生駒市内を南北に結ぶ国道168号バイパスで、1984年度(昭和59年度)に事業着手し、2007年(平成19年)に全線片側2車線が開通した。 奈良県生駒市小瀬町から同市山崎町を結び、始点では竜田川沿いを併走する現道と南生駒バイパス(小平尾バイパス整備後は小平尾バイパス)に接続する。 国道168号は生駒市を南北に縦断する唯一の主要幹線道路であり、一分バイパス区間は第二阪奈道路への流入路にもなっている。現道、バイパス共に竜田川を沿っており、この区間で現道は竜田川の東側を、本バイパスは川沿いの西側を併走する。前述の事情や道路の線形等もあって、開通前の時点で現道は非常に混雑し、付近には生駒市消防南分署があった事から、緊急自動車等への影響が懸念されていた。 このような事情から、本バイパスは混雑緩和や交通安全の確保等を期待して、一日も早い開通が望まれていた。 詳細は「一分バイパス」を参照
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